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議会報告

2019第4回定例会総括質問原稿・小林久子(23分)1.公共交通の充実について(1)マイタク(2)デマンドバス(3)前橋市地域公共交通網形成計画(4)今後のあり方【2019/12/6】

1、公共交通の充実について伺います。 

(1)マイタクの充実
マイタクの郊外利用者への負担軽減についてです
山本市長は8年前の市長選で、市内全域で200円乗り合いタクシーを運行し「買い物や遊び、飲食の市民の足となります」と掲げましたが、デマンド化研究会を経て、2016.2より移動困難者対策として、マイタク・デマンド相乗りタクシーを走らせました。現在、登録者は2万4千人を超え、利用も拡大しています。(予算2億1千万)
マイタクはこのように市民に喜ばれております。しかし、わが市議団は、何度も指摘してきましたが、街なかは便利に使えるが、郊外は高くて使えないとの不公平感が払しょくされていません。
 マイタクの1日当たりの利用は650人。年間の述べ利用人数は約22万人、本庁管内の利用が50%と比較的低料金の利用が多くなっています。
主に通院や買い物の足としての利用が多いが、基幹病院は旧市内にしかなく、個人病院も中心部に密集し、旧町村には少ないのが実態です。さらに、タクシーの待機所も郊外にはあまりないという問題があります。
高齢者が、富士見、宮城、粕川などから日赤病院や群大病院に通院する場合、自家用車、家族の送迎が多いと思われますが、できない人は、タクシーか、公共交通を乗りついでいくしかありません。ふるさと・るんるんバスから鉄道、バスと2〜3回も乗り換え、時間は当てにならず、その都度待ち、タクシーで直通で行くのに比べ2倍以上も時間がかかります。タクシーは片道4000円〜6000円もかかり、高すぎて通いきれません。
こうした郊外の長距離利用者の通院などを考えると、マイタクの助成額上限1000円を例えば2000円助成するなど、負担軽減策を講じるべきと考えますが。見解を伺います。

●マイタクの利用者アンケートを取りましたが、ちゃんと市民の声を聞いたのですか。マイタク利用が1日2回まででは公共交通を乗り継いでいくことも制限されます。
例えば、粕川町室沢からから群大病院まで行くのは、マイタクあるいは、ふるさとバスで上電の駅まで出て、乗り換え2回2時間かかります。タクシーなら56分ですが片道6400円かかります。前橋日赤病院は7200円です。このような長距離利用者の支援が1000円で妥当とお考えなのですか。移動困難者対策と言いながら、あまりに冷たい。結局自家用車に頼らなければなりません。

次に市民要望に応えるマイタク制度の充実改善についてです。

マイタクのマイナンバーカード化への一本化に反対する市民の声をうけ、紙の利用券との併用で行っていますが、カード取得の強制をすることは問題です。経費削減で、せっかく市民に喜ばれているのにこれ以上利用できない人を増やしたら市民の支持は得られません。
一方、マイタクの利用時間の延長や、一日2回の利用制限の撤廃、長距離利用者の負担軽減を求める市民の声に背を向けていることは問題です。
今後は、高齢化がさらに進み、登録利用者はさらに増え続けることは必至で、助成額を増やすのは当然です。
市は予算をしっかり確保し、マイタク制度をさらに改善・充実し、市民要望に応えるべきと考えるが見解を伺います。

●マイタクは市長自らの公約です。2億円の助成をさらに増やして市民要望に応え素晴らしいマイタク制度にするよう要望しておきます。


(2)デマンドバスの充実
交通不便地域へのデマンドバスの拡大について伺います。

デマンドバスを自分たちの地域にも走らせてほしいという声が多く寄せられています。
市はマースで複数の交通手段を組み合わせ、便利な移動を確保するといいます。
デマンドバスは運行区域を限定していますが、心臓血管センターやあいのやまの湯、関根のヤオコーなど区域外にもバス停を設置しています。
以前、ふるさとバスを嶺公園や大室公園までエリアを拡大し、路線バスと連絡できると提案したことがありますが、これも結節強化になるのではないでしょうか。
るんるんバスも運行エリアを拡大すれば、田口や芳賀の住民も富士見のとりせんやベイシア、関根のヤオコーに買い物に行けるようになります。
城南地区の地域内交通の社会実験を行いましたが、住民主体での運行は様々な課題があります。市内には、清里、城南、芳賀、荻窪、上下川淵など、郊外に多くの交通不便地域が存在しています。
芳賀では、社協が買い物バスを運行し他の地域でも買い物支援のボランティアなどの取り組みが行われていますが、住民任せでなく、市が主体となりデマンドバスの交通不便地域への拡大を行うべきと考えますが見解を伺います。

●中心部を走るマイバスは100円で乗れて、年間2200万円でうんこうできます。これを交通不便地域にも走らせてほしいという声も多くあります。ぜひ検討を。

次にドアツードアの導入について伺います。

ふるさとバス・るんるんバスは、年齢、居住地を問わず、誰でも乗れますが、実際は利用者のほとんどが高齢者です。障がい者は半額で乗車できますが、乗車するのは困難です。旧町村部では、現状ではマイタクも高くて使えない中で、デマンドバスが高齢者の欠かせない移動手段になっています。しかし、坂道などの多い郊外では、思い荷物を持ちバス停から自宅まで歩くのは大変です。
当局はこうした実態を承知していながら、これまで何度もドアツードアを求める住民の声に背を向けてきました。
しかし、今後、高齢化がさらに進む中で、高齢者や障がい者も利用できるようにするには、バリアフリー化や、ドアツードア化は当然早期に実施すべきものと思いますが、当局の見解を伺います。

●全国でもドアツードアを導入している自治体もあり可能なのになぜやらないのか。停留所方式の継続では、今後高齢者はますます利用できなくなってしまいます。ただちに実施を決断すべきです。

(3)次は前橋市地域公共交通網形成計画についてです。

本市は人口減少や高齢化に対応した、持続可能な公共交通ネットワークの再構築を図ることを目的に昨年前橋市地域公共交通網形成計画を策定しました。
バスの利便性向上を中心とした公共交通軸の強化、公共交通による街中の回遊性向上、だれもが快適に移動できる公共交通ネットワークの構築を掲げ、都心幹線の形成、幹線バス路線の明確化・定時制確保、鉄道やバス停の結節強化、バリアフリー化、公共交通不便地域の解消などを施策に掲げ、具体的な路線の再編などの作業を現在行っています。
また、コンパクトシティ+ネットワークで、中心市街地やまちづくりとの連携が強調されています。
市街地が拡散している中で、中心市街地は人口減少と郊外大型店舗の分散立地により、まちの求心力は低下しているのに、都心幹線の形成や幹線バスの利便性向上と、中心市街地再開発に大きな投資をしようとしています。
しかし、市民が求めているのは、通院や近くの買い物としての公共交通がメインです。
この間市内老人会や住民組織、市民団体などがたびたび陳情・要請などを行い、マイタクの利用時間延長や助成額の増額、デマンドバスのドアツードア、交通不便地域へのマイバスやデマンドバスなどの新規路線の導入を求めてきましたが、これら市民の切実な要求の具体策はありません。
マイタク、マイバス、デマンドバスなどの改善など、今困っている市民の声にこたえる地域公共交通政策が求められていると考えるが見解を伺います。

●都心幹線や広域幹線などを重視したバス路線の再編は、便利にはなるが、現状の問題を解決することにはなりません。
市の現状分析でも、運転免許を持たない高齢者の外出率が低く、通学や高齢者の外出は送迎が多い、公共交通が不便で免許証を返納しにくい。バリアフリー化されていないなどが問題となっています。これらの解決が最優先です

(4)今後のあり方(市長)
次に福祉施策としての公共交通の考えについて市長に伺います

市長は、マイタクをもっと便利に、だれもが安心して外出できる街にと言っていますが、国が進める自動運転、AIやワンマイルタクシー、マースの実証実験に熱心で、職員がこれらの実証実験に手を取られて、市民の切実な要望が後回しになり問題です。スマホなど使いこなせない高齢者を排除しないでください。
いくら将来便利になるといっても、今困っている市民・交通弱者を救えなければ説得力はありません。それほど公共交通の要求は切実で、待ったなし、緊急性があります。
高崎市は、1億6000万円の予算で車いす対応のワゴン車2台を高齢化率の高い倉渕、榛名、吉井の3地域で来年度から無料タクシー巡回を開始すると発表しました。まち中では、買い物に、お店ぐるりんタクシーを無料で巡回し、市民負担をかけず、福祉の視点を貫いていることがすごいと思います。
高齢者の外出支援は、交通政策ではありますが、結果、病気の重症化や認知症の発症を抑制し、健康寿命が延び、ひいては介護や医療の費用を抑えることにつながります。
これら公共交通への投資は、財政支出の優先度の高い福祉施策と位置付けるべきです。市長の見解を伺います。

●高崎市長は、お年寄りの足の確保は自治体の最重要課題としています。
先日も高齢者が関越道を逆走する死亡事故がありました。年とっても車が無ければ暮らしていけないという背景があります。高齢者が安心して免許が返納できる環境を作ることは、待ったなしの課題ととらえるべきです。 


国・県の支援強化について市長に伺います。

国は地域公共交通を守るために全国の自治体に、一定の支援をしていますが、その額は2019年度220億円にとどまっています。
県は7つの交通軸と呼ばれる幹線道路整備や、舘林と高崎間のBRTバスの導入に予算をつぎ込む一方、市町村の交通政策への支援が弱すぎます。前橋市の22の委託路線に市は年間3億円を支援していますが、県からの財政支援はそのうちの2700万円で、市が取り組んでいる交通弱者支援のマイタクやマイバスの充実のために必要な支援はありません。県は地域の公共交通の衰退の現状や高齢者の現状を認識していながらあまりにも支援が弱すぎると思います。
財源確保の大変さを言うのであれば、住民の足としての鉄道の存続やバス路線の維持のための予算の増額や乗り合いバス・タクシーなどへの財政支援を国や県に強く働きかけるべきと考えますが答弁を求めます。
 
●これまで住民の足となってきた鉄道・バスの路線廃止や減便が相次ぐ中で、地域公共交通の衰退を止め、交通弱者の移動手段として維持していくためには、国や県、自治体の財源確保が欠かせません。
 



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