トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

2020年5月臨時議会「新型コロナ緊急対策」賛成討論、近藤好枝【2020/5/27】

 私は日本共産党前橋市議団を代表して本臨時議会に上程された議案及び報告について討論を行います。
最初に議案第60号令和2年度前橋市一般会計補正予算に対する修正案について賛成討論を行います。市民フォーラムから提出されました市内店舗への支援として電子応援チケットの発行1184万2000円についてです。市内店舗で利用できる電子応援チケット1000円分(500円×2枚)を5千件発行し、電子スタンプにより簡単に決済する仕組みを導入するとしていますが400店舗へに絞りこむ不公平さや、携帯電話などを持たない高齢者などは使用できない問題。また、チケットは市内外のだれでもダウンロードできるという点で市民へ限定するサービスにならないなど多くの問題があります。県内では太田市や渋川市など10市町村が子育て世代や全住民に5千円から1万円の商品券や食事券を発行して直接店舗支援をしていることから考えても問題が残ります。しかも、直接の支援金の総額は500万円であり約680万円は電子化のための事務費と備品費などで消えてしまうことも問題です。緊急経済対策としては生活困窮者対策にも店舗支援対策にもならず再検討すべきと考えていますので、修正案に賛成します。

次に議案第60号から62号、報告第1号から第3号以上6件について賛成討論を行います。

最初に議案第60号令和2年度前橋市一般会計補正予算についてです。
私たち党市議団は新型コロナ対策について市長に緊急要請を2回、教育委員会にも個別に実施してまいりました。今回の予算化は規模が少なすぎると考えますが、対策の第1歩と考えています。
この補正予算は新型コロナ感染症拡大に伴う本市の対策として3億5710万
9千円計上しています。
新型コロナウイルスは人類史のなかでも最悪のパンデミックの一つになっています。5月26日現在、世界では549万5061人感染し、死亡者は34万6232人、日本では1万7344人感染し死亡者は864人(クルーズ船含む)、群馬県では149人感染し19人が死亡。そして本市では4人が感染するという未曽有の事態を引き起こして命と暮らしを直撃しています。ここで、改めて、お亡くなりになった方々、闘病されている方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。

補正予算の一つは発熱外来の開設を前橋市保健所内に設置するものです。発熱してもかかりつけ医がなく受診できない方、たとえば若者や外国人などを含めて診療するとしていますが、発熱外来とは、主に感染症が流行している時期に設置する診察用の施設です。通常、感染症を他の患者さんにうつすことなく診断する目的で設置されます。院内感染を起こさないために設置することは望まれますので、かかりつけ医がいても診療を希望する市民はすべて対象にすべきです。また、今後予想される第2波第3波の感染拡大にしっかりと対応できるよう拡充を求めておきます。
二つは商工関係小規模事業者への支援金として一律5万円支給(従業者5名以下、自営業者も含めて)約6千件対象と見込んでいます。但し、県支援金の対象者及び前橋市経営安定化資金の借入による利子補助等を受けている事業者は除くとしていますが困っている事業者であることが明確ですので除外すべきではありません。対象となる事業者には簡便な方法で申請できるように求めておきます。さらに、太田市や全国では大阪府香取市は飲食店への給付金1事業者30万、福岡県福津市(ふくつ)でも同額です。埼玉県蕨市では小規模企業者応援金(売上の減った市内小規模企業者に対し、1企業あたり10万円、家賃補助加算上限5万円(家賃10万円を超える部分)を合わせて計15万円を給付したりしていますのでこれも大いに参考にして第2次の補正で支援すべきです。

三つは農業生産者等への支援金として、花き生産者へ一律5万円(140件)と畜産生産者(酪農・肉用牛生産者)へ一律5万円(204件)となっていますが、花き農家や肥育牛農家などは出荷できないために莫大な損失をこうむっています。本市は全国でも有数の農業都市ですので、野菜農家なども含めて農家が継続し再生できるようにすべきです。全国ではたとえば近江牛で有名な近江八幡市では緊急支援事業で既存の牛マルキン事業で補填されない生産費の4分の一の上乗せ。肥育牛の導入に1頭当たり10万円支援。米沢牛で有名な山形県飯豊町(いいで町)では市が支援して消費拡大をするために市内の肉屋さんで焼肉セット7000円を2500円で販売しています。本市でもこれらに学ぶとともに学校給食でも上州牛の活用に支援するなど実施すべきです。

四つは避難所の感染症拡大予防策として、避難所の開設運営時におけるパーテーション300セットと段ボールベット300セットを拠点避難所に配備するなどの予算ですが施設ごとには5セットずつを想定しています。しかし、これではとても少なすぎて大規模災害に対応できません。昨年の6月から10月にかけての豪雨災害で、約10万人に避難勧告が出され、避難者はその1%でしたが、その方たちだけでも活用するとしたらとても足りません。避難所の学校体育館だけではなく教室や民間の施設など新型コロナ感染症対策も十分反映した設置を早急に検討すべきです。

五つは認可外保育施設への支援として自粛を要請し、収入が減少した施設に1
0万円を23施設に支援するとしていますが、経営実態を調査すれば十分経営
していけるところと困難な施設と存在すると考えます。企業内保育については
今後国からの支援が検討されているとのことですが、この際実態を調査し、一律ではなく支援が必要な施設に十分な支援をすべきです。
以上が補正予算の内容ですが、本市では自粛要請による経済活動の縮減や収入減など市民生活に甚大な被害が発生しています。国から第一次分として上限約7億8千万円の臨時交付金が予定されていますが、今回の臨時議会予算は約3億6千万円です。経営安定化資金の利子補給などにすでに今年度約14億円の支出が見込まれていますが藤岡市などは交付金の4倍もの予算化をしています。本市ももっと拡充すべきです。
たとえば、本市はひとり親家庭へお米10kg約3,400円分を配布しますが、埼玉県蕨市は3万円福岡県飯塚市は5万円、県内でも16の市町村が全住民対象あるいは子育て世帯に現金1万円または商品券などを給付しています。また、妊婦への支援として大阪府枚方市(ひらかた)で5万円などの自治体で実施しています。また、福井県の鯖江市では今年度に限り保育園、小中学校の給食費を無料にしています。
また、水道料金では市民生活・経済活動を支援するために埼玉県所沢市は2か月分の水道料金を一般家庭や事業所すべて対象に無料にして予算は9億5千万円です。また、仙台市で19億6000万円を投入し上下水道の契約者に対して7・8月分の基本料金を無料にしました。他の自治体でも基本料金の減免など多くが実施していますので学ぶべきです。ところが本市では、水道料金の減免どころか、生活困窮で払いたくても払えない市民に対して、実情を把握した上といいながら命に係わるライフラインである給水停止を6月から実施することは直ちに止めるべきです。
 学校教育では、6月からようやく小中学校が再開されます。6月1日から12日まではクラスをグループ分けして午前中の分散登校にする方針ですがその際に保護者や子どもたちのためにも給食をパンと牛乳などの簡易給食にして子どもたちに提供すべきです。
以上述べてきました市民応援の緊急施策を実施するためには、臨時交付金だけではなく、財政調整基金の活用や大型事業の見直しで財源確保を行うべきです。現在進行中の新道の駅は規模の大幅な縮小とともに実施時期の先延ばしをする、あるいは前橋北口駅前の27階建てマンション建設や中心街の再開発など一つ一つ見直して未曽有の危機に立ち向かえる第2次の緊急財政出動を強く求めます。

なお、修正案が否決された場合でも、他の予算については市民が求めるコロナ対策の重要な施策ですので原案に賛成するものです。

次に議案第61号令和2年度前橋市国民健康保険特別会計補正予算について及び議案第62号前橋市国民健康保険条例の改正についてです。

国民健康保険加入者の傷病手当金について、コロナ関連で休業した人に対し、傷病手当金の対象とする予算4300万円で、算出根拠は25人が3週間使った場合の平均賃金で述べ376人分を予算化しており賛成の立場です。
また、国保加入者の傷病手当金について、国のコロナ対策関連で休業した人に対し、全額国費で賄うことを前提に傷病手当金の対象とする条例改正です。対象となる人は、コロナにり患した疑いのある人で、医師がコロナにかかわる休業を認める人、あるいは事業所が発熱などでコロナを疑い休業するように求めた人です。しかし、コロナ感染者の家族などの濃厚接触者は症状が具体的になければ必ずしも対象とならない可能性があります。濃厚接触者など積極的に丁寧に聞き取り対象とすべきです。また、今回コロナ感染症という感染拡大を防止するために特例的に傷病手当金制度を創設しましたが、協会けんぽのように本来はすべての病気休業を対象とした制度に発展させるべきです。

次に報告第1号令和2年度前橋市一般会計補正予算の専決処分についてです。新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として国が支給する国民1人当たり10万円の特別定額給付金338億円と子ども1人1万円の子育て世帯臨時特別給付金約3億9500万円の補正予算であり賛成です。
本市の定額給付金は5月1日からオンライン申請が始まり、ホームページからダウンロードした人の申請書受付が市役所特設受付、支所、市民サービスセンター、にぎわい商業課にて5月7日から、5月22日から全世帯に郵送された申請書は郵送での市役所への返送あるいは先に述べた各窓口への直接提出となっています。私たちのところに相談に見えた派遣切りにあったり飲食店を経営していて収入が激減した方々から、もっと早く支給できなかったのかという要望が寄せられました。とりわけ、生活費の激減で家賃も払えない、食べるにも困っている方を直ちに支援することが第一義的に求められたものであり、5月1日からの広報や回覧板、生活福祉資金や経営安定化資金貸付窓口などあらゆるところで広報活動して、優先的に支給できる仕組みを構築するようにすべきであったと考えます。また、今後は高齢者などへの支援として自治会や民生委員の援助や各窓口での市民へのコピーサービスも位置付けて丁寧に行えるように求めます。

次に報告第3号前橋市国民健康保険条例の改正の専決処分についてです。
今回の専決処分は5割軽減の年収を195万1千円以下、2割軽減の259万9千円以下まで軽減対象として、合計227世帯拡大して総額710万円の軽減となりますので賛成です。しかし、課税限度額は医療給付費分61万円から63万円に、介護納付金分は16万円から17万円合計96万円から99万円に引き上げるものです。すでに、2008年には68万円だったものが今回は99万円と12年間で31万円も引き上げられています。一方、課税限度額の引き上げで対象世帯は634世帯約1900万円の引き上げとなります。
高すぎる国保税を抜本的に改善するためには国庫負担割合を1984年当時の医療費総額の45%に戻すこと、課税限度額は協会けんぽに比べると国保が年収1,119万円ですが協会けんぽでは2,000万円程度までランクを分けて保険料が上がる仕組みとなっています。国保はその半分の額で上限に達してしまうということになり、極端に重い負担となっていますので改善すべきです。

最後になりますが、新型コロナ感染症の日本国内での収束を図るためには日本国内の取り組みとともにアメリカ、中国を含む国際社会が連帯し協力してその取り組みが成功を収めることが不可欠です。そのために、本市としても県とも協調し政府に対して感染症の収束に全力を傾けつつ、国際社会の連帯と協力を図るための外交的イニシアチブを発揮されるよう要請していただくことを求めまして日本共産党前橋市議団を代表しての私の賛成討論といたします。

ページのトップへ