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議会報告

2020.6.22第2回定例会総括質問・小林久子議員23分 
1.新型コロナウイルスの影響による生活困窮者支援策について(1)就学援助の改善拡充(2)小規模事業者支援(3)国民健康保険の傷病手当・申請減免(4)水道料金減免(5)生活保護の運用改善(6)税収納行政の改善
【2020/6/23】


1、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による生活困窮者支援策について
アメリカでは、黒人の死者が白人の2倍以上となるなど経済格差が命の格差となっています。本市においてもコロナ禍で3月4月の生活困窮者自立支援の窓口相談件数や家賃補助、緊急小口資金や生活保護申請が急激に増えました。生活困窮者へ支援の手がしっかり届くことがますます重要になっています。


(1)就学援助制度の家計急変への対応について(指導担当次長)
就学援助制度は前年所得などを基準としていますが、新型コロナの影響で、休校や休業要請による営業自粛・給与の減額など、家計が急変した家庭も対象とするように国は呼びかけています。ところが本市の就学援助のホームページを見ても、新型コロナによる家計急変の記述はなく、保護者に周知されていないのは問題です。ただちに全保護者に就学援助の家計急変対応の資料を配り、経済的に困っている世帯の申請を受け付けるべきと考えますが答弁を求めます。


●家計が急変した世帯からの相談もあったということですので、早急な対応が求められます。文科大臣も就学援助を必要とする児童生徒が速やかに援助を受けられるように仕組みを示す旨を述べています。市はホームぺージを改善し、全保護者に周知・徹底するよう求めておきます。
●就学援助世帯への休校中の給食費相当分の支援は検討しているとのことですが、緊急を要するのに対応が遅すぎます。第3子給食費無料の対象世帯についても合わせて、ただちに出すよう求めておきます。


次に生活保護基準の1.1倍という就学援助の所得基準の引き上げについてです。
前橋市は、ずっと生活保護基準の1.1倍とされていますが、小学生の子ども1人の一人親世帯は、月154620円この1.1倍は17万円です。この基準ではとても暮らしていくのは大変です。子育てを支援するうえで県内の平均は1.3倍です。コロナ危機で、子どもを持つ世帯の家計はさらに苦しくなっています。この機に見直し、前橋市も所得基準を県内市町村並みに引き上げるべきです。見解を伺います。
●前橋市は引き下げ前の所得基準で審査しているといいますが、就学援助の利用数が全児童生徒数の約1割でずっと推移しています。6人あるいは7人に1人の子どもが貧困と言われる中、コロナ禍は、子どもの貧困を一層深刻にしています。かねてより、第3子給食費無料化で相応の対応が図られているといいますが、給食費のみならず、就学援助の対象も引き上げ、しっかり支援していくべきです。
なお、大多数の子どもたちが高校進学する中で、就学援助に代わる制度はありません。高校生の子どもを持つ親からコロナ禍で高校生は何も支援がない。と言われました。今議会で高校生までの医療費無料化について、償還払いで入院費のみとする議案がだされていますが、市長と市民の約束がこうも軽んじられてよいものかと残念です。子育て施策はコロナ危機の中だからこそ削るべきではありません。来年4月の実施までまだ時間があるので、再検討するように求めておきます。

(2)次に小規模事業者への支援強化についてです。(産業経済部長)
国・県・市の既存の支援が届かない従業員5人以下の小規模事業者へ5万円の支援金を支給しています。しかし、それなら、なぜ対象を絞ったり期限や予算を区切るのか。申請期限は6月30日ですが、すでに5900件の申請があり、募集要項には予算に達し次第終了とありす。早いもの勝ちの印象をあたえる支援の在り方は問題です。また、県の休業要請対象業種や経営安定化資金の市の利子補給等を受けた業者、市税の滞納者を除くなど対象を限定していることは問題です。すべての事業者を対象とすべきと考えますが答弁を求めます。
●小規模事業者を本当に支援しようというなら、申請の機会を奪うことは問題で緊急時の対応となっていません。対象を拡大し期限も延長するよう強く求めます。

(3)次は国民健康保険の傷病手当の対象拡大と国保税の申請減免についてです。(健康部長)
?これまで国民健康保険には傷病手当がありませんでしたが、国は新型コロナに感染した人、又は感染の疑いがある人で、仕事を休んだ被保険者に、傷病手当金を支給する制度を創設し、本市は条例を作りました。しかし、支給対象は、給与等の支払いを受けている労働者に限られています。
しかし政府は、財政措置はないが自治体の判断で個人事業主、フリーランスなども対象にすることは可能だと答弁しています。
岐阜県日高市や鳥取県岩美町などは、自治体独自の財政措置を行い、個人事業主も対象にしました。一人親方など中小零細業者が国保に多いことを考慮すれば、当然対象にすべきです。岩見町は、国の交付金を活用したり、一般会計からの繰り入れで予算を計上しています。国に財政措置を求めるとともに、本市独自に予算を確保し実施すべきと考えます。

また、国は新型コロナウイルス感染症の影響で、収入が前年の約3割以上減少した加入者の国民健康保険税の減免をするように通知を出し、本市も整備を進めています。どのような制度設計になるのか。国保税の徴収が始まる7月が迫っているので、これに間に合うように申請減免の制度を作り、申請受付を急ぐべきと考えますがそれぞれ答弁を求めます。
●個人事業主もフリーランスも、感染リスクは変わらず、仕事を休めば、収入が途絶えて生活不安に陥ってしまいます。市内には、請負や一人親方のような働き方の人は少なくありません。ここを補償しなくてよいはずがありません。
申請減免は5割減の厳しい要件であったのが3割になったので減免を広く周知し、申請につなげるように求めておきます。

(4)次は水道料金の減免についてです。(水道局長)
新型コロナウイルス感染防止のために自粛や休業要請が出され、働き方や生活のあり方が変わり、在宅ワークや学校休校で、手洗いや調理の頻度が増し、それに伴い水道料金の使用が増えました。商店や中小事業者も、売り上げ減や、従業員への給料の支払い、家賃や固定費の捻出に苦しんでいます。
? 市はコロナによる収入減収世帯に対し、上下水道料金の支払いを最長4か月猶予していますが、猶予申請件数は現時点で、183件とお聞きしています。苦しさを増しているくらしや経営を支えるために、さらに踏み込み、支払いが大変な世帯・法人等に対し市として水道料金の減免を実施することが必要と考えますが答弁を求めます。

?今後支払い猶予の申請件数が増えると同時に、支払いが困難な世帯や事業者が増えていくことが予想されます。給水停止が増えるようなことでは問題です。本市は4月5月の給水停止措置を中止しましたが、6月は解除しました。倒産や廃業の危機にある事業所や失業等により、生活困難を抱えている人などに対し、ライフラインを断つことになれば命を脅かすことにもなりかねません。6月以降も継続し、どんな理由にせよ給水停止は行うべきではないと思いますが、答弁を求めます。
●生活実態のある人の給水停止は現にやめるべきです。

(5)次は、生活保護の運用改善についてです。(福祉部長)
厚生労働省は、コロナ過の生活保護業務等における対応について再三にわたり、自治体に事務連絡を出しています。生活保護の要否判定に直接必要な情報のみ聴取するとし、申請時に申請書類が整っていないことをもって申請を受け付けないなど申請権をうばうことのないように、事情があるときは口頭での申請も認められることなどを徹底し、緊急事態措置期間中の稼働能力の判断保留や自動車保有などの弾力的運用など、速やかな保護決定をするようにと述べています。本市はこの連絡を受け、これに沿った運用の改善をどのように図ったのかお聞きします。
●国はさらに、生活に困窮している人の相談を待つのでなく、自治体の福祉、教育、税務、住宅、その他の部署において困窮している人が相談機関につながっていないとき手を差し伸べる、必要な人は保護につなげると改めて繰り返し述べています。本市は困り果てて窓口に来た生活困窮者を住所がないと言ってなんの手立てもとらず返しています。これでは改善を図ったとは言えません。改めて徹底するよう強く求めます。

(6)最後に税収納行政の改善についてです。(財政部長)
?コロナ過の元で、滞納者の現状を把握し、生活実態を見据えた丁寧な収納行政がますます求められています。国は、新型コロナ感染症緊急経済対策として、納税が困難な人に対し1年間地方税の徴収を猶予する特例制度を創設しました。20%減収を対象とし、すでに納期限が過ぎている未納の地方税もさかのぼって特例を利用することができるとしています。そこで本市のこれまでの猶予申請件数を伺います。
また、猶予の申請では、本市は申請書類の枚数が多すぎて、申請を諦めてしまう人も多いと聞きますが、国は申請書類の簡素化を求めています。本市も速やかな申請ができるように改善すべきと考えますがいかがですか。
さらに、多くの事業所、店舗、個人などが、失業や倒産、廃業の危機に直面しており、今後、各種税の納期がくれば、さらに、納税困難なケースが多くなることが考えられます。徴収の猶予制度を市民に周知するとともに、差し押さえによる今までの収納行政を改めて、納税者の立場に立った丁寧な収納行政に改善すべきと考えますが、市の対応について伺います。
●3月30日付で、市はコロナによる減収で困窮している税滞納者に、保険契約の解約警告書を送り付け生活を脅かす収納行政を相変わらずおこなっています。言っていることと違うじゃないですか。是正を強く求めます。
?定額給付金などの差し押さえは法律で禁止されていますが、持続化交付金や各種給付金などは、収入減や経営の危機にある個人事業者などを支えるためのものです。これらの給付金等が、口座に入ったら差し押さえるなどということが絶対にないように、これを厳守すると明確な答弁を求めます。
●絶対に厳守してください。
●総括質問の中で、がん検診の隔年実施を検討していく旨の発言がありましたが、コロナで市財政が厳しくなることを理由に、真っ先に、市民サービスや福祉の事業を切り捨てようと考えているとしたら、市の姿勢は大問題です。急ぐ必要のない大型事業やICT関係の事業については見直すとの発言はありませんでした。これでは市民の理解は得られません。改めて、コロナ危機から市民の命と暮らしを守るため、市民サービス削減でなく不要不急の事業を見直し、財源を生み出すことを強く求めて質問を終わります。


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