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活動報告

2015年度前橋市予算編成に関する日本共産党の要望書(2014.11.13)【2014/11/19】

目次
はじめに
T 市民要望に応えるべき重点施策           ・・・・・3
U 医療・福祉重点の市民が安心できる市政をつくるために・・・・・13
V 市民のくらしを守り、地域経済・産業の活性化のために・・・・・18
W 生活環境の整備を進めるために           ・・・・・20
Y 防災体制を強化し、市民生活の安全を守るために   ・・・・・23
Z 平和と民主主義を守るために            ・・・・・24
[ 大胡・宮城・粕川・富士見地区の要望        ・・・・・24












2015年度予算編成に関する要望書
                           2014年11月13日
前橋市長    山本  龍 様
前橋市教育長  佐藤 博之 様
公営企業管理者 戸塚 良明 様
                        日本共産党前橋地区委員会
                           委員長 生方 秀男
                        日本共産党前橋市議会議員団
                           団長  長谷川 薫
はじめに
来年度は、市長が選挙で掲げた「200円で利用できるデマンド交通」や「30人学級の全校実施」、「特養待機者の解消」などの公約実現に責任を担う最終年度であります。これらの市民要求の実現に全力を上げていただきたいと思います。
さて、日本共産党前橋地区委員会が7月に実施した市民アンケートでは、暮らしや営業が増税前よりも「苦しくなっている」という方が80%を超しており、多くの市民が増税や物価高による負担を重く感じています。
さらに政府は「医療・介護総合支援法」に基づいて、これまでにない介護保険制度の大改悪を来年度から実施しようとしています。すでに特別養護老人ホームの入所待機者が1,300人を超え、一人暮らしや高齢者世帯が多い前橋市においては、介護難民の急増など大きな影響が出ることは免れません。また、「子ども・子育て支援新制度」に基づく条例改正が行われましたが、保育や幼児教育に民間営利企業などの参入に道を開き、資格のない職員に保育を担わせる小規模保育などの容認は、安全性を脅かし、現行の保育水準を大きく後退しかねません。
さらに、本市の税収納行政は、年間8000件を超える全国トップクラスの差し押さえ件数に示されているように、生活困窮を理由とする税滞納市民を安易に「悪質」と決めつけて、問答無用の取り立てを強行し生存権や営業を脅かしています。
また、政府は国民の大多数が「反対」や「慎重」という声を上げているにもかかわらず、昨年暮れの「秘密保護法」に続いて、7月1日には、集団的自衛権の行使容認の閣議決定を強行しました。憲法9条のもとでは、「海外で戦争をしない」という戦後政治の原点を覆し、国の在り方を根底から変えて、「戦争をする国づくり」「米軍と肩を並べて海外で戦争をする国づくり」を推進するものです。
このような暴走する安倍政権の政治に追随する前橋市政は、地方自治体の在り方に反しています。今こそ国の悪政の荒波から、市民の命と暮らしを守る防波堤の役割を果たすべきです。
本要望書は、市内の民主団体や労働組合、党支部や多くの市民との懇談で出された要望や、市民アンケートに寄せられた要望の中から、特に緊急かつ切実な要求項目を精査し、来年度の重点要望としてまとめたものです。各要望を真摯に受け止めていただき、来年度予算に反映されるよう強く要望いたします。

T 市民要望に応えるべき重点施策
1、平和について
秘密保護法、集団的自衛権の行使容認の閣議決定、沖縄普天間基地へのオスプレイの配備強行、名護市辺野古への米軍新基地の建設強行、武器輸出禁止3原則の撤回など、これまでの憲法9条に基づく平和原則がなし崩し的に取り払われ、「米軍とともに海外で戦争をする国づくり」に向けての危険な動きが加速している。
多くの市民は、「二度と再び戦争を繰り返さないでほしい」と強く願っている。平和都市宣言自治体、平和首長会議への参加自治体にふさわしく、集団的自衛権行使容認の閣議決定を撤回するよう、国に求める。
また、北朝鮮問題や尖閣諸島や竹島などの領土問題は、軍事的な対応ではなく話し合いによる平和的解決を尽くすとともに、北東アジア平和友好条約の締結を日本がリーダーシップをとって呼びかけることを、国に求める。
そして、市として平和資料館(仮称)の建設、広島・長崎平和式典への市民代表の派遣、8月15日の終戦記念日や8月5日の前橋空襲の日に、市独自の追悼式典や平和行事を開催するなど、現行の平和行政を抜本的に強める。

2、消費税の10%増税について

そもそも消費税は、応能原則や累進課税制度に反する逆進性の強い最悪の大衆課税制度である。大企業の法人税は減税し、中小零細企業や庶民には情け容赦なく増税することは認められない。しかも4月からの8%増税による3か月間のGDPの落ち込みは、3年半前の東日本大震災後を超え、年率換算で7.1%の減、個人消費は17%も落ち込んでいる。
政府は「増税分はすべてを社会保障の財源にする」と説明して増税を強行しておきながら、生活保護や医療や介護などの社会保障給付を削り、高齢者には後期高齢者医療制度の医療保険料を大幅に引き上げ、年金給付の減額も進めている。
大企業のさらなる法人税減税と国土強靭化の名の下で増やしている公共事業の財源確保のための消費税の10%への再増税は、市民生活や地域経済に重大な悪影響をもたらすことは明らかである。再増税の中止を強く国に申し入れる。また、現行の消費税については、食料品などの生活必需品を直ちに非課税とするよう軽減制度の創設を国に求める。

3、 介護保険について

 政府は「社会保障制度改革」の名で年金、生活保護、医療、介護、障害者福祉、保育などあらゆる制度の給付減と負担増を決め、さらに、市場化を促進し、社会的弱者に「自助努力」を押し付け、憲法25条で保障された基本的人権・生存権を脅かそうとしている。
「介護の社会化」をうたい、2000年に導入された介護保険は、介護保険料が当初の1.7倍になり、来年度から要支援1・2の認定者を介護給付から外し、市町村の地域支援サービスである「新総合事業」に移し、特別養護老人ホームの入所も原則として要介護3以上の認定者に限定する制度改悪が導入された。
現行の介護保険サービスが後退しないよう、要支援者の訪問介護・通所介護については引き続き専門職による必要な支援を継続する。新規申請者(利用・認定希望者)については、もれなく要介護認定を行い、「新総合事業」への機械的な誘導は行わない。また、「多様な主体による多様なサービス」を提供するという「新総合事業」は、その中心に専門的支援を位置付け、総合事業の在り方については、住民主体の健康づくりや介護予防活動に取り組む協同組合やNPOなどと十分協議を行ったうえで方向性を示す。
特別養護老人ホームの待機者1,300人の解消をめざし、第6次介護事業計画で積極的な整備目標を掲げて、施設増設を急ぐ。また、介護保険料の引き上げを抑えるために、一般会計からの繰り入れを決断するとともに、保険料や利用料の市独自の減免制度を創設する。

4、国民健康保険について

「高すぎる国保税を引き下げてほしい」という加入者の要望はますます高まっている。国に対して、国民健康保険財政の悪化を招いた国庫負担の引き下げをやめて、増額するよう強く求めるとともに、来年度も一般会計からの繰り入れ額を増やして、市独自で国保税の引き下げを行う。また、国保の広域化に反対し、国が強行した70歳から74歳までの医療費窓口負担の1割から2割への引き上げを撤回するよう国に要望する。
国保の申請減免については、前年所得の5割減世帯を対象にするのではなく、加入世帯の所得額や暮らしの実態を十分把握して、生活困窮者の減免を認めるよう減免制度を改善する。
市民の中には、孤独死やお金がないために医者にかかれない深刻な実態がある。国保税滞納者への短期証や資格証明書の発行は受診抑制を招き、病状を悪化させるので直ちにやめる。
5、子育て支援について
第3回定例市議会で、「子ども・子育て支援新制度」の実施に向けて条例が制定(改正)された。当局は「現行保育制度の水準を後退させない」と表明しているが、制定した条例は、@規制緩和と保育の市場化を進める国の基準そのままの条例化A利用者と事業者との直接契約で、市町村の保育責任が後退B保育資格のない保育を認める小規模保育のB型・C型や家庭的保育での事故の懸念C3歳未満児の給食の外部搬入や、屋外避難階段の設置をせず4階以上の保育室を認める等の「新制度」の全体の問題点に追随している。
 もとより、前橋市の保育は保護者や保育関係者の長年の努力と行政との連携によって、保育士の配置基準や障害児加算、私立保育園の施設改修補助など国基準を上回っている。また、本市は首都圏の自治体のように、保護者が子どもの入所できる保育所を探し回るような深刻な保育所不足は起きていない。
したがって、親の就労状況に合わせて8時間もしくは11時間の保育時間を決める保育認定制度をやめて、これまで通りの子どもの人格形成や成長を保障する保育を行うよう、国に制度の改善を求める。
また、今後、策定する子ども・子育て支援事業計画は、現行の前橋の保育水準を絶対に後退させない計画にする。そのためにも事業計画は、国がすすめる民間営利企業の参入による安上がりな保育の提供を拡大しないことを前提に策定し、@満3歳以上児の保育士配置基準は全国の先進地事例にも学び拡充するA給食の提供は外部委託搬入をせず全施設において安心・安全な自園調理を行うB小規模保育事業のB型とC型は保育士の配置基準が大幅に下回り保育水準を後退させる重大な問題があるので、子どもの命を守るため認可しない等の立場に立った計画にする。

6、原発問題について

東京電力福島原発事故は発生から3年8カ月あまり、いまだに高濃度汚染水があふれ、溶融した核燃料の取り出しのめども全く立っていない。
 事故後初めて原発運転の差し止めを命じた関西電力大飯原発についての福井地裁判決(5月)は、「原発でひとたび事故が起きれば『生存を基礎とする人格権』を侵害する。電気代などの問題を同列に論じるようなことは許されない」と指摘した。電力会社の経営などを口実に再稼働を急ぐ政府の態度に、何の道理もないのは明らかである。
現在日本にある48基の原発は事故や定期点検ですべて運転を停止しており、今年の夏の電力も「原発ゼロ」でまかなえた。それにもかかわらず国は、鹿児島県の九州電力川内原発を突破口に、電力業界が審査を求めている東電柏崎刈羽原発など全国12原発19基の原発を順次再稼働させようとしている。これは、原発ゼロを実現し、安全な自然エネルギーへの転換を求める国民への挑戦である。
市長は世界でも有数の地震・津波大国である日本に原発は共存できないことを認識し、脱原発の立場を明確に表明し、再生可能な自然エネルギーへの転換を決断するよう国に強く求める。合わせて、前橋市から約125キロしか離れていない世界最大規模の東電柏崎刈羽原発で過酷事故が発生すれば、市民の安全は確保できない。再稼働を認めず、廃炉を決断することを東電と国に強く申し入れる。

7、TPP・環太平洋連携協定および米価格の暴落対策について

 TPP交渉についての国会決議は、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の5項目で再生産を可能にすべきであり、それができないなら「脱退」するよう政府に求めている。政府が国会決議を本気で尊重するなら、撤退しかない。
 市長は、赤城の恵みブランドの認証作物の拡大や農業の第6次産業化、農業の規模拡大や生産の効率化等によって立ち向かえるという認識を示しているが、まさに希望的観測である。前橋の農業や食の安全を守るためにも、TPP交渉からの撤退を国に強く求める。
今年の稲作は豊作であるにもかかわらず、米の価格の大暴落が続き、各地で米作が崩壊しかねない事態である。農協が出荷時に農家に支払う概算金(仮払金)が昨年に比べ、60キログラムあたり全国平均で3000円前後(20〜25%)も下がり、7000円前後の価格に暴落し再生産必要な価格の1万8千円の半分以下まで落ち込んだ。「完全に採算割れだ」「機械代金が払えない」「米作りをやめる」など悲鳴が噴出している。
 米の販売価格は農家収入の大きな柱であり、米の需給と価格の安定は、日本の農政の重要な柱である。国民の主食を安定的に供給するとともに、農家と地域の経済を安定させるうえで生産者米価の維持は不可欠である。暴落の原因は、前年からの過剰米であり、政府が農家の所得安定のために作られた「米直接支払交付金制度」の廃止を打ち出し、今年から半減したことも追い打ちをかけている。
 政府は生産を大規模化すれば国際競争力がつくとして、大規模経営、生産法人などいわゆる担い手だけを対象にし、中小農家に農地を吐き出させる農地中間管理機構をつくるなど、TPP受け入れを前提にした政策を強引にすすめている。しかし今、米価暴落と直接支払いの半減で最も打撃を受けているのが大規模化した担い手である。 
 したがって、国に対して、米価暴落を回避する緊急対策とともに、農家が展望をもって米づくりに励み、安定的に供給できるよう、国が米の生産と供給、価格の安定に責任をもち、生産コストを保障する不足払い制度や直接支払い制度を確立し、飼料米をふくめた転作条件の整備など多面的な水田利用をすすめる米政策を確立するよう求める。

8、税収納行政の改善について
 失業や営業不振、病気などで生活に困窮し、市民税や国保税を滞納する市民が増えている。ところが、市収納課は市民の暮らしや営業の実態を懇切丁寧に聴取して自主納付を指導すべきであるにもかかわらず、生活実態をしばしば無視して本来は滞納整理処分の最後の手段である差押えを乱発している。昨年度の差押え件数は全国的にもトップ水準の8747件にも及んでおり、住民福祉の増進を責務とする市行政が、市民の生活や営業を脅かし、再建の機会を奪っている。
 さらに当局は、差押えの対象として、直ちに換価できる預金債権を最優先しており、差押え件数全体の90%を超えている。しかも相変わらず、「差押え禁止財産も口座に振り込まれれば預金債権になる」という認識のもとに、今年の8月には、入金が児童手当のみの預金口座の残金のほぼ全てを差押えた。当局は本人の抗議を受けて差押えを解除して返還したが、「振り込まれた金額が差押え禁止財産であるかどうかを説明するのは預金口座の持ち主にある」と責任を回避する態度をとっていることは問題である。
 預金債権や給与や売掛金などを突然差押えて市民を驚かせて、納税の自覚を高めようという「差押え先にありき」の収納行政は直ちに改善が必要である。あらゆる手立てを講じて、税滞納者との接触を図り、滞納原因や事業経営の状況、家族を含めた暮らしの状況、資産および負債の状況、納付計画など丁寧に聞いて自主納付を促すべきである。
以上にもとづいて、徴収の猶予や執行停止などの納税緩和措置をとらず、市民の生存権を脅かし、零細業者などの経営を苦しめる強権的な滞納処分は直ちにやめて、懇切丁寧な納税相談を行い、生活や経営実態に配慮しながら、自主的な分割納付を促す本来の滞納整理行政に改める。
8、教育について
いじめや不登校をなくすためには、子どもたちがストレスをため込む原因である過度の競争教育や差別選別教育を改めることが必要である。同時に、教員の多忙化を解消し、発達障害児も含めて、すべての子どもたちにゆとりを持って向き合える学校づくりが求められている。そのためには、何よりも学級規模を小さくして、すべての子どもたちに行き届いた教育を保障しなければならない。
 わが党は、市長の公約でもある全小中学校の30人学級の早期実施を一貫して求めてきた。市教委は段階的に実施するとして、2015年度に小学校5・6年の単学級の35人学級化を打ち出したが、そのあとの計画は何も示していない。現在小学校1〜2年生にとどまっている30人以下学級制度を、小中高すべての学年で早期に実施する。
また学校給食費第3子無料化は、小中学校に3人が同時に通学する世帯の第3子を対象とする条件を前年度からそのまま継続し、全く前進させていない。県内では無料化を実施している南牧村、上野村、神流町に続き、富岡市、安中市などが無料化の計画を進めている。学校給食は子どもの貧困が広がり、食生活の乱れが心配される中で、食事の在り方や食文化を伝える食育として教育の重要な柱の一つであり、本市でもすべての子どもを対象に学校給食費の無料化を早期に実施する。
 
 市立幼稚園の定員割れを理由に大胡幼稚園と大胡東幼稚園の統合を進めようとしていることは認められない。少人数学級や、障害児教育など幼児教育の実践研究の場として、重要な役割を今後も4園で発揮すべきである。4幼稚園保護者から出された、夏季休業中の預かり保育の実施要望に十分応えず、先延ばしする姿勢は問題である。直ちに要望に応える。 
9、産業振興について

地域経済の振興をめざして中小企業振興基本条例が昨年10月に施行され、今年の6月に産業振興ビジョンが策定された。地域経済を活性化するためには、企業誘致で地域が栄えるという考え方を改めて、地元で頑張っている中小企業の力を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やし、前橋市内で仕事とお金が循環する仕組み(域内循環)を再構築するという視点が重要である。本市の地域特性や農畜産物などの豊かな地域資源を活用して新たな名産品を創出し、販路のいっそうの拡大、さらにはモノづくりの技術力を高めるなど、市独自の産業振興策を強めるべきである。 
 優良農地をつぶして工業団地を造成し、企業を外から呼び込む産業振興から脱却し、市内事業所の9割、従業員の約7 割を占める中小零細企業への支援を軸として、域内再投資力をつける産業政策に転換し推進することを強く求める。そのためにも、市内の事業所の経営状況や要求を詳細に把握するため、市内事業所の悉皆調査の実施を全庁挙げて取り組む。

また、昨年3月に制定した公契約条例は現場で働く労働者の下限報酬が規定されておらず、下請け事業者などの賃金保障が明確化されていないことは問題である。公共工事の質を維持するとともに、ダンピング受注防止のためにも、実効性ある公契約条例にするための条例改正を急ぐ。 
さらに、労働者を低賃金で長時間の過密労働を強制し、ただ働き残業やパワーハラスメントで心身を傷つけ、使い捨てるブラック企業が市内にも存在している。派遣労働者などの雇用確保し支援するためにも、労働相談窓口を充実するとともに、ブラック企業根絶のために群馬県労働局や労働基準監督署などとの連携を強める。



10、全市デマンド交通について

超高齢化社会を目前にした今、交通弱者対象の全市デマンド交通の早期実現は、多くの市民の共通した切実な願いである。路線バスやマイバス、ふるさとバスやるんるんバスさらには上電やJR両毛線のさらなる利便性向上を進めながら、交通弱者に利用者を限定した低料金で利用できる全市デマンド交通の運行を公約通り一刻も早く実現する。
なお、これまでの社会実験は、タクシーの運賃を500円から1,000円程度助成をする運賃助成制度であるが、これでは利用登録しても実際の利用が少なく、期待外れの事業となりかねない。
群馬県にも財政支援を求め、市も十分な予算を計上し、運行距離に関係なく片道300円から500円程度で利用できるデマンド交通にすべきである。そのためには、事業委託するタクシー事業者に、十分な委託費をはらうことが必要である。現在赤字の路線バス運行の委託費は年間3億円余りで、他の公共事業予算と比べても、大変少ない。市民の期待にこたえるためにも思い切った事業予算を確保し、早期の本格運行をめざすべきである。通常の乗車賃の8割程度が保障されれば、むしろデマンドタクシーは歓迎される。高齢者が地域で元気に過ごせれば、医療や介護の支出を大きく抑制する効果も期待できる。
今、多くの市民から「200円でどこにも行ける全市デマンド交通の市長の公約はどうなったのか」という意見が寄せられている。交通政策課は「各分野の公共交通事業者との共存共栄が大事」と慎重であるが、すでに3年も公約が先送りされているのは問題である。多くの高齢者に喜ばれて、市全体の財政運営にもプラス効果・波及効果が生まれる全市デマンド交通の早期実現に、市長は特段の努力をする。

11、環境行政と自然エネルギーの促進について

渋川市の椛蜩ッ特殊鋼が道路の路盤材として販売した鉄鋼スラグが、環境基準を超え健康に悪影響を及ぼす危険な重金属のフッ素や六価クロムを含んでいることが判明した。水資源機構の群馬用水の前橋市内の管理道路11か所と、富士見地区の市道8か所1250bに敷き詰められていた。発がん物質を直接摂取しかねない状況で、約10年間も何も知らないまま市民が通行していたことは重大である。市として独自に住民説明会を開き現状を知らせるとともに、早期撤去が行われている水資源機構の管理道路のように、市道も直ちに鉄鋼スラグを完全に撤去し、それに要した費用の賠償を同社に求めるべきである。国土交通省が施工している上武道路(市内の工事箇所)にも同様の鉄鋼スラグが使用されているので、全容解明を国・県に求め、問題の鉄鋼スラグが使用されていれば、早期完全除却を求める。

さらに、前橋市は中核市として、環境行政に関する多くの権限が県から委譲されているが、環境問題を早期に解決する姿勢が大変弱く問題である。
 田口町の発がん物質による水道水源の汚染や前工跡地の土壌汚染、群馬化成の悪臭問題などの問題の解決を先送りせず、早期全面解決に全力を尽くす。

 また、東電福島事故を教訓として、危険な原発に依存しない安全な自然エネルギーのいっそうの推進が重要となっている。本市においても、自然エネルギーの導入が推進されているが、地産地消の取り組みが弱い点が問題である。
 市民や地元企業が積極的に参加でき、売電利益が市内に還流し、地域経済や中小企業振興にも結びつく地産地消型の発電事業の導入を検討すべきである。
すでに市は、個人の太陽光発電支援とともに、市内事業者に市有地や市有施設の屋根を貸して太陽光発電事業を推進している。また、現在稼働中の大胡堀越町に続いて、粕川中ノ沢町や荻窪町に市営発電所を設置して売電利益を市民に還元するが、全国的には、市民ファンド型の市民共同の太陽光発電所の設置が広がっている。市民の自然発生的な取り組みを待たず、市民に少額の出資を呼びかけて発電所を共同設置し、売電利益を市民に直接配当する地産地消型の発電事業を開始する。

12、米軍ジェット機の低空飛行訓練や垂直離発着機オスプレイの訓練飛行について

横須賀の米軍基地に原子力空母ジョージワシントンが寄港するたびに本市の上空で昼夜を問わず繰り返される米軍ジェット機の低空飛行訓練は、市民の平穏な生活を脅かしている。万が一、墜落事故が起きれば甚大な生命と財産が奪われかねない。国と米軍に市街地上空での危険な低空飛行訓練を絶対に行わないよう強く申し入れること。
さらに、多くの国民や沖縄県民の反対の声を無視して、沖縄県の普天間基地に欠陥米軍輸送機オスプレイが配備され、いま日本各地での飛行訓練が計画されている。こともあろうに、榛東村議会は今年の6月にオスプレイの誘致促進の決議をした。米軍オスプレイが陸上自衛隊第12旅団とともに共同訓練に参加し、自衛隊にオスプレイが配備され本市上空を飛行すれば、市民の安全が脅かされることは必至である。市長は、これらに明確に反対の声を上げる。

13、観光行政について

大河ドラマ「花燃ゆ」を好機と捉えて、前橋の観光振興を図ることは否定しないが、何よりも一過性の取り組みとせず、前橋市のこれまでの観光行政を抜本的に見直すべきである。本市は現在まで、区画整理事業を街づくりの中心に位置づけてきたために、景観保存の視点に立った街づくりがほとんど行われてこなかった。古い街並みはもちろん、戦後復興のシンボルであり歴史的建造物でもあった旧麻屋などを保存せず取り壊し、観光客を呼べるような、魅力的な観光資源がほとんどないといっても過言ではない。従って、残り少ないレンガ倉庫のような建造物を保存するとともに、赤城山観光や豊かな農産物を活用した特産品の開発、農業や農産物の収穫体験(グリーンツーリズム)、工場見学などの産業観光に力を入れるなど、持続的な観光振興策に力を入れる。

なお、本市は、スポーツ施設を整備して全国・関東規模の大会を誘客する事業を観光振興にも位置づけている。前橋総合運動公園の拡張事業や下増田公共用地を、サッカー専用施設として整備し、全国クラスのスポーツ競技大会やオリンピックキャンプ地誘致を促進しているが、過剰な競技施設建設は、建設費や維持管理費が長期間財政を圧迫するだけに冷静な判断が必要である。スポーツと観光振興を無理に結びつけず、市民が低料金で気軽にスポーツや健康増進に使える施設を市民のために整備することを優先する。

14、行財政改革について

行財政改革は、財政の浪費などの無駄を省き、市民への福祉の増進や市民サービスを向上するために行うべきである。ところが現在、本市の行財政改革として実施されている正規職員の削減、嘱託職員や臨時職員による業務運営の拡大(生活保護の窓口面接員、学校介助員・支援員、学童や児童館の指導員、保育士、小中学校教員)、本来市が行うべき重要な業務の民間委託(水道施設の保守管理、図書館窓口の貸出業務、市営住宅の管理、学校給食の調理)、指定管理者制度などは、結果として低賃金の職員による就労に置き換えて人件費を減らすことが優先されているために、市民サービスの質が明らかに低下している。

市民本位の行財政改革を行うべきである。
例えば、区画整理事業は昨年度14地区が同時施工となり、毎年60億〜70億円もの事業費を投入しているにもかかわらず事業が遅れて長期化し、家屋の移転や道路や下水道整備が進まず日常の市民生活に大きな支障が生じている。
 区画整理事業は年金暮らしの高齢者や低所得者を含め、地域住民全体を巻き込んで減歩を強制した上に、さらに事業が長期化しており、決して住民本位のまちづくりの手法とは言えなくなっている。しかも景気低迷で地価が下がり続けており、事業完了後の土地の評価額も決して高くはならず、時代の趨勢に合っていないことは明らかである。幹線道路整備を最大の目的とし、多額の税金を投入する区画整理事業は、人口減少、少子高齢化社会を迎える今こそ、新規事業を抑制し、すでに着手している事業も含め抜本的見直しが必要である。

橋梁などとともに公共建造物の長寿命化が求められている市営住宅は、大規模改修予算が少なすぎるために、住棟の老朽化が進んでいる。給排水設備の老朽化による水漏れ事故が増えており、外壁の崩落や階段部分の塗装のはがれなどはどの住棟でも進んでいる。芳賀団地などはとくに老朽化がひどく、塗装が剥げ、鳩の住みかになるなどスラム化しているために入居希望者が少なく、半数近くが空き家となっている住棟もある。このような市有財産が有効活用されていない問題にこそ改善のメスを入れるべきである。

また、中央児童遊園・るなぱあくは指定管理者が選定できず、都市整備振興公社が委託を受けて管理しているが、営利を目的にしない公共施設運営は原則直営に戻すべきである。

さらに、生活保護の相談窓口にこれまでにも3名の警察官OB(現在2名)を配置しているが、長年の経験から否応なしに表れる保護申請者の申し出を取り調べるような接遇は、水際作戦の対応と受け止められかねない。生活保護の申請権を侵害しないためにも適材適所の配置とは言えない。最も大事な相談窓口は、正規職員もしくは市役所のOB職員に置き換えるべきである。

また、本市は行財政改革基本計画の中で窓口サービスの利便性向上を掲げ、これまで窓口表示のリニューアルや各種証明書交付場所の拡大などを進めてきが、市民から「どこの窓口に行ったらいいのかわからず困った」「膝が痛いのに複数の窓口を行ったり来たりで大変だった」「別の窓口で同じことをまた説明するなど時間がかかった」などの声が出ている。雇用形態の悪化で仕事を休むのもままならない労働者や高齢化が進む中、親切で市民に分かりやすい窓口サービスが求められている。長岡市のように市民総合窓口を開設し、市民をたらい回しせず、各種行政手続きのワンストップサービスを提供すべきである。

国の行革方針に追随し、財政支出抑制を最大の目的とする行財政改革方針を根本的に見直し、以上述べてきたような、住民福祉の向上に資する本来の行財政改革をめざすべきである。


U、医療・福祉重点の市民が安心して暮らせる市政をつくるために

1、介護保険・高齢者

@介護保険料の第一段階の保険料を無料にする。保険料区分をさらに細分化し低所得者の保険料負担の軽減をはかるとともに、高額所得者に対して応分の保険料負担を求める。

A低所得者は利用料負担が重いために必要な介護サービスを受けられず、利用抑制が
行なわれている現状を改善するために、低所得者に対する利用料の減免措置を講ずる。

B厚労省は要支援者サービスの「新総合事業」への移行については、市の条例で実施を遅らせ2017年3月末まで現行の仕組みを継続することを可能としているので延期する。

C第6期介護保険事業計画において、現在の要支援者も新規要支援者も現行サービスを基本としつつ、「新総合事業」への移行は慎重にする。

D今後の介護保険認定申請においても引き続き介護認定から排除しないよう、申請意志のあるすべての高齢者の申請を受け付ける。

E要介護認定、サービス受給は高齢者の権利をしっかりと保障し、本人の意志及び家族の希望を反映し要介護認定をおこなう。

F第6期介護事業計画の特養ホームの増設は、第5期の230床を大幅に超える目標を決める。

G利用料2割の引上げは施設入所高齢者の退所やサービスの利用抑制という深刻な事態になるので実施しないよう国に求める。

H介護保険料の高騰を抑えながら介護の提供基盤を拡大し、本当に持続可能な制度にするためには、国庫負担割合の大幅な引き上げを求める。

I入所希望者の痰吸引ができるよう特別養護老人ホームの体制を整備する。

J若年性認知症や40代で脳梗塞にかかり、介護を必要とする方が入所できるよう特別養護老人ホームの体制を整備する。

K介護認定について、介護度が変化した方についての理由を情報公開する。

2、医療

@介護予防と保健予防を一体化し、日常生活圏域の小学校区単位で健康増進戦略を地元住民とともに参画する方針を提案する。また、学校医などを含めて子どもの健康問題に着目し、健康づくり自治体としての提案に向けた専門家集団の組織化をおこなう。

A高齢者肺炎球菌ワクチンの接種助成は、65歳以上のすべての高齢者を対象に任意接種も併用できるように対象者を拡大する。接種費用も低年金の高齢者にはインフルエンザワクチン接種と同じ費用で接種できるようにする。

B無料低額診療事業における薬剤費の助成制度を創設するよう、国に求める。実現するまでは、当面、市独自で助成する。

C人工呼吸器装着患者のレスパイト(患者及び家族の休息)入院は現在制度として14日間認められているが、自治体独自の制度として入院期間の延長ができるようにするとともに、入院にかかわる送迎費用(人件費を含む)についても同時に補助制度をつくる。

D在宅酸素療法患者への電気代助成制度をつくり、在宅酸素療法が継続できるようにする。

E母乳育児を進めるための母乳外来費用を助成する。

3、老人福祉センターを東部地区に設置する。

4、児童館は、18歳まで利用対象を広げ、中学・高校生などの居場所としての機能を
備え、多機能の活用ができるものに拡充していく。

5、子どもの医療費無料化は、18歳まで拡大する。

6、障がい児・者

@障がいの早期発見と治療を充実するため、障がい児療育センターを早期に創設する。

A医療費助成については、療育手帳Bと障がい者手帳3級まで拡大する。

B児童福祉法に基づく放課後等ディサービスを拡充する。

7、生活保護

@増加する生活保護に対応するケースワーカーの増員と、保護決定は生活保護法第24条を守る。(申請のあった日から14日以内、特別の理由がある場合は30日)

A保護費支給決定までの間の生活をつなぐための費用を貸し出す基金を作る。

Bエアコン・冷蔵庫購入及び設置費用は、生活扶助費で支給するよう国に制度化を求める。

C生活・就労相談支援員やカウンセラー支援員を配置し、相談・支援活動を充実する。

D申請・相談窓口は、正規の専門職員を配置する。

E公営住宅の原状回復費用は住宅維持費の範囲とするよう国に働き掛けるとともに、現状でも市独自施策として市営住宅は建築住宅課と連携して住宅維持費の範囲とする。

8、国民健康保険

@税滞納者への短期保険証・資格証の発行をやめ、きめ細かな相談体制を拡充する。

A「申請減免」の対象基準を見直し、前年度所得の3割以上の減収者・自己都合退職者にも適用する。

B医療費窓口一部負担金減免制度を周知し、対象者へのすみやかな適用を行なう。

C国保加入者の特定検診の受診率向上対策として、日曜総合検診を本格的に実施し、地区公民館、コミュニティーセンター、旧町村の保健センターで実施できるようにする。

9、日赤病院の跡地については分院・診療所機能を残すよう県と日赤に要望するとともに、特別養護老人ホームなどの福祉施設を設置するよう働きかける。

10、保育

@保育士定数の改善を国・県に働きかけるとともに、当面市単独でおぎなう。保育士の定数は2歳児6対1、3歳児15対1、4歳児20対1、5歳児25対1とする。

A保育料を引き下げる。保育料第2子の5割減額制度は、第1子が在園していなくても適用する。

B小規模保育事業は認可しない。

C3歳未満児の給食は自園調理を維持し、3歳以上児も自園調理とする。また、給食の主食の自己負担をやめて全額助成し、父母負担を軽減する。

D障がい児保育補助金を増額する。

E私立保育園への施設改修補助は継続する。

F8時間保育認定の設定によって保育認定時間から外れる児童への延長保育料の助成をする。

G保育士の待遇改善と確保策を行政として取り組む。

11、生活衛生指導事業のスズメバチの巣の駆除は、市民の安全で快適な生活環境を守る立場からも全額公費負担を復活する。

V、教育・文化の発展のために

1、学校
 
@教員評価制度をやめて、教職員の勤務実態調査を行ない、多忙化を解消する。勤務時間を守るよう徹底するとともに労働安全衛生法に基づく指導管理をする。教職員のストレスによる精神的疾患の実態調査をおこない、対策を講ずる。

A校舎の耐震工事は、年次計画を早め一挙にすすめるとともに、下駄箱・ロッカーや窓など非構造部材の耐震状況を調査し、耐震補強を行なう。 遅れている体育館の耐震診断を一斉に実施し、新築計画と改修計画を明らかにするとともに、天井や窓など非構造部材の耐震状況を調査し早急に耐震補強を行なう。

B学校給食への地元農産物の利用拡大にJA、地元農家とも協力し取り組む。地元農産物を使った献立の独自メニューの回数を増やす。調理業務の民間委託はやめて直営に戻す。

Cすべての第3子への学校給食費無料化を直ちに実施するとともに、第1子や第2
子にも拡大する。

D全国一斉学力テストの廃止を国に要請するとともに、学校ごとの結果の公表は行わない。県教育委員会が学力テストの結果にもとづいて、小中学校の各種加配教員の配置に差をつけようとしている。このような措置を行わないように申し入れる。

E図書館のバーコード化による作業の効率化のため、パソコンを複数配置する。

F特別支援教育の充実のため、支援員・介助員を増員する。

2、幼稚園

@公立幼稚園は、少人数学級、障がい児保育、預かり保育、長期休暇時の預かり保育などを拡充し、幼児教育の充実をはかる。

A私立幼稚園の保育内容充実のため、運営費補助金や施設整備補助金を増額する。

3、認定こども園

施設規模によっては国の公定価格では今までの経営が成り立たなくなるとの要望が上がっている。国に公定価格の増額を求め認定こども園を支援する。

4、生涯学習

@公民館の図書館、市立図書館や子ども図書館の窓口業務の民間委託を直営にもどし、サービスの向上に努める。

A公民館施設利用は、団体の利用回数を月4回に上限を定めているが、地区公民館などで空きがあれば、上限枠を超えて利用できるようにする。

B老朽化している公民館を早期に建て替えや改修を行う。トイレの改修やエレベーター設置も急ぐ。

5、歴史、文化財

@総社・元総社地区の史跡整備を進める。特に総社二子山古墳の修復・整備を急ぐ。

A博物館及び郷土資料館については、広く市民の声を聞いて計画的な建設方針の検討を行なう。

6、美術館

アーツ前橋の運営は市直営を継続し、市民のさまざまな要望をよりいっそう反映させた企画展を開催し、美術愛好家だけではなく多くの市民が訪れたくなるような魅力を高め、事業運営を充実させる。

W、市民のくらしを守り、地域経済・産業の活性化のために

1、商工業

@小規模企業振興基本法が成立・施行され、従業員5人以下の小規模企業への国や自治体の支援が責務と明記された。ついては、現在の「前橋市中小企業振興施策等懇談会」とは別に、小規模企業者の意見を聞き施策を具体化するため、小規模事業者の代表や公募の委員などを広く参加させる審議会を設置する。

A産業振興ビジョンに基づく支援策を推進するためには、市内の中小企業がどのような経営状況であるかをできる限り詳細に把握することが必要である。ビジョンでは、3年間で200社の小規模企業者の訪問が計画されているが、産業政策課だけではなく全庁的な体制も構築して、訪問調査件数をふやして、真に必要とされる支援策を早期に具体化する。

B中心市街地の空き店舗・事務所対策に限定せず、高崎市の「まちなか商店リニューアル助成事業」のような改装費を助成する「商店リフォーム制度(仮称)」を創設して、個店の魅力アップによる顧客および売上増を支援する。

C経営に行きづまった中小企業や小規模事業者が抱えている課題や悩み、問題点を解決するための市の産業支援センターを創設する。特に、販路拡大、新分野進出、新商品やサービスの開発などの具体的なアドバイスができる支援体制をつくる。市内の中小・中堅企業が新たな受注機会を創出できるよう、自社の製品やサービス、技術的ノウハウを展示・披露する企画及び場所を作る。

D市内の「モノづくり」を支援するため、中小製造業の設備投資等を助成する制度を拡充し、工場賃借料、固定資産税、工作機械リース料など、町工場に対する固定費の助成制度を拡充する。

E派遣やパートなどの非正規雇用が増えているが、短期的雇用から正規雇用につながる就労支援策を抜本的に強めるため、職業訓練や資格・技術習得などの再教育支援の機会を増やす。

F若者の雇用と生活を支える総合的な若者総合相談センター(仮称)を創設し、就職活動支援やニートや引きこもりを支援する。これら若者の居場所として、スポーツや文化活動の拠点施設も整備する。

G大型店はすでにオーバーストア状況になっているにもかかわらず、無秩序に出店が続いている。大型店の出店によって個店が廃業し、大型店間の競争によって淘汰された大型店が閉店し、地域で生活必需品を購入できなくなる「まち壊し」が進んでいる。買い物弱者を作り出さないためにも、大型店の出店を調整できるよう、地域コミュニテイへの影響を出店時の審査基準に加えるなど、大規模店舗立地法の抜本改正を国に求めるとともに、市独自の行政指導による調整の努力も尽くす。

2、農業

@農業施設災害については、すでに国に補助金の交付を申請した被災農家への給付を急ぐとともに、年間出荷額50万円以下、耕作面積30e以下の小規模農家についても、営農継続の意欲ある被災農家も補助金を支出するよう国に要望するとともに、国が支援しない場合には県と市で独自の支援をする。また、未申請の被災農家への支援を打ち切らず、営農状況を把握して再度申請を受け付ける。

ATPP参加による関税の撤廃は、本市農業に重大な影響を及ぼすことは明らかである。ゆるキャラ「ころとん」を宣伝し、養豚による豚肉料理を前橋市の産業振興の柱に位置付けているがTPPに参加すれば、養豚の75%は廃業を余儀なくされて、20戸余りの養豚農家しか生き残れないと政府が試算している。アメリカ主導のTPP加入交渉をやめるよう政府に要請する。 

B米価格が暴落している。米輸入をやめるとともに自給率向上、主食保護、食の安全のためにWTO協定の改正を政府に要請する。

C市内の農業就労人口は約8300人であるが、そのうち65歳以上が約5300人・64%で高齢化が進み、耕作放棄地も増えている。規模拡大を希望する農業者への遊休農地のあっせんをさらに進める。農家以外からの就農を増やすために、農業技術の指導や農業機械の貸し出しなどの援助を行うとともに、市民への就農PRを強める。

D「赤城の恵み」ブランドの拡大や第6次産業育成をめざして、食品産業などとの異業種間交流を強めるとともにグリーンツーリズム・農業観光事業を発展させるための支援策を強める。

E飼料用稲の利用促進のため、技術指導と施設整備、販路拡大の支援を強める。

F鳥獣被害防止対策を強める。






X、生活環境の整備を進めるために

1、環境

@焼却する可燃ごみの減量と発電を両立するために、生ごみの分別収集を急ぎ、長岡市の施設のように、微生物の働きでメタン発酵させ、発生するガスを発電に利用し、残渣を肥料にできるバイオマス発電施設の整備をすすめる。

A東京電力は、前橋北部地域については、送電線網の許容量が限界との理由から、固定買い取り制度に基づく電力の買い取りができないと説明し、売電収入で償還するので発電事業者などが19億円の設置費用を共同して投資して新たな送電線を整備したいと求めている。国は、再生可能エネルギーの固定価格による買い入れを電力会社に義務づけているが、電力の買い取りを東電が拒否しないように国に指導を強く求める。     
また、原発に代わる自然エネルギーの普及に国が責任を持つ立場から、発送電分離をすすめ、とくに送電事業は公的管理を強める体制にするなどの電力供給体制の民主的改革を求める。さらに、再生可能エネルギーの買い取り分を上乗せして、電気料金を決める「総括原価方式」の見直しも国に求める。

B養豚や酪農、肥育牛など畜産業が盛んな本市においては、排出される家畜糞尿も膨大となっている。処理負担の軽減にもなる家畜ふん尿や野菜くずなどをバイオマスのエネルギー源として活用することは、地産地消的な地域循環型システムを構築することとなり、農業の振興、地域の活性化、新たな産業の育成にも寄与する。バイオマス活用推進計画を策定し調査研究を開始している群馬県とも連携し、市としてバイオマス発電施設を整備する。
C山林の間伐材や製材端材などを活用した木質バイオマス事業を推進する。
D「こんちはごみ収集」は、週2回に増やす。

2、公共交通および交通安全
 
@通学路の安全対策は急務である。教育委員会・交通政策課・道路管理課が連携して事故発生の危険性を予測し、緊急度に応じて予算措置を行い道路改良とともにガードレール・交通標識・道路照明灯・信号機・グリーンベルトなどを設置する。

AJR上越線群馬総社駅西口の拡幅など駅舎周辺の道路の拡幅や駅前広場の整備を前提とせず、駅舎・ホームの改修及び跨線橋を早期に設置し駅利用者の利便性を優先させる。

BJR両毛線の複線化の早期実現をめざして、関係自治体と連携し国やJRへの働きかけを強める。

CJR前橋駅北口のパークアンドライド立体駐車場の整備計画は白紙撤回し、まちづくりの観点から総合的に検討する。

D上電の駅のパーク&ライドの拡大や各駅舎にトイレを設置するなど利便性の向上を図り、利用促進をはかる。

E上電の第4種踏み切りは、沿線住民の意見も聞きながら早急に安全対策を講じる。

3、上下水道

@県央第一、第二水道の受水単価の一層の引き下げを県企業局に要請するとともに、利用を抑制している地下水の比率を高める。

A「地下水保全条例」を制定し、地下水の保全、汚染防止、涵養に関する事項、並びに地下水の大口くみ上げ企業に協力金を課する事項を定め、地下水保全の財源確保とともに無制限な汲み上げを規制する。

B生活保護世帯及び生活困窮世帯を対象とした上下水道料金の減免を行なうとともに、生活困窮を理由とした料金滞納世帯に対する給水停止を行なわない。

4、本市の住宅リフォーム助成制度の助成対象は、耐震、エコ、子育て、バリアフリーに限定せず、屋根の修理、畳替え、浴室、トイレの修理等すべてのリフォーム工事を対象とし拡充する。国の交付金が今年度中廃止されるが、来年度も継続する。

5、区画整理事業

@平均減歩率25%は住民負担が重いので引き下げる。

A住民負担の軽減のために随意契約保留地買戻し価格を引き下げる。

B区画整理地区の未移転家屋は、約2千戸も残し長期化している。これ以上の新規の区画整理事業はやめ、日常生活に支障をきたさないよう配慮しつつ、既存地区の仮換地指定を住民合意ですすめ、家屋の移転を計画的に進める。

6、市営住宅

@入居待機者を無くしていくために、退去後の改修を早めて入居を促進する。

A高齢化が進む中、既設の中層住棟のエレベーター設置を急ぐ。

B市営住宅の補修費を増額し、総合的なリフレッシュ計画をたて早期に実施する。

C県条例に合わせ、市営住宅の継承は「3親等以内の血族または2親等以内の姻族」
まで認めるとともに、60歳未満の入居収入基準以下の世帯についても継承を認める。

D浴槽風呂釜の設置費用は全額市の負担とする。

E耐震化工事が未実施の住棟については工事を急ぐ。

F高齢者が安心して暮らせるよう、高齢化率の高い住棟のシルバーハウジング化を
すすめる。

G生活保護世帯の入居の際は、国の通達通り、保証人を必要としないことを認める。

7、道路・水路・公園

@局所的な集中豪雨の発生が増大し、本市でも宅地化の進行と農用地の減少で、農業用水路や道路排水路の水あふれ被害が発生している。市として、水路のつまりなどないか日常的な点検・清掃を行うとともに、雨水対策協議会など関係各課と連携し、全市的な実態を調査して溢水対策を一層強める。道路側溝の甲蓋・グレーチングの無いところに対しては歩行者・自転車利用者の安全上からも早期に工事を実施する。

A未着手の都市計画道路は、市街化の進行状況や他の道路整備の状況も勘案しながら、整備の中止をも含め見直しを住民本位に行い、生活道路など優先すべき道路の改修工事を急ぐ。

B大規模公園の整備にあたっては、予算規模・工期・整備後の維持管理費など精査し
過大な整備とならないようにする。とくに、荻窪公園および前橋総合運動公園については整備計画を縮小する。

C身近な公園や緑地の管理予算を増額する。公園愛護会が担えない樹木の剪定を市がおこなう。公園愛護会への報奨金を引き上げるとともに、高齢化などで管理が困難な愛護会などについては、必要に応じてシルバー人材センターなどの活用を図る。

D公衆トイレの定期清掃の回数を増やし、バリアフリー化を進める。公園のバリア
フリー化を急ぐ。

E嶺公園内に共同墓地を設置する。

7、公共工事の契約

@公共工事は福祉・教育・住宅など生活密着型公共事業を増やすとともに、市内企業
への優先発注、分割発注、下請けの市内業者優先発注など、できる限り多くの市内中小業者の受注機会を拡大する。

A「小規模工事希望者登録制度」の50万円の上限契約額を130万円まで引き上げと
ともに、発注する各課に登録業者への契約件数を増やすよう指導を強める。

B公共工事における談合などの不正を防止するため、入札制度の改革に引き続きと
りくむ。一般競争入札の対象事業をいっそう拡大する。公共工事の発注にあたっては、二次三次を含めて全ての段階での下請け「契約書」の提出を義務付けて請負金額などを把握し、元請業者がダンピング発注をしないよう指導・監視体制を強化する。

C公契約条例を実効性あるものにするために、国土交通省が定める各業種ごとの設
計労務単価を参考にして、元請け、下請けの下限報酬額を条文に明記する条例改正を行なう。


Y 防災体制を強化し、市民生活の安全を守るために

1、防災計画

@ゲリラ豪雨・竜巻など異常気象に伴う災害についても「地域防災計画」に位置づけ
対策を具体化する。

A災害支援金の拡充とともに屋根の損壊や床下浸水なども対象にする見舞金制度を
拡充する。

2、避難誘導

@高齢世帯・身障者・一人ぐらし高齢者など、要援護者の避難誘導体制を日常的に確立する。災害時要援護者支援制度の対象者の登録を促進し、登録者の情報を自治会などと共有し、連携して災害時の救援救護活動に活用する。

A学校・病院・施設・企業・大規模店・工業団地・地域ごとの自主防災組織づくりを強める。

B災害時避難先となる学校体育館の周辺に、下水道のマンホールを活用した仮設トイレの設置を計画し、緊急時に使用できるようにする。

C非常用発電機及び充電器付太陽光発電の設置を市内主要施設や避難所となる学校施設などに配備する。

D自動体外式除細動器(AED)未設置の公的施設へ設置し、私立幼稚園、私立保育園にも助成して設置する。


Z 平和と民主主義を守るために

平和首長会議への参加にふさわしく、憲法9条を守る立場を明確に表明し、@空襲や戦争の悲惨さを後世に伝えるために「平和資料館(仮称)」の建設事業に着手する、A8月5日の前橋空襲の日を「前橋平和の日」に設定し、前橋空襲犠牲者追悼行事に加えて、反戦平和の諸行事を実施・強化する、B広島・長崎市主催の平和式典や原水爆禁止世界大会等への市民代表の公費派遣など核兵器廃絶をめざす活動への支援を拡充する、C「非核平和都市宣言塔」を市内各所に建設するなど、予算を増額して各種平和事業を抜本的に充実する。


[ 大胡・宮城・粕川・富士見地区の要望

1、ふるさとバス・るんるんバスをドアツードア方式に早期に転換する。

2、支所機能の充実・強化に向けて、支所予算の増額、支所長権限の強化をはかる。 特に地域対策事業補助金を増額する。



【大胡地域】

1、大胡支所や改善センターにエレベーターやスロープを設置するなどバリアフリー化により利用者の利便性をはかる。

2、新市建設計画にある上電新駅については、周辺のまちづくりの状況を十分把握しながら、上電や沿線自治体など関係機関との協議を行い、計画通り進める。

3、大胡城址の地下防空壕を戦争遺跡として位置づけ保全管理を行うとともに、城址ならびにその周辺の整備を進める。

4、大胡体育館より南下する道路は、体育館利用者や大胡東幼稚園の送迎など車の通行量も多く、道路拡幅と歩道整備を早期に行う。

5、大胡祇園まつりを大胡地区の主要行事として位置づけ、助成金を増額する。

6、根古屋橋は歩道がなく児童生徒の通学上危険である。県とも連携し歩道を設置する。



【宮城地域】

1、宮城小学校スクールバスの運行路線を苗ケ島地区も含めて拡充・見直し、遠距離通学児童の利便性をさらに図る。

2、宮城公民館は老朽化しているので大規模改修を早期に行う。大ホールの床の張り替え、和室の畳の交換、網戸、エレベーター設置などは直ちに行う。

3、納涼祭・体育祭など地域の主要行事の補助は継続する。

4、宮城中学校の体育館は、耐震補強工事と合わせて、大規模改修を行う。

5、柏倉・三夜沢・苗ケ島地区の民間開発地域の傾斜地について、土砂くずれなど災害が発生しないように、全面的に調査して対策を講ずる。

6、学童の通学路の安全対策として県道苗ヶ島・飯土井線から上神梅・四ツ塚線を通過する大型車輌の通行規制をおこなう。

7、上神梅、四ッ塚線の鼻毛石町坪木商店前および宮城支所前の交差点は交通事故の起きる危険な場所であり、通学路対策としても信号機を設置する。




【粕川地域】

1、粕川元気ランドをリフォーム工事し、指定管理者を直営もしくは公的外郭団体の管理にもどす。

2、老朽化した粕川老人福祉センターを改築する。


【富士見地域】

1、老朽化した富士見公民館については、利用団体の要望を十分聴取して改修事業を進める。

2、上武道路沿線に新たな「道の駅」の設置が検討されているが、道の駅・富士見温泉や小沢の農産物直売所の誘客の減少が懸念される。設置場所や規模・営業内容などについては、市民代表と他の道の駅の関係者との調整協議を先行する。

3、西大河原地区や皆沢地区の家畜糞尿などの不適正処理による悪臭は、赤城観光にも重大な悪影
響を及ぼす。悪臭防止対策をいっそう強化する。

4、通称・赤城県道および石井県道はともに多くの区域が通学路にもなっているので、
歩道未設置個所の整備を急ぐ。

5、榛名湖畔には国民宿舎「ゆうすげ」など数か所の宿泊施設が観光客の誘客に大き
な役割を果たしている。赤城大洞地区に公的な宿泊施設を整備する。



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