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活動報告

2015年第1回本会議補正予算反対討論(3月12日・長谷川薫議員)【2015/3/27】

    補正予算の反対討論


 日本共産党前橋市議団を代表して、上程された議案第13号「平成26年度前橋市一般会計補正予算」および議案第20号「平成26年度前橋市用地先行取得特別会計補正予算」について反対討論を行います。

まず議案第13号、一般会計補正予算についてです。

 上武道路「道の駅」設置事業追加として2051万円の追加予算が計上され、同額が繰越明許費として計上されています。
 最初に明確に申し上げておきますが、わが党は、新たな「道の駅」の開設に反対するものではありません。農産物直売所での野菜や農畜産物の加工品販売は、家族農業者の経営支援につながります。同時に、地元の新鮮な農畜産物を購入したい市民への要望に応えることができるものであります。さらに、魅力的な施設運営を行えば、観光振興にも大いに貢献できる施設であります。

 しかし、当然のことですが、用地買収や施設建設には多額の税金を投入することになる施設ですから、どこにどのような規模の「道の駅」を開設するか、どのようなコンセプトにするか等については、市民参加で民主的な検討を重ねて慎重に結論を出すべきだと思います。
 市長は9日の本会議での答弁で初めて、平成24年度から検討を開始し、今年度に入って設置した懇談会で、上武道沿線の候補地14か所を4か所に絞り、2月3日に、上武道路の上り線の関根町に最終決定し、平成32年度のオープンをめざして推進室も設置すると説明しました。今後も、地方創生事業などの補助金交付の対象メニューを活用しながら、国からの補助金交付を受けて、市の財政支出を抑える努力は尽くすと思いますが、「道の駅」としては県内でもトップクラスの大規模な「道の駅」となるのではないでしょうか。それにしては、開設場所の最終的な選定経過や選定の判断基準が不透明です。
 箱モノ建設に慎重な市長が、面積を3ヘクタールとすでに決めて結果だけを示したことも異例ではないでしょうか。候補地や買収予定面積等、新たな「道の駅」を開設することについて、所管する総務委員会や市民経済委員会など市議会にも事前の詳細な説明もありませんでした。
 いま富士見温泉・あいのやまの湯・大胡ぐりんーんふらわあ牧場の3か所の「道の駅」の運営販売に参加している農家の方が大変心配しています。とくに、これまで合併前から長い間様々な努力を続けながら、富士見温泉「道の駅」や小沢の農産物直売所に農産物を納めている農家も、「関根町にデラックスな道の駅ができれば、もう努力しても客足が減り、売り上げが大幅に減ってしまうのではないか」あるいは「新たな直売所に品不足なく納めるだけの野菜などが、南橘地区や富士見地区の高齢化した農家で供給できるだろうか」「上武道路を通行する県外の観光客が求める品質の野菜などの品揃えができるだろうか」と大変心配しています。
 農産物直売所での買い物を楽しんでいる市民も、「今の直売所は存続できるのか」「農家の意見が十分反映された結果なのかどうか」と心配されています。
 今後、検討委員会の設置や運営手法の検討などの詳細を決定するための補正予算であることは承知していますが、これまでの経緯を踏まえると、本補正予算案に賛成することはできません。

 次に、情報システム運用事業として計上されている、5,263万6千円の繰越明許に賛成することはできません。
 本予算は2016年1月開始の社会保障・税番号制度いわゆる「マイナンバー制度」導入に向けてのシステムを構築するための予算です。政府や地方自治体が全国民に12ケタの番号をつけ、所得や社会保障などの個人情報を一元的に管理するものです。導入目的に、「行政の効率化と国民の利便性向上」があげられていますが、初期投資が3千億円もの巨額プロジェクトであるにも関わらず、具体的なメリットは示されず、むしろ個人情報の漏えいや「成りすまし」犯罪を防ぐ手だてがないなどデメリットが大きく問題のある制度です。
 しかも、税や社会保障の分野では、徴税強化や社会保障給付の削減の手段とされかねません。さらに、安倍内閣は3月10日に、マイナンバー(国民共通番号)法の改定案を閣議決定しました。
 マイナンバーを預金口座などにも適用拡大することや、企業が個人情報をビジネスに利用しやすくする内容です。金融機関の預貯金口座に国民番号を付けることを定め、社会保障給付の資力調査や税務調査などに活用する狙いです。当面は任意とし、制度実施後の2021年をめどに義務化する考えです。
 マイナンバーは他にも健康診断・予防接種の情報管理、公営住宅の管理に活用できるようにします。企業による個人情報の目的外利用については、個人の特定ができないよう情報の一部を削除・加工すれば、本人の同意なしで第三者への提供を認めます。商品の購入履歴など「ビッグデータ」と呼ばれる膨大な個人情報を活用したい企業の要求に応えたものです。
 以上のように、市民にとって、メリットよりデメリットが大きいものであり、賛成できません。

 つぎに、議案第20号「平成26年度前橋市用地先行取得特別会計補正予算」についてです。

 総合運動公園拡張用地取得事業として、1億5671万9千円が計上されています。わが党は、スポーツ施設の整備に一律的に反対するものではありません。
しかし、36億円もの事業予算をかけて25.8fの前橋総合運動公園を14.6fも拡張することは過大な事業であり、必要最少限のグラウンドと駐車場の整備だけに計画を縮小すべきと主張してきました。また、すでに同運動公園の管理費は年間1億8,600万円にもなっており、当然、拡張すれば管理費がさらに増えると指摘し、県有施設を含め既存の市内のスポーツ施設を活用すれば大規模な大会も誘致できるとの立場から、老朽化し市民の使い勝手の悪い総合運動公園内の各施設のリニューアル事業を優先すべきと求めてきました。
オリンピックのキャンプ地誘致やスポーツメッカづくりについては、大規模なスポーツ施設整備など過大な財政投入にならないよう、他自治体との無理な競争をせず、身の丈に合った取り組みをすべきと求めてきました。 
 新年度には、高齢者の介護保険料の2割近い引き上げや児童生徒の学校給食費の値上げを市民に求めながら、わが党が求めた総合運動公園拡張事業の見直しをしないままの予算執行に賛成することはできません。
 
以上申し述べまして2議案対する反対討論を終わります。

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