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議員団紹介 長谷川薫 議員

2009年第1回定例議会総括質問 長谷川薫議員【2009/8/7】

最初に市営住宅について質問します。

第1に、入居収入基準の引き下げによる影響と激変緩和策についてです。

公営住宅法が改悪されて、入居申し込みができる月収の上限が、現行20万円が15万8千円に引き下げられました。このために所得が増えていないのに入居世帯の約7%・382世帯の家賃が4月から上がります。入居待機者の中にも申し込み資格そのものを喪失する方が出てきます。収入超過者は五年間の傾斜家賃で激変が緩和されますが、それが過ぎれば退去を求められることになります。
これらの方々を市独自の支援策で救済すべきです。また、あまりにも市民の生活実態を無視して改悪された公営住宅法施行令を元に戻して、住宅セイフティーネット機能を公営住宅が果たせるよう、今こそ国に意見をあげるべきだと思います。答弁を求めます。

第2に、「派遣切り」などによる住宅喪失者の緊急入居についてです。

提供している芳賀団地の立地条件が悪く、浴槽や風呂釜が備え付けられていないこともあり、現在までに1世帯しか入居していません。  
広瀬団地などの長期空き室となっている団地に対象を広げるとともに、前橋市民という条件はなくし、解雇された職場が市内にあった場合には入居を認めるべきだと考えます。答弁を求めます。
 
第3に、長期空き室問題と修繕の促進についてです。

いま、入居待機者が約500世帯あるのに、長期間の空き室が223戸もあります。たとえば、芳賀団地では、5階の部屋だけでも30戸が空いています。また数年前に火災になって水浸しになったという理由で、同一階段の10世帯のうち1世帯しか入居していない棟もあります。南橘団地では、建替えかえで1〜2階の入居斡旋を中止していますが、数年あいたままの部屋もあります。空き室を効果的に管理して貸し出せば、待機者も減り、家賃収入も得られるのに長期間の遊休化状態を放置していることは大きな問題だと思います。見解をお聞かせください。
また、老朽市営住宅の修繕が適切に行なわれていません。芳賀団地などでは、雨漏りや廊下や外壁の落下の心配もあります。入居者の安全安心を確保するためにも、適切な住宅の維持管理をおこなう必要があります。入居者からの要望にもとづく緊急修繕は当然ですが、いっせいに市営住宅の点検を行い計画的な修繕を行なうべきだと思います。風呂の取り付けも計画的に行なうべきです。国の緊急景気対策交付金も活用して、市内の中小建設業者に積極的に発注しての仕事と雇用を増やすべきだと思いますが、見解をお聞かせください。

第4に、入居者の高齢化に対応したエレベーターの設置促進についてです。

来年度予算では1棟・3基の新設でこれまでのテンポから大きく後退しています。今、片廊下型の市営住宅・たとえば国領・日吉改良住宅・西片貝改良住宅・岩神などに設置すれば、一挙に多くの世帯の利便性が飛躍的に向上すると思います。また、高齢者が多い住宅については5階建てに限定せずに設置すべきです。予算を増額してエレベーター設置を早めるべきだと思いますが、見解をお聞かせください。

第5に、建替え事業と新規建設についてです。

南橘団地の建て替えが今年度から始まりましたが、3棟を9年間もかける事業計画ではあまりにも期間をかけすぎです。2年で1棟のテンポに早めて、6~7年間で事業を完了すべきです。 
また、高層化によって生まれる空き地に福祉施設の建設も検討されていますが、複合的な機能を持った老人福祉センターの建設を関係各課との連携を図り、早期に具体化すべきです。答弁を求めます。
本市では市営住宅は建て替え事業に限定し、この数年間一戸も新規市営住宅を建設していません。しかも、南橘団地の建て替え計画では210戸の老朽住宅を60戸も減らして150戸の計画にしているのです。市営住宅の管理戸数を現在の5494戸から平成22年度までに5380戸に114戸も減らす計画では、市民ニーズにこたえられません。急速な景気悪化による所得の減少や失業で、今後とも市営住宅への入居希望者が急増することが予想されます。
ストック活用計画を見直し、建替えに限定せず、たとえば共愛学園跡地や食肉処理場跡地など市街地に新規市営住宅を建設すべきだと思いますが、それぞれ見解をお聞かせください。

2、つぎにマイバスの路線拡大について質問いたします。

今、交通不便地区に住む高齢者の多くは、買い物や通院のために家族や親戚・知人に車の送迎を頼んだり、タクシーを利用せざるを得なくなっており、足の確保は切実な願いになっております。
多くの高齢者に喜ばれているマイバスは南北循環に続いて1昨年の暮れから西循環が運行されていますが、中心市街地に向けての足の確保というだけではなく、南橘地区や芳賀地区など多くの高齢者が生活の足として新たなマイバスの路線拡大を要望しております。公共交通の空白地域に路線を拡大すべきです。
また、マイバス事業の運行路線を行政主導で線引きするのではなく、交通不便地域の解消を願う市民を検討段階から参加してもらい、運行時間やルート・停留所などの要望を出してもらうことが、運行後の利用者を拡大していく大きな力になると思います。
まちづくりの所管部局とも連携を図り、マイバス対策室のような新たな体制を作って、路線拡大について直ちに検討を開始すべきだと思いますが、答弁を求めます。

3、次に、ばら園の有料化方針の撤回についてです。

昭和46年の開園以来38年間無料で開放されてきたバラ園の有料化検討が、突然開始されました。南橘地区や敷島地区の周辺住民は毎日の散歩コースにもなっている方も多く、大きな戸惑いの声や反対の声が上がっております。また、周辺の商店経営者も有料化によって来園者が減り、売り上げが減るのではないかと大変心配されています。
春30万人・秋5万人のシーズン中の来園者から、無料とする見込みの65歳以上と中学生以下の人30%を差し引くと、有料入場者数は約20万人になります。仮に入園料を1人200円とすると4000万円の収入となり、年間維持費5000万円の大部分を回収できることとなります。
しかし、バラ園のこれまでの経過や周辺の環境整備との関連で考えれば、いくつかの疑問点を指摘しなければなりません。

第一に、都市公園法第1条は、「都市公園の健全な発達をはかり、もって公共の福祉の増進に資することを目的にする」と明記しています。敷島公園と一体的に開放されてきたバラ園の有料化は、そもそもこの法律の目的に抵触するのではないでしょうか。

第二に、昨日の総括質問で建設部長から「バラ園は市外の来園者が多く、入園料をいただけば市民負担が軽くなる」旨の答弁がありました。しかし、この間バラ園は誰のために整備してきたのでしょうか。決して市外者のためではなく、何よりも前橋市民の憩いの公園として維持管理しリニューアルしてきたのではないでしょうか。いまも多くの市民がバラ園を訪れて、日々のストレスを解消し活力を取り戻しています。子どもたちの教育効果や、高齢者の介護予防や市民の健康増進効果、周辺の商店街振興などの多面的な波及効果も生まれているのではないでしょうか。同時に、医療や福祉にかかる市の費用の軽減にも必ずつながっていると思います。観光・集客という一面に大きく傾斜して、有料化を考えれば、公園整備の原点を逸脱してしまうのではないでしょうか。入園料収入で花を飾り更なる整備を進めて魅力を高めても、もっとも大事にすべき市民の来園意欲を遠ざけるのでは本末転倒ではないでしょうか。

第三に、いま、「百年に1度」という経済危機の中で、多くの市民のくらしが大変な状況です。このような状況の下で、たとえ1円でも市民に新たな負担をかけることは避けるべきです。今は、安易にバラ園の有料化を提起する状況にないということを市長が自覚していないことに、多くの市民が驚いています。バラ園有料化方針が市政への信頼の喪失につながることを自覚すべきではないでしょうか。3点についてそれぞれ答弁を求めます。

以上で第1回目の質問といたします。

第2質問

最初に市営住宅です。

@答弁をいただきましたが、公営住宅施策を後退させる政府の方針への無批判な追随は問題です。どのような立場が必要であるかという点をお聞きします。
今、市営住宅入居者は、高齢者や単身者・母子家庭の比率が大変多くなっています。このため団地の自治やコミュニティー機能がすでに十分維持できなくなりつつあります
住宅管理戸数を削減する国の誘導策に従い、所得階層が25%以下という厳しい入居条件を維持して、ごくわずかな低所得世帯に市営住宅供給の対象を限定しているからです。
前橋市は、いま合併で人口は増えていますが、将来推計では人口減少が今後続き、高齢化率がいっそう上昇することが見込まれています。
いまこそ、若者や子育て世代の市内定住や安心してこどもを生み育てられる施策を充実しなければ、人口減少に歯止めをかけることはできませんし、税収の確保も地域経済の活性化も望めません。
雇用不安と低所得で将来不安を深めている若年層世帯のニーズにしっかり応え、快適に暮らせる市営住宅の供給を市政の重要な施策の柱に位置づける必要があるのではないでしょうか。
これまで築き上げてきた本市の市営住宅施策を絶対に後退させないという構えを堅持することが必要です。答弁を求めます。

Aつぎに修繕予算をなぜ増額しないのか答弁を求めます。

修繕工事は典型的な生活密着型の公共事業です。住宅管理費が約5億4千万円で来年度予算が前年度並みとなっています。これでは賃貸人としての責務が十分果たせないという状況は、来年度も全く変わらないのではないでしょうか。
予算をしっかり確保して、修繕計画を立て、定期的に修繕・環境整備を行なう必要があると思います。入居者の生活に支障をきたさない管理を行なうという立場が必要ですし、市営住宅を長期に保全していくためにも、適正に維持管理していかなければなりません
経費削減が迫られている中で建築住宅課が苦労しながら団地の維持管理の努力をされていることは理解できますが、これ以上経費を削減すると、市営住宅の安全や住環境の維持に支障をきたしかねないのではないでしょうか。少なくとも、昨年より予算を大幅に増やすべきです。答弁を求めます。

B次に、南橘団地の建て替え事業のスピードアップについてはやや前向きな答弁をいただきました。しかし住宅建設費は6千600万円も減額されています。予算を増額してエレベーターの設置や風呂の備え付けも進めて頂きたいと思います。これらはいずれも、公営住宅ストック総合改善事業として国の補助もうけられる事業です。入居者の居住水準の向上のためにも取り組まなければならない市営住宅の改善事業と位置づけるべきだと思います。
建設以来30年以上経過している団地もあるので、建て替えの促進や耐震補強工事も推進することが必要だと思います。見解を求めます。

次に、マイバスについてです

本市も超高齢化社会に突入することは避けられません。2020年には高齢化率は約30%になると見込まれています。元気なままで年を取りたいと多くの方が望んでいますが、年を重ねると視力は衰え注意力も鈍って、交通事故の被害者にも加害者にもなってきます。これらの理由からも、赤字バス路線の支援や代替バス路線の運行とともに、全国で急増しているコミュニティーバスであるマイバスの路線拡大は、介護や医療とともに、今後の交通弱者救済として市政の重要施策にすべきです。
この公共交通充実策は、石油価格の高騰や枯渇・地球温暖化防止・迫られる低炭素社会への迅速な対応などの要請にこたえる重要な施策となります。
生命都市いきいき前橋の実現をめざしながらも、残念ながら、交通政策については、まだまだ市民の切実な願いに答える施策の実現には至っていません。 
そこで、マイバスの拡充に向けての集中的な検討委員会を市民参加で立ち上げて直ちに検討を開始することを提案します。答弁を求めます。

ばら園〜有料化についての市民合意は得られていません。

私は、前橋らしい景色と問われれば、広瀬川と赤城榛名と利根川、そしてしきしま公園だと思います。松林に象徴されるしきしま公園と造園によるヨーロッパ的なバラ園が一体的に楽しめる公園として、長い間市民に親しまれてきたまえばしの原風景です。ばら園は、特定の利用者ではなく、市民誰でも訪れることができる市民全体の財産であり、市民誰もがいつでも受益者となれる施設です。前橋公園などの都市公園と変わりません。特定の市民が受益を受けるじスポーツ施設や会議室の利用とは異なります。無料で開放し続けても全く問題はありません。バラ園を訪れた方は特定の利益を得ていると位置づけて、受益者負担としての入園料を求める政策変更自体が問題だと思います。たとえバラの咲く時期だけといえども、あまりにも市民に冷たい市政運営といえるのではではないでしょうか。「ばら園の利用促進」という施設本来の目的から逸脱することのないよう、利用の対価は最小限にとどめるべきです。利用者負担ではなく、税で十分まかなえる施設です。
マスコミによって報道されてから、多くの市民が、「バラ園の有料化などとんでもない」と怒りを表明しています。有料化の方針撤回を強く願っています。

有料化検討は見送るべきだと思いますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。


第3質問

最後に市長の答弁を求めます。市営住宅の充実もマイバス路線拡大もバラ園の無料開放も市民の切実な願いです。これらの市民の暮らしを支え応援する施策を充実するためには、不要不急の公共事業を厳格に見直すことが必要です。
たとえば、都市計画道路の県庁群大線はもう10年余り多くの事業費を投入し買収・拡幅工事を進めていますが、まだ道路本体工事はこれからです。今後さらに群大病院まで延伸しようとしています。下増田の運動公園は10億円も投入して買収し整備をしています。前工団の赤字補填には16億円もの税金投入しようとしています。大規模な公共投資には湯水のように税金を投入しながら、多くの市民の憩いの公園であるバラ園の有料化を主張し、老朽市営住宅の修繕を先送りしている市政は、大元からの転換が必要です。中小建設業者の経営を支え励まし、地域経済を活性化させる立場や、高齢者の生活を支え励ますマイバスの路線拡大などに本気で取り組むことこそ、市長のマニュフェスト・生命都市いきいき前橋の理念の実践ではないでしょうか。市長の答弁を求めて私の質問を終わります。

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