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議員団紹介 長谷川薫 議員

「前橋市公契約条例」を提案!(赤城根・2010年7月21日号)【2010/7/19】

市が発注する工事や業務に従事する労働者に適正な賃金と労働条件を!
 いま地方自治体の公共事業の総量が減ってきているために、不況で苦しむ建設業者などの間で入札時に仕事を受注するための激しい価格引き下げ競争が繰り広げられています。
前橋市においても、建物の解体工事などの契約では予定価格の5〜6割で契約(落札)されたり、市営住宅などの建設工事や電気工事も予定価格の7割程度、橋の架け替え工事の設計でも6割の低価格の契約となっています。
 このような低価格の契約は市の財政の節約のために良いことのように思われますが、今このような過度の価格競争が、新たに多くの問題点を生み出しています。
 その一つは、あまりにも低価格契約では、完成した公共工事の品質を確保できない恐れがあります。また、施設の清掃や管理業務でも、市民サービスの向上や安全性の確保ができなくなる恐れがあるのです。
 第二は、建設業界は元請業者のもとにさまざまな業種の下請け業者が2次3次と重層的に仕事を請けています。低価格の受注は下請業者への請負代金や現場で働く労働者の賃金の引き下げに結びつき、地域経済の振興・地元建設業の健全な発展・労働者の雇用の安定や生活向上にマイナス影響が生まれてきます。
このような中、全国的に建設労働者を中心に「税金でワーキングプアーをつくらない」を合言葉に、地方自治体にむけて公契約条例の制定を求める運動が広がっており、群馬県内においても昨年の十一月に「群馬県生活関連公共事業推進連絡会議」が結成されました。また、地方議会では昨年十一月現在で公契約法や条例を制定する請願や陳情を776自治体(45%)の議会が採択しているのです。
 日本共産党市議団は昨年の九月に日本ではじめて全会一致で公契約条例を制定した野田市への行政視察調査を行い教訓を学び、先月の第三回定例前橋市議会に党市議団として「前橋市公契約条例」を議案提案権を行使して提案しました。

下請けも含め、受注企業が労働者に支払う最低賃金額を定めます

 条例のおもな内容は、@市が契約する工事や業務に従事する労働者(下請け業者も含む)の最低賃金を市長が審議会の意見を参考にして定める。Aこの賃金を下回らないように受注企業に報告を求め立ち入り調査ができる。B違反事実があれば是正を求め、従わない場合は市との契約を解除することができる。 など全体で十五条にわたる内容です。
この条例案の提案理由説明を長谷川薫議員が行い、同議員が他会派の質問に答え、中道浪子党市議団長が賛成討論を行いました。

他会派が反対し否決

 他の会派は、「労働者の賃金や労働条件などについての指導監督権は労働局や労働基準監督署にあるので、市が条例で規定するのは問題」とか「行政は最少の費用で最大の効果を上げなければならない。この理念と反する条例で賛成できない」などと質疑・討論をして反対したために、採択には至りませんでした。
 長谷川議員は「公共事業や市の委託事業の現場で、多くの労働者が低賃金で働いている。他会派議員はこの実態を今こそ直視すべきです。市が発注する契約で労働者や下請業者の暮らしや営業を支えてこそ、質の高い公共工事やサービスが保障され、全体として市内の労働者の賃金や生活アップに貢献できると思います。公共事業は安ければよいとの考えは見直すべきです。今後も条例制定に向けて市民的な運動を強めていきます」と述べています。

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