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議員団紹介 長谷川薫 議員

前橋市内の放射能汚染マップの作成を!(赤城根・ 2011年5月22日号)【2011/5/22】

富士見町の牧草がセシウムで汚染

 3月11日に発生した東日本大震災は、地震・津波被害とともに、東電福島原発の大事故によって福島県はもとより前橋市にもヨウ素やセシウムなどの放射能物質が降り注ぎ、農産物や土壌を汚染しています。微量であってもガンなどの健康被害の恐れもあります。
 長谷川薫議員は、「県や市が放射能による土壌や大気の汚染状況をできる限り詳細に調べ、地図に示して公表するなどの『放射能汚染状況マップ(地図)』作りが求められています」と述べています。

 県は6日、前橋、高崎、館林の三市で採取した牧草から国の暫定規制値を超える放射性セシウムを検出したと発表しました。県は3月下旬の時点で、畜産農家に対して福島第一原発事故後に刈り取った牧草を乳用牛・肉用牛などに与えないよう指導しており「規制値を超える放射性物質が付着した牧草を、牛が体内に摂取する恐れはない」としています。
 県畜産課は、4月26日に北毛地域を除く県内6カ所で採取した牧草の検査を外部に依頼。一キロ当たりの放射性物質の濃度を調べた結果、放射性セシウムは、前橋市(旧富士見村)で七五〇ベクレル、高崎市(旧箕郷町)で五三〇ベクレル、館林市で四四〇ベクレルを検出し、いずれも暫定規制値(三〇〇ベクレル)を超えました。 同課は、放射性物質の付着の度合いを見極めるため、今後も二週間ごとに牧草の検査を実施するとのことです。
 長谷川議員は「前橋市で採取した牧草は県畜産試験場のものです。牧草の汚染は同時に土壌の汚染であり、セシウムの半減期は30年以上なので、今後も牧草を植えられないかもしれません。『汚染された牧草をどこに処分するのか』『高い牧草を買わなければならない。東電に補償してもらいたい』という市内の畜産農家の要望を東電や自治体に伝えていきます」と述べています。

校庭・園庭など教育保育施設の土壌汚染状況の調査を

 放射性物質はヨウ素もセシウムもとくに成長期の子どもにはガンなどの健康被害が心配です。政府も東電も放射線汚染についての厳密な調査を今も実施していません。福島においても福島原発の30キロ圏外の飯館村が高濃度の汚染が判明し避難指示が出されています。
 長谷川薫議員は「前橋市内にも放射性物質が降り注いだことは間違いありません。野菜も一時期は暫定基準値を超過しました。下水処理場や牧草のセシウムによる放射能汚染も判明しています。子どもたちが遊んだり部活やスポーツをする保育園や小・中学校の校庭に放射能汚染がないかどうかもしっかり調査すべきです。市議会でも市当局に求めます」と述べています。

前橋市の下水処理場でも高濃度の放射能汚泥

 前橋市水道局は13日、市が管理する下水処理場「前橋水質浄化センター」(同市六供町)で9日に採取した汚泥から1キロ当たり1844ベクレル、汚泥の焼却灰からは同4万1000ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表しました。県が管理する下水処理場からは汚泥1キロ当たり最大870ベクレルの放射性セシウムが検出されていますが、前橋市の数値は約2倍高くなっています。

再利用せず施設内で当面保管

 水道局は「県と違って雨水も一緒に処理しているため」と分析。焼却灰については、放射性物質が濃縮されたためとみられ、焼却灰について国は安全基準値を示しておらず、水道局は当面、処理場内で保管を続けるとしています。同センターでは主に市街地の約2万9000世帯の下水や雨水を集め、1日約50トンの汚泥を排出。汚泥は約1400度の溶融炉で溶かし「溶融スラグ」と呼ばれるガラス上の固形物にし、下水道工事のの際に下水道の埋め戻し材として利用しています。水を多く含んだ汚泥も一部あり、この場合は約800度の焼却炉で灰にした後、溶融しています。溶融スラグからは同1万7090ベクレルの放射線セシウムが検出されています。現在溶融スラグは20トン保管しています。
 市下水道施設課は、「震災後に施設外に搬出された焼却灰はなく、飛散防止を図っている。国が安全基準値を示してくれないと、保管場所は3〜4カ月で満杯になる」と話しています。


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