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議員団紹介 長谷川薫 議員

放射能汚染対策の充実を求める市民の請願を清新クラブ・真政会・市民フォーラム・公明党・真澄会・心世紀・民主党が不採択(赤城根・2011年7月3日号)【2011/7/4】

「放射能から子どもの命と健康を守って!」という請願
日本共産党市議団だけが採択を主張

 6月定例市議会の最終日の28日、新日本婦人の会から提出された「東日本大震災と原発事故に関する請願」が本会議で審査されました。提出された請願は、「大震災によって発生した東電福島第一原発事故によって飛散した大量の放射性物資の汚染から、市民やとりわけ健康被害を受けやすい子どもたちを守るために、放射線測定などきめ万全の対策を講じてほしい」と前橋市に求める内容です。
日本共産党前橋市議団を代表して長谷川薫議員が採択を求めて賛成討論をしましたが、清新クラブなど7会派が不採択を表明したために、請願の採択は行なわれませんでした。長谷川議員の討論は次の内容です。

農畜産物・魚介類などの食品の測定体制を
 
 市当局は「出荷段階で検査されているので安全」と説明しています。しかし、今市内に流通している農畜産物や海産物のすべてが牛肉のBSE対策の全頭検査のようなチェック体制になっていません。これまでにイカナゴの出荷停止がされた以外は、すべて東北地方で水揚げされた海産物も出荷販売されています。
 福島原発からは高濃度の放射能汚染水が海洋に流され、今も汚染水が地下水を通じて海に漏れ出している懸念もあり、今後、深刻な海産物の汚染被害が出るのではないかと漁業関係者が心配しています。また、震災後に作付けされ今後収穫される福島県内の農産物の放射能汚染も心配されています。
 したがって、加工食品も含め全食品を対象に、放射能汚染がないかどうかの抽出検査を本市保健所が実施するとともに、検査機器の整備や検査体制の強化を求める市民の願いは当然です。

食材を検査し子どもたちに安全な給食を
 
 市当局が実施した給食の主食材や水道水の放射能検査で「不検出」という結果が公表されています。
 しかし、給食食材や水道水の測定の実態は、測定機器の精度による限界があり、食品は1キロあたり20ベクレル、水道水は5から13ベクレル以下は測定不能で、県当局も市当局も、「ゼロと確定しているのではなく、微量の放射能物質が含有していることはあり得る」と説明しています。とくに成長期の子どもは微量でも長期に摂取し続ければ体内に蓄積し、癌を発症したり遺伝的影響を及ぼすことが心配されます。
 また、6月23日に県は、本市の水道水源になっている榛東村の県央第一水道の沈澱槽の土から、1キログラムあたり8万7千ベクレルの高濃度のセシウムが検出されたと公表しました。利根川から取水している水道水源にも上流に降り注いだセシウムが流れ込んでいるのです。
 精度の高い放射能測定ができる検査機関に依頼して、水道水も給食も抽出検査を実施して安全性を確認すべきです。

見えない放射線を見えるようにするのが行政の責務
 
 本市は放射線測定器サーベイメーターを12台購入し、市内70か所の空間放射線量の測定を開始し、県当局がすべての小中学校や保育所などの測定を行うなど市内200か所の測定を開始しました。また、上沖町のモニタリングポストの測定値が平常時に戻ったので、現状の測定状況で充分との楽観論もあります。
 しかし、放射性ヨウ素と比較して、半減期が30年のセシウムが、本市に大量に飛散して土壌などに蓄積している現状を決して楽観視することはできません。
県環境衛生研究所のモニタリングポスト地上21メートルの空間線量は、3月15日に0・56マイクロシーベルトを記録し、事故発生前の約30倍もの値を示しました。地表面では一桁高い線量を測定しています。6月の測定値は下がっていますが、それでも平常値の2倍です。
 このような中、本市においても「ほうれん草」や「カキナ」が暫定基準値を大きく超えて出荷停止となり、富士見町の牧草の利用が停止されました。さらに市水質浄化センターの汚泥の高濃度汚染が明らかになりました。また、いわゆるホットスポットと呼ばれるような、風などによる吹き溜まりや雨水が滞留する場所などは放射能線量が高く、私たち党市議団が六供町の児童公園で独自に測定しても0・24マイクロシーベルト前後の高濃度の空間線量の測定結果が出ています。
 今なお空中に飛散し浮遊している放射性物質が、集中豪雨などの気象条件で雨粒などとともに降り注いでくる危険性があります。
 乳幼児を育てる父母からは、「たとえ空間線量が低レベルであっても、外部被爆と放射性物質を体内に取り込む内部被爆の合計が、1年間に1ミリシーベルト以下になるように、行政としてまた教育委員会として最大限の努力を尽くしてほしい」という要望が党市議団に数多く寄せられています。

 したがって、子どもたちが長時間過ごす学校や保育所や公園などの詳細な放射線測定をできる限り本市独自で実施して、放射線量の高い場所には近づけないなど子どもたちの被爆を減らす対応策を具体化すべきです。
放射能は色も臭いもしません、見えない放射能を見えるようにするのが行政の責任です。測定をしない限り安全性の確保はできません。
 未来を担う子どもたちが将来チェルノブイリ原発事故のように甲状腺がんなどが広がるような事態を絶対に生み出さないためにも、被爆ゼロに限りなく近づける万全の対策が必要です。



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