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議員団紹介 長谷川薫 議員

放射能汚染から子どもたちを守ろう!(赤城根・2011年7月17日号)【2011/7/13】

深刻な汚染の状況

 東京電力福島第一原発の事故による放射能汚染は、前橋でも深刻です。市水質浄化センター(六供町)の下水道汚泥焼却灰から1kg当たり4万ベクレル以上の高濃度のセシウムが測定され、焼却灰や溶融スラグはセンター敷地内にコンクリート壁で三方向を囲った置場にシートで覆い、バリケードで立ち入りを禁止しています。
 また、県は6月23日、本市の水道水源になっている榛東村の県央第一水道の沈澱槽の土から、8万7千ベクレルの高濃度のセシウムが検出されたと公表しました。
 ホットスポットと呼ばれる高濃度の汚染場所も心配です。共産党市議団が六供町の児童公園で独自測定したところ、0・24マイクロシーベルトの高い空間線量でした。
 党市議団は、原発事故直後から市当局に市内の汚染マップをつくることや、水や農畜産物・魚介類などの測定を求め、市民の健康被害防止のための具体的な対策を求めてきました。
 しかし、前橋市の放射線被曝防止対策の現状は大変不十分です。

放射能測定が不十分
 
  いま特に必要なことは、最も影響を受けやすい子どもたちの被曝を最小限にするための施策です。
 党市議団は、全幼稚園・保育所・小中学校などで独自に測定できるサーベイメーターの配備を要請し、日々測定を行い線量の高い場所にはこどもたちを近づけないようにするとともに、高濃度の土壌の除染を求めています。
 市は環境課に4台、水道局に1台、教育委員会に6台、保健所に1台、合計12台を配備(7月8日現在3台購入)して放射線測定を開始しました。 また、群馬県が県内の全保育所や幼稚園・小中学校の園庭や校庭の放射線量を測定しています。前橋市内は利根や北毛地区の数値に比べると低いものの、明らかに原発事故による影響が出ています。
 前橋市は、この継続的な測定とともに、水質浄化センターや清掃工場周辺も含めて市内70か所の空間線量の測定を行なうこと、小中学校のプールについては継続的に6校を選んで測定し、安全を確認することを表明しています。
 私たちはまた、市内に流通している食品を抽出して放射性物質の測定をすべきと要求しています。しかし市は、「出荷先の自治体が測定しているので暫定基準を超えた食品は流通していない」、「県内の農畜産物もすでに群馬県が実施しているサンプリング検査でいずれも暫定基準以下なので心配はない」などと答えています。
 しかし、牛肉のBSE対策の全頭検査のようなチェック体制はありませんし、海産物ではこれまでにコウナゴの出荷停止がされた以外は、東北地方で水揚げされた海産物も出荷販売されています。

子どもたちに安全な給食を
 
 給食の問題では、主食材でも水道水でも不検出で安全だと市は強調しています。しかし実態は、測定機器の精度による限界があり、食品については1sあたり20ベクレル、水道水については5から13ベクレル以下は測定不能であり、不検出と公表されています。この点では県も市も、「ゼロと確定しているのではなく、微量の放射能物質が含有していることはあり得る」と説明しています。
 市当局は「事故直後と比較して、現状では放射能汚染の状況はあまり心配ない」という認識です。しかし、日本の食品の放射能の暫定基準は世界に比べても大変甘く、セシウムの飲み物基準はアメリカが1gあたり0.111ベクレル・世界保健機構(WHO)が1ベクレルに対して日本はセシウムが200ベクレル・乳児が100ベクレル、食べ物基準はアメリカが1sあたり170ベクレル、WHOは10ベクレルに対して日本は500ベクレルと、異常に甘い基準なのです。
 
体内被曝の防止を
 

 成長期の子どもは、微量でも長期に摂取し続けると体内に蓄積します。内部被爆は将来、癌の発症や遺伝的影響を及ぼすことが心配です。
 精度の高い測定ができる検査機関に依頼して、水道水も給食の食材も抽出検査をして安全性を確認すべきです。
 少なくとも空間放射線を浴びる外部被曝と食物や水の摂取などによる内部被曝の合計が、文部科学省が示す年間1ミリシーベルト以下になるよう、市はあらゆる努力を尽くすことが必要です。

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