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議員団紹介 長谷川薫 議員

群馬県が肉牛生産農家の出荷時の全頭検査を実施(赤城根・2011年8月7日号)【2011/9/21】

放射能汚染による肉牛価格暴落への群馬県の緊急対策

 東電福島第一原発事故による牛肉の放射性セシウム汚染問題では、本市の肥育牛生産農家にも深刻な打撃を与えています。11年前のBSE(牛海綿状脳症)発生時よりも取引価格が大暴落し、取引価格は通常の半分から5分の1まで下落。えさ代どころか、元牛の購入費にもならず、激減する収入に生活への不安が広がっています。
 福島県産のみならず、牛肉全体の価格が過去最大レベルで暴落し、例えばさいたま市中央食肉卸売市場では、7月20日の和牛A2クラスの価格は1s当たり441円。7月4日には同1057円だったから、わずか2週間で半値以下に暴落。同市場で豚肉は中クラスが445円で取引されており、いまや牛肉は豚肉並みの価格まで落ちています。
 前橋市内の畜産農家は「最近の子牛の価格は30から40万円台。1カ月のえさ代は1頭約2万円かかる。子牛の価格約40万円。成牛にして販売しても現在の価格は子牛購入時の半額程度。価格があまりにも安すぎて牛を出荷しても赤字になるだけ。収入が落ち込み、現在の通帳残高では次のえさ代も払えないし、設備投資のために借りた借金も返せない。このまま続けば倒産するしかない。何とか救済策を具体化してほしい」と悲痛な表情で訴えています。

県が全頭検査を開始

 群馬県内では、大田・高崎・安中の3軒の農家が宮城県の業者から暫定規準を超えた放射性セシウムを含んだ稲わらを購入しえさとして与えていたことが明らかになりました。牛肉はすでに市場に流通しています。
 群馬県は20日、県内の肉牛生産農家全390戸(年間約4万頭を出荷)を対象に、放射性物質の全頭検査を実施すると発表しました。出荷される牛のうち県内2か所の食肉処理施設で処理される際に簡易検査機器で測定、1日に100頭程度の検査ができる体制を県独自に整える方針です。全頭検査に踏み切るのは全国初です。

 長谷川薫議員は「食肉の安全を確保するためにも、価格の安定のためにも必要な全頭検査が実現してよかったと思います」と述べています。

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