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議員団紹介 長谷川薫 議員

震災がれきの広域処理は安全最優先と住民合意で!(赤城根・6月17日号)【2012/8/2】

震災がれきや焼却灰の放射線量の情報公開の徹底を

 前橋市は、国や県の要請を受けて昨年3月11日の東日本大震災と津波によって発生した災害廃棄物(震災がれき)の焼却処理の受け入れを、庁内プロジェクトを組織し検討しています。群馬県は岩手県のがれきのうち1キロ当たり100_シーベルト以下のものに限定して受け入れを市町村に要請しています。前橋市は大胡・亀泉・六供清掃工場で年間10万トンの可燃物を焼却していますが、六供工場に余裕があるため約3万トンの受け入れが可能と判断しています。すでに市環境部の担当職員が岩手県の大槌町や山田町に出向いて集積場の震災がれきの分別状況やがれきの放射線量を測定するとともに、各自治体の広域処理の緊急性などを聴取しています。
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さらに市当局は、受け入れを予定している岩手県のがれき(木片)のサンプルを持ち帰って放射線量を測定したところ、セシウムが1キログラムあたり10〜20ベクレルで、焼却によって濃縮されて約33倍となっても、国が埋め立て処分可能と示している8,000ベクレル以下で、安全性に問題なしと判断しています。

住民説明会では不安が続出

 このような中、先月25に六供清掃工場で地元住民や市民を対象にした試験焼却の実施の理解を求める意見交換会を市が実施しました。参加した長谷川議員は「市民からは焼却時に気化した放射性物質が排気ガスとともには排出されるのではないか、バグフィルターでは完全に除却できないのではないか、焼却灰の安全な管理ができるのかなどの不安が多くの参加者から出され増した。意見交換会の際に市当局がマスコミを退出させるなどの市の対応は逆に不信を抱かさせる対応でした」と述べています。
またその後、がれきの焼却灰を埋めたてる最終処分場の荻窪町で28  日に開催された意見交換会で、市当局は荻窪町以外の参加希望者を会場に入れずマスコミも排除して開催するという異常な対応でしたが、荻窪町の自治会役員からは「国基準以下であってもすでに市内から集められた放射性物質が焼却灰として最終処分場に集積して埋め立てられているのに、これ以上の県外がれきの放射性物質を埋め立てることは認められない」という強い意思が表明され、参加者の多くが受け入れに反対したとのことです。
復興の妨げとなっている震災がれきの広域処理の支援に理解を示す市民も少なくないとは思いますが、清掃工場や最終処分場周辺住民の不安は決して少なくないことが示されています。

国による現地の震災がれきの詳細な情報公開が先決

 廃棄物政策の第一人者の立正大学名誉教授の田口正己氏は「震災がれきの受け入れへの不安は、放射性物質による汚染の実態を国や自治体が積極的に測定して住民に明らかにしていないからだ。国民には電力会社などと原発の安全神話を垂れ流してきたことの反省もなく、大飯原発の再稼働を進める国への限りない不信感‥疑心暗鬼が背景にある。国は、現在、被災地の仮置き場にあるがれきの実態を、発生量や中身・放射能の汚染状況‥処理方法・再利用の可能性などを調査しその結果の情報を開示すべき。また広域処理は被曝の恐れのないがれきに限定し、必要な経費は全額国が保障すべき。また、原発事故によって発生した汚染土壌や汚染焼却灰は国と東電の責任で中間処理施設を建設し保管すべき」と述べています。

試験焼却も焼却受け入れも、全市民対象に情報を公開し住民合意で

 長谷川議員は「前橋市当局は、がれきの広域処理を単なる被災地支援に矮小化せず、放射能に汚染されたがれきの処理の責任は第一に東京電力にあり、原発を推進してきた国にも第二義的な責任があることを明確にすべき。そして試験焼却も受け入れもすべての情報を公開し、なによりも市民合意を前提にすべき」と述べています。

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