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議員団紹介 長谷川薫 議員

第4回定例前橋市議会開会中の教育福祉常任委員会・「前橋市の予算によりすべての市立小・中学校での30人学級を求める請願」の審査(長谷川薫議員)【2015/12/10】

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共産党市議団が請願の紹介議員となり、採択に全力!

  第4回定例前橋市議会開会中の教育福祉常任委員会で、全群馬教職員組合前橋支部から提出された「前橋市の予算によりすべての市立小・中学校での30人学級を求める請願」の審査が行われました。
  共産党市議団からは、委員会に所属している私が請願審査に参加しました。最初に、教職員組合の先生から学校現場の様々な状況を聞いているので、審査に反映したいので紹介議員である共産党議員から趣旨説明をさせてほしい」と要望しましたが、他の全会派議員が不要と発言を認めま先でした。さらに、「教育委員会職員を呼んで、すでに1・2年生で実施している30人学級の教育効果や、今後の方針などを説明してもらいたい」と求めても、他の会派が「市当局の見解は承知している」と述べて当局説明も実現しませんでした。
  前橋市議会でも議会改革が叫ばれて久しくなりますが、市民から出された請願をできる限り慎重に審査するという姿勢が大変弱いことは残念です。

清新クラブ、創生前橋、公明党、心世紀、市民の会が不採択を主張、フォーラム前橋が趣旨採択。日本共産党市議団だけが賛成・採択を主張!
 

  ひとり一人に行き届いた教育を進めるためには学級規模を小さくすることが必要です。しかし、他の会派は、「財源難でむり」とか、「教員の多忙感は子どもの数を減らしても解決しない」、「教員は今も生きがいを持って仕事をしている」「いじめや校内暴力は減っている」などと述べて、不採択を主張しました。
  私は、このような他の会派の「反対のための反対」の主張を批判しながら、30人学級の実現の緊急性と重要性を強く主張しました。討論の内容は以下の通りです。

      請願賛成討論(教育福祉常任委員会2015年12月10日)

 日本共産党前橋市議団を代表して、請願第1号「前橋市の予算によりすべての市立小・中学校での30人学級を求める請願」に対する賛成討論を行います。
 本市においては群馬県のさくらプランによって、2003年に小学校1年生、2005年に小学校2年生の30人学級が実現し、現在50校114学級に114人の学級担任が配置され行き届いた教育が行われております。また2009年に小学校3・4年生が35人学級となり、2011年にわかばプランで中学校1年生が35人学級となっています。しかし、それ以降4年間は県の少人数学級施策が止まっています。このような中で、本市は今年の4月から独自に小学校5・6年生のうち単学級しかない5校だけを35人学級にして5学級を増やしました。 
請願者も現場の教職員として、前橋市教育委員会の努力を評価していますが、1さらに進んで独自に全小中学校の30人学級の実現を強く求めているのです。いま、小中学校では発達障害児など手厚いケアが必要な子どもが増え、立ち歩きや感情が高まりパニック状況になるなど、学級崩壊に近い状況やさまざまな教育困難が広がっています。少人数学級になれば一人ひとりの子どもの状況を担任教員がゆとりを持って把握することができ、勉強をより丁寧に見ることができ、子どもの発言や発表の機会も増えて、みんなで話し合いながら認識を深めていくなど学習のあり方も大きく改善します。30人学級は、教職員や保護者のきわめて切実な教育要求となっているのです。
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 文部科学省が設置した中教審初等中等教育部会もすでに5年前の2010年に、「40人という学級規模では学級経営が困難となっている」と提言し、少人数学級の促進を文科省に強く求めています。
 この提言を受けて翌2011年3月には、国会において義務教育標準法が全会一致で改正され、小学校1年生を35人学級にし、附則で小学校2年生以降も順次改定を検討・実施すると定めたのです。その翌年の2012年度予算では小学校2年生も35人学級にするだけの予算がつきました。その後小学校3年生、4年生、5年生というように35人学級が順次すすむはずでした。ところが安倍政権となり、政府・財務省によって2013年も2014年も35人学級への動きが止められました。
 そればかりか今年・2015年度予算編成では、財務省の財政制度等審議会で「小学校1年生も40人学級に戻せ」「教員をもっと減らせ」という議論が行われ、文科省も35人学級推進の概算要求すら見送るという異常な事態におちいっています。今こそ、国民の世論と運動によって、国の政策を35人学級推進に明確に転換させる時です。
世界に目をむければ、欧米では1学級30人以下学級が当たり前です。韓国でも35人学級編制を目標としています。まさに少人数学級は世界の流れです。
 こうした状況があるからこそ、少人数学級は日本PTA全国協議会、全国レベルの校長会や教頭会、教育委員会の協議会、さまざまな教職員組合が求める、文字通り国民的な要求になっているのです。全国知事会も「中長期的な教職員定数改善計画」の早期策定を求めています。
 一方、財務省は「少人数学級に教育効果はない」と言っていますが、それは少人数学級の高い教育効果を示す世界と日本の多くの報告には目もくれない、たいへん乱暴な議論です。1人の教員が教える子どもの数が減れば、よりていねいに教えられることは誰が考えてもわかることです。それを否定するような姿勢はやめるべきです。
 このような状況の下で請願者は、国や県の少人数学級の推進を求めつつ、前橋市独自で30人学級への推進を強く求めているものです。
 いま本市の教職員も、授業の準備や部活やPTAなど学校での公務が増え続け、「過労死ラインで働いても授業準備や子どもと接する時間がとれない」という深刻な多忙感で苦しんでいます。また国の少人数学級への移行の見通しがないもとで県教育委員会が教員の正規採用を手控えているため、非正規教員への依存が強まり、多くの非正規教員が来年どうなるかわからない不安な気持ちを抱きながら働いています。子どもの教育を考えて、このような状態の解消は急務であり、少人数学級による教員の定数増はそのための重要な保障となります。

子どもの変化等に応じてスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、介助員、支援員、オープンドアサポーターなどの配置で、教員の負担を軽減することは必要ですが、子どもの状況、豊かな学びを考えた時、何よりも大事なことは、正規教員を増やして1クラスの子どもの数を減らして、一人ひとりに行き届いた教育を実現する教育環境を整備が求められているのではないでしょうか。少子高齢化や人口減少が進む中で、安心して子どもを産み育てられるようにするためにも、いまこそ30人以下学級の実現を決断すべきだと思います。
 市当局は「財源がない」とも言いますが、教育委員会に市単独で30人学級を実現するための試算を求めたところ、小学校の全学年を30人学級にするためには新たに70名の教員を増やし、3億9千200万円の予算を増額すればあれば実現でき、中学校の全学年の30人学級は108人の教員を増やし6億480万円の予算を増額すれば実現できることが明らかになりました。178人の教員を増やし合計9億9680万円増額すれば全学年の30人学級を直ちに実現できるのです。それは、本市の今年度の一般会計予算、1,431億9,346万円のわずか0.6%です。
財政難を理由にはできません。
 子どもは社会の希望、未来の宝であるにもかかわらず、自民党政治は長年にわたり教育予算を抑制し、日本の教育予算の水準、公教育に係る財政支出の対GDP比は3.5%で、OECD経済協力開発機構34か国の平均4.7%とくらべても6年連続最下位です。この状態から脱し、子どもの教育を大切にする国づくりが今こそ求められています。子どもたちのために少人数学級を推進するという一点で前橋市も国民的な共同を広げ、実現させていくことが求められています。
 この十数年、全国各地で「今の子どもの状況を考えたら、国が動きだすのを待っていられない」と自治体独自の少人数学級が広がりました。子どもたちの豊かな成長・発達のために、自治体として積極的に少人数学級をすすめる努力は貴重です。同時に、地方から政府に対して少人数学級を決断するように声をあげることが求められています。
 前橋市が全国に先駆けて子どもの医療費の中学校卒業まで無料にしたように、請願者の願いに応えて全小中学校の30人学級を一日も早く市独自で実現して少人数学級推進の大きな波を全国に起こすべきだと思います。
 以上申し述べまして、本請願の賛成討論と致します。

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