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議員団紹介 長谷川薫 議員

梅村さえ子衆議院議員が前橋市の過酷な税金の滞納整理を告発! 2016年 02月 23日


【2016/3/23】

生活困窮による税金滞納者の暮らしを脅かす自治体の過酷・違法な差し押さえの中止指導の強化を!

 日本共産党の梅村さえ子衆議院議員は22日の午後、衆議院総務委員会で、前橋市の年間1万件を超える問答無用の差し押さえが、市民の暮らしや営業を脅かしていると告発し、国として地方自治体の税滞納整理の行き過ぎの是正指導を強めることを強く求めました。
 同議員は、前橋市の過酷な差し押さえの事例を具体的に示しながら、広島高裁の判決で「預金口座に振り込まれても、差し押さえ禁止財産とわかって差し押さえれば違法」との判決後も、前橋市は児童手当を差し押さえていることや生活保護受給者からも執行停止をせずに滞納税を分割納付させている問題を指摘し、高市早苗総務大臣の見解を求めました。

 高市大臣は「繰り返し自治体には、地方税法に基づいて適切に滞納整理を行うように指導している。差し押さえについては、税滞納者の個別具体的な暮らしの実態を丁寧に把握して、生活を脅かすような差し押さえはせず、徴収や換価の猶予や執行の停止なども適切に行うよう求めている」と答弁しました。

 梅村議員は「前橋市は国の指導通りにはしていない。行き過ぎた違法・脱法的な加工な税徴収が行われている」と事例を以下の通り示しました。

 @(2015年7月10日相談)市内の52歳の労働者。本人は伊勢崎市内の零細企業会社に勤務。ボーナスなし。月収手取り22万円程度。年間所得300万円。妻は内職で月額2〜3万円の収入。当時は高校3年生と中学3年生の子供の4人暮らし。住宅ローンが月額5万5千円。20万円で4人が生活していた。
生活に困窮し、固定資産税と軽自動車税を合計3万3400円滞納していた。「12月までには必ず納入するので、待ってほしい」と収納課に連絡していたのに、11月2日に市は滞納金額の全額をわずかに残っていた郵便貯金を差し押さえ収納した。

 A(2015年6月相談)市内の48歳の男性は、病気になって働けす、貯金も底をついたので、社会福祉協議会から生活福祉資金10万円を昨年の5月に借り受けて暮らしながら、求職活動をしてパートとして市内の中小企業に5月21日から働き始めた。ところが6月25日に初めての給料約11万円が銀行口座に振り込まれた当日、市の収納課は滞納していた国保税74100円を全額差し押さえて収納した。家賃も払えず、生活もできないと異議申し立てをしたところ、昨年の所得申告ゼロ申告をすれば国保税の減免ができ、その分約5万円の差し押さえ金額の解除できるのでるので異議申し立てを取り下げてほしいとの申し出があり、取り下げた。それにしても、生活実態を把握しないで、やっと再就職先を見つけた市民の全額差し押さえは明らかに行き過ぎ。

 B(2014年12月24日相談)市内の61歳で早期年金受給をされている男性への口座差押えもひどい違法差押えでした。その方は、10年前にうつ病で入院し、会社を退職し、奥さんとも離婚し、7年前に同居していた父親も死亡して、10年間ひとり暮らしをしていました。その後も糖尿病の持病が悪化しています。1年前から厚生年金(2カ月で16万円)を受給し、兄弟の支援を受けて細々と自宅で暮らしていました。市税と国保税が延滞金も含めて97万円滞納していました。市の収納課は、12月15日の年金支給日に本人が15,000円引き下ろした残額148,850円を差押えて残額をゼロにしたのです。本人から話を聞いたところ、市に無所得の申告を10年間ほとんど行っていないことが分かったので、国保年金課窓口に申告したところ、7割軽減世帯だということが判明し、国保税の本税だけでも189,600万円の減額が行われました。時効によって5年間の減額にとどまりましたが、収納課の滞納金額そのものも大幅に引き下げられることが分かりながら、その事実も知らせないまま年金を全額引き下げたことは、2重に脱法・違法な滞納整理です。それ私の即時解除・還付請求にも、市収納課は応えない異常な態度を示しました。私はこのような中で相談者の暮らしを応援するためには、生活保護申請が必要と判断し、当日申請を行い社会福祉課に保護申請を受理させました。このように滞納処分で最低限の生活を脅かす前橋市が、生活保護で扶助せざるを得ないというという矛盾した行政となっているのです。(写真は、差押えられた相談者の金融機関の口座です。)

 梅村議員は最後に、「所得の減少や雇用不安が広がる中で、格差と貧困が広がっている。自治体の責務は住民福祉の向上のために努力を尽くすこと。生活困窮による税滞納者を追い込むような過酷な税金の取り立てをやめるよう、地方自治体への指導を強めるべき」と強く指摘しました。
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