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議員団紹介 小林久子 議員

大胡幼稚園の存続に地域から声をあげよう
市立幼稚園の統廃合は撤回を!(ひさ子通信7.29)【2012/8/27】

事前報告なく検討委員会立ち上げ

若宮町のまえばし幼稚園および、大胡・大胡東・宮城の市立4園を対象とした「第1回市立幼稚園充実検討委員会」が6月18日に開かれました。
 目的は統廃合に関する検討です。共産党市議団は7月議会総括質問で幼稚園の統廃合問題を質問し、計画の撤回を求めました。

大胡幼稚園の耐震工事保留 
 6月28日の大胡地域審議会で審議委員から「大胡幼稚園の耐震補強工事実施設計が昨年完了しているのに今年度予算化されないのはなぜか」と問われ、当局はここで始めて「幼稚園のあり方についての検討委員会が開かれているので、この結果を待ちたい。工事は保留にした」と答えました。
 この教育委員会方針に対して大胡、宮城の幼稚園の保護者、住民、そしてその代表である地域審議会からは事前に意見聴衆も説明もないと疑問と批判があがっています。統廃合検討そのものが合併合意に反すると考えます。

親や子どもの気持ちは!事後報告でよい? 
 この検討委員会が開かれることは、事前に議会に全く報告もなく、該当する保護者にも全く知らされないまま進められたのは問題です。
 教育委員会は、5月の議会質問に検討委員会を設置すると答えたから、また、ある程度の方向が決まったら議会や保護者に報告するつもりだったと、否を認めませんでした。

教育も効率化・合理化か? 
 検討委員会では、包括外部監査より抜粋した資料が出され、あたかも市立幼稚園に過剰に税金の投入をしているかのような記述や、前橋市の一部地域に偏在しているので、公平性の観点から廃止も含めて検討する必要があるとの指摘が出されました。
 若宮町にあるまえばし幼稚園は、総社幼稚園、神明幼稚園と3園あったのを1園に統廃合しました。3園の存続を願う署名1万3千人以上の市民の反対を押し切って、強引に1箇所にしました。このように、経費削減を目的に公的な幼児教育の統合を論じること事態が乱暴な議論です。
 市教委は「効率化や、合理化など包括外部監査の指摘事項にはきちんと対応していかなければならない」と認め、今まで「小中学校の統廃合は財政的なものでなく、あくまで子どものため」といってきたことが、偽りだったことが露呈しました。 

地域の公立幼稚園としての役割  
 少子化の中で質の高い幼児教育への願いは切実です。
 宮城幼稚園は、昭和50年4月に村立幼稚園として開園して以来37年間地域の幼児教育の拠点として、大きな役割を担ってきました。農業を基幹産業とする家庭では3世代4世代が同居し、家族みんなで子育てを支え、3歳児から幼稚園にお世話になるのが通例です。
 大胡幼稚園は昭和31年創立され、54年の歴史があります。平成16年4月に園児の増加によって、大胡幼稚園と大胡東幼稚園の2つに。多くの園児が大胡幼稚園から大胡小学校へ大胡東幼稚園から大胡東小学校へとすすんでいます。
 このように、4園の中でも宮城と大胡そして大胡東幼稚園は幼少中と事実上の一貫校としての優れた幼児教育を行ない、教育的効果が高い。子どもは町の宝として地域と一体となり、幼稚園は大きな役割を担ってきました。

定員数に問題が
 現在の市立幼稚園4園は、それぞれ180名定員。宮城幼稚園は昨年度新園舎が建築され、園児は84名で教育委員会は充足率が低いとしています。しかし施設整備のときに園児数推計に基づいた定員数と、教室整備を検討すべきではなかったか。大胡幼稚園も園児数は102名で決して小さい規模ではありません。
 1クラスの園児の定員数を少なくし定員を見直せば、子どもたち一人ひとりに行き届いた保育ができると考えます。

教育は未来への投資 
 市長は行財政計画の見直し、総点検(サマーレビュー)をおこなうとしているが、財政の効率化を教育や福祉に求めることには慎重でなければなりません。とりわけ教育は未来への投資であり、目先の財政事情に左右されるべきではありません。

幼児教育の公的責任を果たせ 市長は6月29日に開催された宮城地域審議会での質問に答えて、合併合意はいわば、憲法と同じで大変重いもの、守られるべきものであるとの趣旨を述べています。
 この考えに立ち、保護者をはじめ地域住民の総意からも4園の統廃合の検討そのものをやめるべきです。
 市長も教員長も本格的な幼児教育・幼稚園教育のあり方について議論したいと言っていますが、統廃合や民営化でなく、行政の公的責任をきちんと果たすことが第一番にやるべきことです。

統廃合方針は撤回を
私は4人の子どもが大胡幼稚園にお世話になりました。
 幼稚園を通して、さまざまな行事などで、子どもと一緒に過ごすたくさんの時間を持てたことが、親として幸せな時間だったと思います。
 昨今、早期教育が叫ばれますが、幼児期の成長・発達にとって何が大切か。子ども一人ひとりと向き合い、受け止め、待ち、ゆっくりじっくり年齢にあった成長を保障することが大切です。
 教育委員会はこれまで、小中学校の統廃合は財政の問題ではない、あくまでも子どものためと繰り返してきましたが、本音が財政問題にあることが幼稚園の統廃合問題で明らかになりました。
 また、市が財政の効率化・合理化のみを論じる外部監査の指摘を鵜呑みにする姿勢は大問題です。
 教育は未来への投資であり、行政がきちんと責任を果たすべきものです。大胡幼稚園の存続と、公立幼稚園の統廃合方針の撤回を求めて頑張ります。
(小林久子議員談)

保護者の声
公立幼稚園は絶対必要

★統廃合は反対です。子育てを通して地域の人やママたちとつながっていたい。統廃合で地域のつながりがなくなったら子育てにもマイナスです。(大胡東幼稚園保護者)
★旧市内に公立幼稚園が一つしかないので、わかみや幼稚園に通えず大胡幼稚園に通わせている保護者もいます。統廃合すれば定員も削減され希望しても入れないのでは困ります。(大胡幼稚園保護者)
★宮城地域は地区外からの入園児はもともと少ないのに、定員をほかの園と同規模にしたこと事態がおかしいです。費用も安く安心して預けられる公立幼稚園は絶対必要です。(宮城幼稚園保護者)

幼保一体化というけれど?
どう見る?修正・保育「新システム法案」


 今、民主、自民、公明の3党による、修正「こども子育て新システム法案」が参議院で協議中ですが、全国の保護者・保育団体がこの廃案を求めています。(群馬県の保育団体も決議をあげる)幼稚園と保育所を一体化して、定員に余裕のある幼稚園を活用して待機児解消をすすめようとした「総合こども園」は取り下げられました。

  こどもの命がきちんと守られてこそ 

機能も役割も違う二つを一体化することや、禁止されてきた幼稚園への企業参入を認めようとしたことに反対の声があがったからです。儲け優先の企業の参入を許せば、保育中の死亡事故など、子どもたちの命が脅かされかねません。
 しかし修正案は「認定こども園」の拡充は進めるとしています。これは新システムの原型といえるもので、保護者が施設に直接申し込む、保育料も自由に園が決めるもので、保育や教育条件の低下や、格差が生まれる懸念が強くあります。
  
 こどもの豊かな成長が父母の願い 

父母が待機児解消で望む施策は、保育所(0〜5歳児)の増設57.8%、同(0〜2歳児)39%が多数で、幼保一体施設は28.5%にとどまります。しかも父母の9割は、今後も短時間の幼児教育を求める人と長時間の保育を求める人との「ニーズの違い」が残ると考えています。(第一生命経済研究所)
 幼稚園と保育所、それぞれの良さを生かし、どこでも豊かな成長が保障される条件作り、保育料の軽減を進めることが父母の願いにこたえる方向です。


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