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議員団紹介 小林久子 議員

2015年3月議会市民経済常任委員会 ?豚流行性下痢?米価暴落?雪害による農家への支援状況?企業誘致条例(2015.3)【2015/10/2】

1、豚流行性下痢(PED)の発生状況と対策
?発生状況
子豚が発症すると死亡する率が高い豚流行性下痢が2013年10月に日本国内で発生が確認され、昨年8月までに38道県817農場で発生し、昨年9月から今年3月8日までに24都道県153農場で確認されています。県内でも昨年4月の流行開始以降は各地で発生し、いったん収束したかに見えましたが、本市では、昨年12月26日に続き、3月3日に発生し、大胡宮城地区を特別防疫対策地域に指定。その後粕川地区を追加指定しています。再び流行するのではないかと懸念されています。そこで、現時点での県内及び市内での発生状況について伺います
 
答 県内95例 市内42例

?農家への支援
3月3日の新聞報道によると、県内では約11万3千頭が発症し、4万頭が死亡しました。これは、全国の都道府県の中でも、発症数は4位、死亡数は5位と高くなっています。また、県内養豚場で1か所が豚流行性下痢を理由に廃業したということです。
ウイルスは一度沈静化しても、養豚場内に常在化し、再発する恐れがあるということで、農家の皆さんは打つ手がわからないと不安を抱えています。市はこうした市内養豚農家に対して、どの様な支援策を講じているのか伺います。
 
 
?防疫対策
鹿児島県は、発症数が約三十一万頭、死亡が約七万頭を超えいずれも全国最多となっており、昨年の冬に感染した農場で再発し、同じ母豚が再感染するケースもあるようです。前回の流行期、地域ではワクチン接種や農場の消毒などできる限りのことをしたが、それでも、ほとんどの農場で発生したつらい経過があり、長引くウイルスとのたたかいが農家経営を脅かしているということです。そこで本市における被害をできるだけ抑えるための有効な防疫対策について伺います。

2、米価暴落対策
日本農業の柱である米は生産者米価の大暴落で、政府が育成してきた担い手でさえ生産を続けられるかどうかの瀬戸際に立たされています。

?市内東部地域で個人で130aの水田でコメ作りをしている農家の方は、今年はあさひのゆめを作付し80aからとれた3436?を農協に出荷しましたが、30万円も手元に来なかった「こんな価格て゛は、やっていけない」と怒りの声が上がっています。本市も家族農業から集落営農組織などの大規模化を進めてきました。その中で本市の稲作農家戸数ですが、2008年のわが党の長谷川議員の質問に対して水稲作付農家戸数が約6900戸、このうち販売農家は4250戸と答えていますが、現在の前橋市の稲作農家戸数、販売農家戸数、経営体数を伺います。

答弁 生産者3907戸 販売農家戸数3126戸 集落営農法人46

?今年の生産者が受け取る米価の目安となる農協の「概算金」は、全国的に1万円(60キロ)を割りこみ、東北主要銘柄が8000円台、その他は7000円台まで下落。前年より3000円前後も下回り、米の生産にかかる費用=1万6000円(2010年産)の半分程度となっています。
直接払い交付金の半減と米価下落補てん給付金の廃止で、農家は米作っても飯食えないと農家の落胆と怒りが広がっています。高崎市では、大規模化、法人化すれば儲かるという政府の農政のもとで大規模化したが、米価暴落による大幅な減収で、肥料代や農機具代を払うのも厳しい状況で、展望が持てず自ら命立つ人が出るほど深刻です。
こうした集落営農など大規模経営体などが、より米暴落の影響をまともに受けています。本市稲作農家への影響についてどう受け止めていますか。


?収入減少農家や集落営農組織への今後の支援策

「米直接支払交付金」の半減と4年後の全廃措置を安倍政権が実施したことで、経営の見通しが立たず、すべての農家や経営体は今後のコメ作りをどう進めるのか、販路をどうするのか飼料米や備蓄米、加工用米はどうかなど模索しており、来年の作付けの見通しがたたないと大変深刻です。何も手をうたなければ、大規模農家を含め雪崩を打つような離農をもたらし、食料自給率のいっそうの低下を招くことになります。今収入減少で落ち込む農家や、大規模経営体を励ます支援策が必要と考えます。基幹産業ともいえる前橋の農業の未来を守るこの立場に立たなくてはと思います。農家の皆さんがコメを作りたいと思える支援策が必要と思いますが、見解を伺います。

●国は農家収入が平年以下に落ち込んだ場合に減収の最大9割を積立金から払うナラシ対策を実施するが支払いは5から6月なので、その間の資金繰りを緊急支援する(農林漁業セーフティネット資金)を実施していますが、厳しさにかわりありません。
茨城県とJAが協力して「米価下落緊急経営安定資金」として平成26年度米1俵2000円を無利子で融資。JAぎふ米価下落農家への負担軽減へJAに出荷した4000人を対象に総額1億1千万円の緊急支援を行う。JAあきた、小松市、岩手中央なども1俵500円〜1000円を交付する。東成瀬村1100円補助を行うなど、農家の窮状を少しでも支援したいとこのような動きも全国ではあります。それだけ深刻だということです。

?生産費前提にした米の所得補償策
米を作るのにかかるコストは、農水省の調査では、全参入生産費は1俵60キロ1万6236円かかります。農家は生産費の半値、物財費を割り込む価格で米を出荷することになるのです。この低い米価に加え、政府は今年から米の直接支払交付金を10アール当たり7500円に半減させ、米価下落補てん給付金も廃止しました。規模拡大してきた農家ほど深刻な打撃をこうむり、まさに、日本のコメと農業の危機です。
 米価がどれほど安いのかですが、ペットボトル500ミリリットルの水は110〜120円で売られています。コメをペットボトルに入れると403グラムでこれを概算金に当てはめると、8000円のコメは54円、7000円のコメは47円、日本一高い魚沼産コシヒカリでさえ95円にしかなりません。大量の水を使って、種まき、田植え、肥料、草取りなど半年手間暇かけて収穫するコメが水より安い。こんなことが許されるでしょうか。
店頭では5キロ、1300〜1400円で安く販売されています。1キロ300円以下で、これを茶碗一杯のごはんにすれば20円以下です。国民の命をつなぐ米をこんなに粗末に扱っていいのでしょうか。このような価格が続き、米を作る人がいなくなったらどうするのか。コメの価格は生産費を前提に決めるべきではないでしょうか。米の所得補償を国に求めるべきです。見解を伺います。

●安倍政権は農業や食の安全を壊すTPPへの参加を積極的に進め、家族経営を基本にしてきた、農地や農協などの制度を岩盤規制と呼び撤廃緩和をすすめていることが現役の農業者や農業を志す人たちの希望まで奪っています。
40年以上続いた減反政策を廃止し、民間企業が農業に参入する道ひらき、家族農業を否定し企業や、企業的経営が農業の8割を担う農政改革に踏み出すとしています。
このような農政のもとでは日本のコメや農業を、そして国民の食糧を守ることはできません。
農家が再生産できる価格が保障され、日本のコメ生産が守られるそのような農政への転換こそ求められています。

3、雪害による農家への支援状況 
?現在までの助成金の支払い状況  
昨年2月の大雪により、農業用ハウス畜舎などが倒壊し、農業用ハウスだけでも被害農家は926件、98.6? 被害は68%と甚大な被害を受けました。また、4月の説明会には1079戸が支援を必要としていましたが、高齢により、あきらめたり、書類の不備など、条件を満たさないなどにより、最終的には668人が交付金の支払い対象と成りました。12月5日交付決定し、補助金53億3000万円の支払いがようやく、12月下旬から始まりました。
現在の助成金の支払い状況をお聞きします。

●3月12日現在 352件6億4000万円

?撤去は年度内に完了しないと助成金が交付されないということですが、事業者などの都合でやむおえず撤去が完了しない、という場合も考えられます。このようなことが想定される農家はあるのか。また、交付対象から外れた農家への独自の支援が必要と考えますが。いかがか。

?総括質問では、新年度に繰り越し申請した助成金は37億4626万円70,6%ということでしたが、繰り越した助成金の交付についは、速やかに交付すべき思いますが、今後の交付スケジュールについて伺います。また、再建についても交付期限は1年間となっているが、この期間に完了しないことが予想される場合については、どの様な対応を取るのか伺います。


4企業誘致条例(2000?の土地1000?の建物、固定資産税5000万円以上)

?今迄の実績
H14に企業誘致条例が制定され、今回改正が行われます。条例の対象とする企業は旧前橋工業団地造成組合から継承した土地、ローズタウンF地区、亀里地区、多田山産業団地に立地する企業です。
企業誘致条例制定後から現在までこの条例の優遇措置により助成金を出した企業数とその総額について伺います。うち県外企業数は何社あるのか伺います。
また、6種類の助成制度がありますが、施設設置助成金、事業促進助成金、雇用促進助成金、緑地設置助成金、水道料金助成金、用地取得助成金についてそれぞれ今まで助成した件数と金額についてお聞きします。
 
?雇用創出の数
新規雇用の定義として、常時使用する従業員であって、雇用保険法第4条第1項に規定する被保険者であって、指定事業者と雇用関係にあるものを雇用することとしています。雇用促進助成金の対象は本市民を1年以上新規雇用した場合1人に月10万、200万円までとしています。この間の進出企業において、どれだけ市民の雇用創出が図られたかお聞きします。

●この企業誘致条例は、平成14年に制定され、その時は本市に企業を誘致することとうたわれていましたが、2013年3月条例改正し、市外企業と同様の優遇措置を市内企業が受けられるようにするとともに、工業団地内の空き工場に進出した際にも条例の適用が受けられるように改正しました。


?今回2点について条例改正を行っていますが、一つは、埋蔵文化財の発掘調査の助成金を設けること、2つは事業廃止した場合の優遇措置の取り消し期間6年を10年に延長することです。現行でも6種類もの助成をしていますが、さらに助成メニューを加えるものです。それぞれ改正の理由について伺います。

?企業誘致条例の廃止を含めた見直しを

企業誘致により、本市経済に一定の恩恵を受けてきた部分はあると思いますが、今後も企業頼みでよいのでしょうか。都市間の呼び込み合戦で競争をさらに過熱させるのでしょうか。全国では、税金をつぎ込んでも雇用増にはつながらず、企業の撤退や破たんするケースが少なからずあります。
三重県亀山市のシャープ亀山工場の撤退が企業誘致競争の顛末として象徴的です。三重県と亀山市が合わせて135億円もの補助金を出したけれども結果として工場が撤退しうまくいかなかった。産業の空洞化や産地の崩壊を招いたのです。これが実態です。
本市では中小企業振興基本条例を制定し、また、国においては昨年8月小規模企業振興基本法が制定され、小規模事業者への支援を打ち出しています。
地域経済を元気にするには、企業さえ呼び込めばその波及効果で地域が栄えるという、他力本願の考えを改め、地元で懸命に頑張っている中小企業、小規模事業者に光を当てて応援し、技術力を育て、伸ばしていくこと。何よりも地域経済の主役は市内中小企業、業者、農家、起用同組合など、地域に根差した人たちです。行政がここと連携して地域づくりを行うこと。前橋市の地域資源を生かし、市内で仕事とお金が循環する前橋独自の産業振興策を構築していく。このことに力を入れるべきだと思います。
よって、資本力のある大企業を優遇する企業誘致条例は廃止すべきです。市内中小企業に対しては今ある支援策や新たに条例を定めるなどで対応できると考えますが、見解を伺います。

●本市でも過去に誘致した東芝機器、ダイハツ車体、ビクターなどの大企業が大企業の都合で撤退して、1社で1,000人規模の雇用が一挙に喪失するという事態を経験しております。
アメリカでは、進出企業が現地の企業から一定率の原材料等の調達をすることを求めたり、企業の勝手な工場閉鎖を認めないなど、企業の社会的責任を果たすことや地域貢献を厳しく規定する法律があります。
企業誘致条例には、優遇措置の取り消しについてしめされていますが、安定した雇用を確保する方針や企業の撤退への歯止めなど明確に示されていません。これでは長期的な地元企業の仕事作りとか安定した雇用を確保することにはつながりません。 
  企業誘致頼みから脱却し、市内企業を育て伸ばし、それによって雇用と消費をふやす内発型、循環型の地域産業振興策、雇用対策への転換を強く打ち出すべきです。


5、へい獣処理工場の悪臭対策

(1)新年度予算に悪臭防止調査事業135万円が計上されていますが、この調査個所と調査内容など事業の概要をお聞きします。

(2)改善勧告後の対応
荒口町にありますへい獣処理工場の悪臭について、近隣住民は長年にわたり、工場から発生する悪臭に苦しめられてきました。この工場は主に家畜などの死体を処理し、肥料や飼料、油脂などを製造しています。2004年から悪臭防止法に基づく、臭気指数による規制へ変わり、工場の敷地境界や気体排出口などから出る臭気を測定しています。この工場に対して過去12回の臭気測定を行い11回が基準値を超え、警告書による指導を8回行ってきましたがまったく改善されませんでした。そこで2009,4 2010.3 2010.9と法的拘束力の強い、改善勧告を3回行い、会社側の対応を求めてきました。
3回目の改善勧告が2010年9月ですから、まる4年が経過し、昨年10月ようやく施設改修が終了したとお聞きしました。私が2012年12月に総括質問したときの答弁では、脱臭装置を導入し、現在は脱臭装置の機能強化及び安定化を図っているという答弁でしたが、それからさらに、2年が経過しています。なぜ、このように勧告から4年もかかったのか、その理由についてお聞きします。

●改善を図っていることは評価いたしますが、行政の指導による改善勧告ですから、設置者に対し期限を定めて、悪臭の防止方法の改善を命ずるとするものです。期限については定めなかったのですか

(3)施設改修後の臭気指数調査結果
施設改修を受けて、11月に改めて臭気指数調査を実施したとのことですが、その測定結果についてお聞きします。


(4)今後の改善指導 
このへい獣処理工場は現地に1971年の創業ですから、施設も老朽化してきており、さらに施設改善が求められると思います。今後についても、定期的な監視や立ち入り調査、臭気測定を行っていくことが必要であり、抜本的な施設改修も必要ではないかと思いますが。今後の対応を伺います。

●周辺住民の方たちは本当に長い間悪臭に苦しめられてきました。もっと早い対策が講じられるべきだったと思います。悪臭防止法による立ち入りが検査定期的に行われ、県と市で、協議会まで開いて、対応しているのですから、もう一歩踏み込んで、施設の老朽化をしっかり受け止めて、ぜひ抜本的な施設改修を行うよう指導していただきたいと思います。

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