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議員団紹介 近藤よしえ 議員

2017年第1回定例議会市民経済常任委員会(1、コメの所得補償・価格保証について2、有害鳥獣対策について3、平和行政について4、環境問題について)【2017/3/21】

1、コメの所得補償・価格保証について
●全国的には平成27年つまり2015年の農業産出額に占めるコメの産出額の割合は約17%弱で、過去において1956年に主食に占めるコメの割合は50%以下になり、1960年代後半での生産額は1400万トン。2015年には800万トン〜850万トンと減少しています。その大きな原因の一つは生産調整つまり減反政策にあると考えます。主食に占める割合が減ったとはいえコメは消費者の食生活の20%強をささえているのです。
本市の農業総産出額及び生産農業所得統計から農業所得はいくらになっていますか。さらに、本市の農業産出額のうち、コメの産出額の割合について平成18年つまり2006年といちばん直近の数値を伺います。

答弁
農業所得は平成18年市町村別統計を取っていた時点での把握ですが、113億1千万円。農業産出額に占めるコメ産出額の割合は平成18年(2006年)が6・7%平成26年(2014年)が4・3%です。

●とくに米の産出額が(2・4%)も減少し
2013年度米の「直接支払い交付金」10アール当り1万5000円が前橋市に2億6684万1000円、2014年産米から半額の7500円の前橋市の実績が1億2779万1750円、2016年度実績推計1億803万6000円で2018年度に廃止となることについて、大きな影響となります。
これだけの収入が市民のふところから奪われることになります。景気対策、地域経済に対する影響もすでに反映されているのではないでしょうか。また、米価下落対策の「米価変動交付金」が来年産米から廃止となります。下落の影響は小規模な農家ほど影響受けることになると考えますが本市の影響をどのように認識しているのか。

●対策と国への働きかけ
今、コメの生産農家で自家消費米として作っている農家やそれ以外に出荷している農家も多くを占め、農業産出額に占める割合は少ないけれど重要なものです。稲作は国土の保全と多面的な機能と役割を果たす他に変わることのできないかけがえのないものです。コメ作りは高齢化により手間のかからない作りやすい作物としても農家にとって大切なものです。消費者も安心安全なコメを求めています。安定して継続できるように支援する本市としての対策について伺います。
さらに、農家が安心して農業を続け、農村に住み続けられるようにするためには、安定した米生産への支援が何よりも重要であり、そのカギは米の価格保証です。主食である米の需給と価格の安定は国が責任を果たすべきではありませんか。価格保障・所得補償制度を抜本的に充実することが求められます。国に改めて求めるべきではないか。

結論
コメを作っても赤字になるから米を作らなくなり耕作放棄地になっていく事態に歯止めをかけ、本市が農業の基幹産業であるという認識をしっかりと持ち、支援すべきです。
2、有害鳥獣対策について

●新年度の予算の内容
野生鳥獣による農業被害は増加をつづけ、収穫時に被害を受けると、農業意欲の減退や耕作放棄地の拡大につながり、対策の強化が求められます。本市の中山間地である宮城地区などでは農業が盛んですが、度重なるシカ、イノシシ、クマによる作物の被害にあい、耕作をあきらめたとの声も寄せられています。この間も本市では取り組みの強化を行っていますが、新年度の予算の内容と新たに取り組む施策についても伺います。
●昨年12月特措法の改正の反映
昨年12月に国会で議員立法によって全会一致で特措法が改正されました。その内容は、鳥獣の捕獲等に従事する猟銃免許所有者の減少に歯止めをかけるため、免許更新の際、義務付けられている技能講習の免除措置を延長することなどを盛り込んだものですが本市における具体的に反映している内容について伺います。
●防護柵の実施に係る経費についての拡充
本市では防護柵の設置については2戸以上の農家を対象に集団で有害鳥獣対策を実施しています。地域が共同で行う意義は大きいと考えますし、そのための支援に努力してきたことも評価しています。その上に立って、なかなか共同できない地域や農家は具体的な手立てを打てないという課題も抱えています。そこで、群馬県内や全国の中でも市の単独事業として集団での取り組みと同時に1戸の農家でも実施できるように補助をしています。たとえば、中之条町では1戸の農家でも防護柵の設置に対して設置費用の50%を補助しています。さらに、町役場で防護柵や網を取り扱っていますし、折に貸し出しなどきめ細かい支援を実施しています。本市として1戸の農家の防護柵設置に対しても対象にする施策の拡充を行うべきと考えますがいかがでしょうか。

反論
有害鳥獣対策は深刻さを増しています。より対策の強化になる施策は拡充すべきです。有害鳥獣による被害は農業経営への意欲を減退させ、耕作放棄地を拡大する原因ともなっているものであり、本市としてのきめ細かい支援を求めます。さらに、県・国に対しても1戸の農家からの防護柵への助成をするように求めていただきたい。


3、平和行政について
●平和資料館の設置に考え
本市は前橋空襲で多くの命を落とした戦争の歴史があり、昨年は前橋空襲を風化させないための市民ミュージカルを今年も上演するなどの努力があります。市民への啓発を強め、戦争を2度とくりかえさないための取り組みが求められます。
前橋空襲など戦争体験者も第2次世界大戦から70年以上を経て、歴史の証言者も多くの方が亡くなっています。貴重な資料も散逸しています。今、多くの市民が願っているのは市民の平和学習の拠点施設ともなり、戦争と平和にかかわる資料、書籍、映像が保存され、子供たちや青少年、市民がいつでも閲覧できる平和資料館の建設であると考えます。市長は市民団体の方々に対して、北口駅前開発ビル内に設置する旨の発言をしていますが具体的な構想が進められているのでしょうか。今この時期にこそ設置すべきと考えますがいかがか。

反論
平和資料館は立派な施設を新たに建設をするようにと、求めているのではありません。場合によっては、既存の市の施設の中でも設置できるものであり、行政の姿勢があるかないかが問われているのではないでしょうか。先の戦争の惨禍が人々の記憶から風化されようとしているいまこそ、平和の尊さを次の世代へと語りつぎ平和な社会への発展に貢献する拠点を直ちに設置すべきです。

●核兵器廃絶の推進に向け、中学生等の被爆地への派遣
今年度は職員2名が広島の平和式典に参加して意義あるものになったと聞いておりますが、未来を担う中学生や高校生の代表を平和式典に参加させ、市民ミュージカルの取り組みなど市民参加型の平和行政を決して一過性にせず、今後もしっかりと発展させていく必要があると考えますがいかがか。

●「核兵器廃絶平和都市宣言」の看板を新設し、市民啓発を強めることについて。
本市は核兵器平和都市宣言をしていながら、過去において設置した宣言等は老朽化したとして撤去し、残っているのは城南支所だけとなっています「核兵器廃絶平和都市宣言」している自治体では市民啓発に力を入れて必ず設置されています。お隣の高崎市、伊勢崎市などどこの自治体でも設置しています。本市でも、市役所正面に設置すべきですいかが。

結論
平和式典に職員を派遣したことは1歩前進ですが、平和行政への位置づけと予算化があまりにも弱すぎます。また、市民団体が核兵器廃絶を求めて北海道から広島長崎に向けて平和行進を行い県内の自治体の役所で激励挨拶をいただいていますが他市では市長を先頭に激励に来ていただいています。100人を超え、200人もの市民や県民が毎年平和を願う行事に参加しながら、本市では山本市長みずから挨拶していただいたことはありません。こうした行事も大事にして、平和行政をしっかりと位置づけるべきです。

4、環境問題について
一、木質火力発電所の放射能汚染問題
この件については総括質問もさせていただきました。この施設建設については地元の住民をはじめ前橋市民、県内の方々など約13000名もの施設の中止を求める署名が集まっており、市長に提出されています。施設の地元宮城地区の多くの方々が不安をかかえ心配していることをまず申し上げます。

(1)燃料について
@新たな貯木場の建設問題
●今年度、トーセンが群馬県に申請していた県内2か所に設置予定の燃料用木材集積場整備補助金4500万円つまり貯木場設置費用については用地契約ができないなどの理由により中止になっています。そこで、今問題となっているのが、工事中の大規模火力発電所の隣接地である北西の広大な空き地に新たに貯木場整備をするのかという問題です。一昨年の10月17日に事業者である関電工の説明会での回答は、この場所には設置しないというものでした。ところが、今年の2月20日に前橋警察署に出された道路使用許可によると前橋バイオマス発電所工事のうち貯木場整備工事と記載されています。貯木場については、市に対しては事業者所有の土地であれば他の許可は求めないということですが、該当する土地について土砂条例に基づく許可申請が出されているますのでその内容について伺います。

●仮に約4ヘクタールもの土地に新たに貯木場を設置するとしたら、膨大な量の丸太などが大型トラックで運ばれ、騒音・振動・交通の危険性などさらなる周辺住民への被害が発生します。だからこそ、該当の場所には整備させない約束になっていました。関電工の担当者は整備予定はないと回答していますので、本市として説明を求め約束通り整備しないことを確認していただきたいがいかがか。

A燃料調達について
総括質問で答弁いただきましたが、伐採は森林組合や森林所有者が行うので計画段階から把握するのは困難。当局は林野庁の証明書を受理できる、産地については確認できる、群馬県の林業振興課は確保できると言っている。と答弁して、結局のところ事業者に事前に求めないと回答しました。しかし、繰り返し申し上げていますが、燃料調達を行うのは前橋バイオマス発電つまりトーセンなんですよ。林野庁の「木質バイオマス発電・証明ガイドラインによりますと除染事業により生じた木材は発電事業に適用されます」と規定しています。放射性物質の汚染が高い地域から調達するのかどうかというのは最も入り口で重大な問題です。日本学術会議の農業委員会林学分科会によれば、森林の放射能汚染の影響は長い年月続くしかし、森林については除染をしない方針です。だから、前橋バイオマス燃料つまりトーセンに求めるべきと聞いているのですがいかがですか。

(2)地下浸透・汚染問題についてです

●総括質問に続いて、もう一度確認しますが、発電機からの日量最大280トンの排水からは放射性物質は出ないと、事業者も市も考えているということでよいのですね。

●次に燃料の製材端材を油圧機にかけて絞ったしぼり汁は日量最大45トンの廃液についてですが、事業者は廃液に放射性物質は出ないと報告している。ということでよいのですね。ですので、市としては、放射性物質が検出したら立ち入り検査する、出ないように求めるということでよいのですね。

●本市としては放射性物質は出る可能性があると考えているとの答弁でしたが、これは原発施設の基準と同じ1リットル当たりセシウム134は60ベクレル以下セシウム137は90ベクレル以下にするというもので放射能濃度の高い値です。
さらに、事業者の説明で重大であるのは、毎日排水する発電機からの280トンと廃液45トンと生活排水1トン合わせて最大326トンの廃液を合流させて長さ500mという長い長い排水溝を事業所の敷地内に整備して地下浸透させていくと説明しています。地下水への汚染防止策を本市としてどのように考えているのか。

●また、排水溝に流された廃液が地下浸透させるために汚泥となって大量に蓄積されるのではないでしょうか。原発事故後の本市の下水排水施設の汚泥に放射性物質が集まったことによって、高い放射線量が測定されました。このように放射性物質が蓄積されれば高い放射線量が測定される危険性がありますが、事業者の環境配慮計画では排水溝に蓄積される汚泥について測定するとはなっていません。本市として測定を求めるべきではないか。
●さらに、500mもの排水溝を整備するということは大量の廃液が発生し、すぐには地下浸透しないことをも意味しています。また、排水溝の清掃を頻繁に行うことが求められます。年月がたてば汚染物質が蓄積して流れにくくなります。そうなると、ゲリラ豪雨が頻繁に起きている気象状況から敷地内の廃液が住宅団地や国道353号さらには下の住宅地域に大量流出する可能性も高いものと考えますが、敷地内からの流出をさせない防護策を求めるべきではないか。

(3)空気中への排ガスの拡散と放射性物質の拡散
●総括質問での答弁によりますと本市の認識として清掃工場での震災瓦礫の焼却や原発直後の実績から、バグフィルターで補足できるので放射性物質は検出されないと考えているのか。

●しかし、事業者は排ガス中の1立方メートル当たりの50ベクレルという自主管理基準を示しています、これも原発施設に適用している基準を認めるのではなく放射性物質は不検出にするように求めるべきではないか。

(4)焼却灰の問題
●総括質問での答弁では、環境配慮計画書による自主管理基準の焼却灰は8000ベクレルを守ると答弁しているのでその基準を守るように求めると言っておりますが、事業者は管理基準値は1キログラム当たり3000ベクレルまでと報告しているのではないか。

●3000ベクレルでも基準値が高すぎます。放射性物質による危険性の認識が弱すぎると考えます。本市のたとえば昨年度の六供清掃工場での放射性物質の測定値は最も濃度が高い飛灰の値でも1キログラム当たり202〜392ベクレル、同じく六供清掃工場で原発事故後の放射性物質の測定は平成24年度から実施していますが、その最も高い値の飛灰で4030ベクレル翌年の平成25年度は最大で1304ベクレルです。このように比較した数値で見てもいかに、事業者が示す値が高いか明らかであり、昨年度の六供清掃工場での放射性物質の測定値まで基準を下げるように求めるべきではないか。

(5)住民意思の尊重
@総括質問でも事業者の誠意のない態度について申し上げましたが、今回の貯木場整備についても説明がありません。この間事業者との懇談会は7回行われてきましたが、事業内容について詳細な説明がないまま今後の集団での懇談会は事業者側から一方的に実施しないと言っております。「赤城山の自然と環境を守る会」の皆さんらは不十分なせつめいのまま事業を進めさせるべきではありません。環境問題に対するさまざまな懸念がありますので、市と事業者と住民と3者での懇談をすべきと考えますがいかがか。

A覚書についての考え方
●このまま、推移すると施設は稼働するが住民の疑念や不安は払拭されないまま、何の約束も具体的な書面もなくスタートすることになりかねません。住民も求めている覚書を市と事業者と住民と3者でかわす必要があると考えますがいかがか。

●具体的な構想や時期についてはどのように考えているのか。

結論
歴史的に見ても放射能汚染の問題は,環境行政から除外されてきました。しかし、福島原発の過酷事故を受けて、健康被害が重大であると認識されたのではないでしょうか。本市の環境行政が正面から取り組むべき重要な課題です。
この事業では年間8万トンもの燃料をどこから調達するのか、空気中の放射性物質の拡散や地下浸透などに対する明確な説明がないため、不安と疑念が次々に持たれています。事業者の自主管理基準も放射性物質の数値が高すぎます。原発施設と同じ基準で管理すること自体が認められるものではありません。このような事業では市民の命も健康も守れないと住民の皆さんは不安を募らせています。住民が頼りにするのは行政以外にはありません。ぜひ市民の安心安全を守っていただくために全力を尽くしていただくように求めておきます。

※市当局は大規模な木質バイオマス発電については全国で稼働している。福島でも稼働していると答弁されていますが、福島県の会津では燃料調達に問題があり、現在は東南アジアから燃料効率の良いパームヤシがらを燃やしていると、地元の方から聞いております。また、燃料の木の調達において山から切り出し、搬出する経費が高いために、海岸線沿いの発電施設では同じくパームヤシがらを使っているようです。九州地方では発電施設が乱立しているために、燃料調達が困難になっているとも聞いています、小規模な熱利用がバイオマス発電の基本です。

(2)前工跡地の土壌汚染問題
●汚染に対する認識
前工跡地の土壌汚染については、この土地にベイシアがすでに出店し18日から営業しており、新たな展開になっています。しかし、今問題になっている東京都の豊洲市場でも問われていますが、食品を扱う施設を出店する以上、土壌対策法に合致しているとはいえ、安全安心であると言い切れるのか疑問が残ります。そこで本市の見解を伺います。

●今後の監視・監督
私たちは10年後、20年後の市民の健康が脅かされかねない重大な問題の先送りであり、完全浄化をすべきと求めてきました。現在も環境基準を大幅に超える2.6倍の六価クロム、360倍の鉛、20倍の水銀、6.8倍のヒ素、3倍のフッ素などの重金属で、物質によっては水に溶けやすく、人体に影響を及ぼす有害物質です。
ベイシアの駐車場の一部には今後出店する予定の区画はまだアスファルト舗装されず、土のままの状態です。雨水の浸透で有害物質が流出しないのか、土のままの状態でよいのかと市民から疑問と不安の声が寄せられていますがいかがですか。
本市は過去においての答弁で、飲み水としての利用がないことを確認し、地域内に3カ所の新しい水質調査の井戸を設置しまして調査を行いましたと、述べていますが今後の調査監視をどのように実施していくのか伺います。

結論
しっかり監視して、市民への健康被害が及ばないように改めて求めておきます。


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