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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

2021年第4回定例会  意見書6案を提出

2021年第4回定例会で、日本共産党前橋市議団は国への6つの意見書案を議会に提出しました。いずれも市民の皆さんから寄せられた切実な願いです。成立目指して全力を尽くします。

原油価格の高騰対策を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団

コロナ禍の下で起きている原油の急激な高騰は、燃料代はもとより石油製品など原材料費や穀物価格の高騰とも相まって、食料品から日常生活用品に至るまで価格上昇を招き、消費者物価全般へ波及して、国民生活のあらゆる面で深刻な影響をもたらしている。

 自家用車の保有台数が全国トップレベルの本県においては、ガソリンの高騰が家計の困難に直結している。また、燃料がコストの中で多くを占める運輸業や石油関連の各種資材が高騰している建設業などが経営の危機にあえいでいる。

ハウス農家は重油燃料の高騰で経営危機に立たされており、肥料や飼料や多くの農業資材価格の高騰が、農業経営全体を圧迫している。

よって、国は、国民生活の安定と地域経済を守るために、下記事項のとおり、原油価格の高騰に対するさまざまな助成策の実施など抜本対策を早急に講じることを強く求めるものである。

  1. 生活保護世帯や低所得世帯、ひとり親世帯、高齢者世帯、障害者世帯等への福祉灯油制度を実施する。
  2. 農業経営者や中小事業者に対する燃料費助成制度を創設し実施する。
  3. 学校、保育所、学童保育施設、民間福祉施設等の暖房費への助成を実施する。
  4. バス・タクシー・運送事業者に対する支援策を講ずる。
  5. 地方公共団体の自主的な取り組みに対し、特別交付税などの地方財政措置を充実する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


温室効果ガス排出削減目標の引き上げと石炭火力廃止の決断を求める意見書(案)

                         日本共産党前橋市議団

2021年11月13日、英国で開かれていた国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は石炭火力発電の段階的削減の加速や、各国の温室効果ガス排出削減目標の強化を各国に呼びかけた成果文書「グラスゴー気候合意」を採択し、閉幕した。
  文書は、温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」を念頭に「世界の平均気温の上昇を産業革命前より1.5度に抑える努力を追求すると決意」と明記。各国の2030年までの排出削減目標に関し「来年末までに必要に応じて検証し、さらに強化するよう要請する」とした。
 これに対し、日本の排出削減目標は30年度に10年度比42%減と、世界平均を大きく下回っている。岸田首相は同会議の中で、排出削減目標の上積みを表明せず、石炭火力についても国内での削減、廃止に言及しなかったことで、日本は各国から批判を浴び、化石賞という不名誉な賞を与えられた。
  政府の第6次エネルギー基本計画は、今後、石炭火力発電所を9か所新増設する計画で、30年度の発電量の19%を石炭火力に依存し、20~22%を原発でまかなう計画である。岸田首相はアジアで石炭火力事業を展開するとも述べている。
  二酸化炭素排出世界5位の日本が、今後も石炭火力に依存し続け、脱炭素に責任を果たさないことは許されるものではない。
  日本のエネルギー消費を省エネルギーで4割減らし、再生可能エネルギーで電力の50%をまかなえば30年度までに二酸化炭素を10年度比で50~60%削減することが可能である。
 よって、政府は、ただちに温室効果ガスの排出削減目標の引き上げと石炭火力の廃止に踏み出すよう強く求めるものである。

以上 地方自治法第99号の規定により意見書を提出する。


政党助成金の廃止を求める意見書(案)

                             日本共産党前橋市議団

 今、国民から関心が寄せられている国会議員に支払われる文書通信交通滞在費について抜本的な見直しと使途の公表が求められている。これは清潔な政治と経費削減を求める国民の声である。同時に、この声にこたえるためには、政党に対する政治資金として支払われている政党助成金制度にメスを入れる必要がある。同制度が導入されて26年が経過しているが国民一人あたり250円、年間総額320億円が1国会議員当たりに換算すると月300万円年間4500万円が、憲法違反との立場から受け取りを拒否している日本共産党以外の政党に交付されている。

そもそも、政党助成金制度は、政財官を巻き込んだ大規模汚職事件リクルート事件や建設業界からの巨額の収賄など、企業団体献金が温床となった政治腐敗をなくすために創設されたものである。その際、「税金に過度の依存をしないことが必要」との議論があったが、現在では各政党本部が受け取っている政党助成金は政党運営資金の大半を占めているのが実態である。また、5人以上の国会議員を集めれば政党助成金を受け取れることから、理念も政策も抜きに、離合集散が繰り返されている。さらに、現在では企業団体献金についても、政治団体であれば認められており問題である。

政党助成金は税金でありながら、法律で「その使途を制限しない」ことが規定されており、河井元法相夫妻の選挙買収資金提供疑惑や高級料亭の飲食、親族会社への物品発注など国民への政治不信を広げその害悪は深刻である。

本来、政党の政治資金は自主的、自立的に賄われるべきものであり、国民の税金から政党が政治資金を分け取りすることは、支持していない政党に事実上の献金をするものであり、憲法が保障する思想信条の自由や政党支持の自由にも反する。

また、国会議員が身を削るというならば、衆参国会議員の6割に当たる約460人分の歳費に匹敵する政党助成金こそその対象にすべきである。

よって、国に対し政党助成金を廃止することを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


男女賃金格差の是正を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団

 ジェンダー平等社会を実現するため、男女賃金格差の解消は中心的課題である。

日本政府は、国連の女性差別撤廃委員会から「男女賃金格差の是正勧告」を繰り返し受けているにもかかわらず、実効性のある指導監督を行っていない。

 現在、正社員の女性の賃金は男性の7割であり、非正規を含む平均給与は男性532 万円に対し、女性293万円である。これは、40年働き続けた場合で約1億円もの格差となることを示している。

 その結果、年金でも大きな男女格差が生じ、定年まで働いても年金では暮らしていけない女性が少なくない。

 欧州連合では、男女の賃金格差の公表を企業に義務付けし、是正しない企業への罰金などを含む「EU指令案」を発表したが、日本では、企業に男女賃金格差の実態を公表させていない。

 労働法制の規制緩和が進むもとで女性の非正規雇用化が進み、働く女性の56%がパート、派遣、契約などの非正規雇用である。女性が多く働く保育や介護の分野では、その職責において高度な専門性が要求されているにも関わらず、平均給与は全産業平均の10万円も低くなっており、現場の人手不足を深刻にしている要因である。

 コロナ危機では、低賃金の不安定雇用で働く多くの女性が仕事を失った。生活苦や経済的な不安の高まりなど精神的に追い詰められ、女性の自殺は急増し、男性の5倍に達した。男女賃金格差の是正は、政府が本気で取り組むべき喫緊の課題である。

 よって国は、男女賃金格差の是正へ、下記の事項について取り組むよう強く求める。

1、企業に男女別平均賃金の公表、格差是正計画の策定及び公表を義務付け、是正計画が実行されるよう指導、監督を行うこと。

2、政府として、時給、職種、企業規模、地域ごとに男女賃金格差の実態を把握分析し、是正の行動計画を策定すること。

3、国が基準を定める保育や介護の賃上げと労働条件の改善、雇用の正規化に取り組むこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


敵基地攻撃能力保有の中止を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団

 岸田首相は就任後初の所信表明演説で、国家安保戦略、大綱、中期防を改定し、「さらなる効果的措置を含むミサイル防衛能力など防衛力の強化に果敢に取り組む」と宣言した。これを受け、内閣の国家安全保障会議は、「いわゆる敵基地攻撃能力の保有を含め、あらゆる選択肢を検討する」ことを確認している。
 政府は、集団的自衛権の行使を可能にした安保法制の成立を踏まえ、すでにステルス戦闘機を搭載できるようにする大型護衛艦の空母化や、巡航ミサイルの導入などを盛り込み、事実上の敵基地攻撃能力の保有を進めている。
  政府が敵基地攻撃能力を本格的に保有しようとすれば大軍拡は必至であり、現在の5兆3千億円に上る軍事費をGDP比2%以上の2倍に引き上げることを念頭においていることは重大である。
  憲法9条は、太平洋戦争の痛苦の反省に基づいて、戦力不保持・交戦権否認をさだめており、自衛隊が専守防衛の建前を投げ捨てて、米軍とともに海外の戦争で武力を行使し、敵基地を攻撃する能力を保有することは憲法理念の明白な逸脱である。軍事と軍事の対決は軍拡競争の悪循環を招き、不測の衝突などから破滅的な戦争を引き起こしかねない。
 よって、政府は、日本を「戦争する国」に引き戻すことにつながる敵基地攻撃能力の保有を中止するよう強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


辺野古新基地建設への沖縄戦戦没者の遺骨を含む土砂の埋立て中止を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団

現在、沖縄県名護市辺野古沖の大浦湾で建設が進められている米軍基地は、埋め立て海域に広範な軟弱地盤が見つかり、技術的にも完成の目途が立たない状況に直面している。2018年に埋め立て工事が始まったものの、2021年8月現在、必要な土砂搬入量の約8%に過ぎない。

この軟弱地盤を改良するため、政府は埋め立て用の土砂の採取候補地に沖縄本島南部を加える設計変更申請書を同県に提出し、同地域の土砂を使用した埋め立て工事が進められている。

同県南部は、一般住民を巻き込んだ悲惨な地上戦が行われた沖縄戦において最大の激戦地となり、とりわけ多くの貴い命が失われた地域である。

糸満市摩文仁の平和祈念公園内にある「平和の礎」には、国籍や軍人、民間人の区別なく、沖縄戦などで亡くなられた24万1593名の氏名が刻銘されている。同地域を中心に広がる南部地域は、1972年の本土復帰に伴い、戦争の悲惨さや命の貴さを認識し、戦没者の霊を慰めるために、自然公園法に基づき、戦跡としては我が国唯一の「沖縄戦跡国定公園」として指定されている。

同地域では、沖縄戦で犠牲を強いられた県民や命を落とされた兵士の遺骨が残されており、戦後76年が経過した現在も戦没者の遺骨収集が行われている。

アジア・太平洋戦争で亡くなられた人々の遺骨が入った土砂を埋立てに使用することは先祖への冒涜であり、人道上許されるものではない。

よって政府は、悲惨な沖縄戦の戦没者の遺骨等が混入した土砂の埋立てをただちに中止するよう強く求める。

以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。

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