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議会報告
REPORT

■2023年第1回定例会 3/2~29 長谷川議員・代表質問他

代表質問

8(水) 長谷川薫議員 質問原稿はこちらをご覧ください

総括質問

 10(金) 近藤好枝議員 
 14(火) 吉田直弘議員 
 14(火) 小林久子議員    

委員会質問

 17(金) 総務常任委員会 近藤議員 

 20(月) 教育福祉常任委員会 吉田議員 

 22(水) 市民経済常任委員会 長谷川議員 

 24(金) 建設水道常任委員会 小林議員

討論

 29(水)議案反対討論 近藤議員  討論原稿はこちら

市議団提出の意見書(案)

・国民の暮らしをこわす、大軍拡のための財源確保法案の撤回を求める意見書(案) 文案はこちら

・原発推進政策の撤回を求める意見書(案) 文案はこちら

・健康保険証を廃止しマイナンバーカードへ一本化する方針の撤回を求める意見書(案) 文案はこちら

・最低賃金を全国一律1,500円に引き上げ、中小企業支援の充実を求める意見書(案) 文案はこちら

・日本学術会議の独立性を奪う政府方針の撤回を求める意見書(案) 文案はこちら

・学校給食費の完全無料化の実施を求める意見書(案) 文案はこちら

 

 

代表質問 長谷川薫議員

1、市長の基本姿勢

(1)日米同盟の強化と大軍拡方針

始めに市長の基本姿勢について伺います。岸田政権は、日米同盟を強化し、「専守防衛」の原則も投げ捨てて、5年間で43兆円もの大軍拡を強行しようとしています。戦争が勃発し、相手国から米軍への攻撃があれば、日本が攻撃されていなくても、集団的自衛権を発動し自衛隊が長距離射程のミサイルなどで敵基地を先制攻撃することも政府は想定しています。そなれば、相手国の報復攻撃を受けて、日本が焦土と化し、国民が悲惨な戦争に巻きこまれます。
 いま日本に求められていることは、終わりのない軍拡競争を招く「抑止論」の立場ではなく、憲法9条を生かし、東南アジア諸国連合・ASEANと力を合わせて、国際紛争を話し合いで解決する平和外交です。今こそ市長は、平和を願う多くの市民の声に応えて、憲法を踏みにじる政府の大軍拡方針に反対し、撤回を求めるべきです。答弁を求めます。

(2)原発回帰方針

次に、政府は、原発の新規建設や60年を超える運転を認めるなど、新たな原発推進の基本方針を決定しました。12年前の東電福島第一原発事故以来、政府が表明してきた「可能な限り原発依存度を低減する、新増設はしない」という方針を180度転換したことは重大です。世界有数の地震国・津波国での危険性や、処分方法がない使用済み核燃料を増やし続ける原発回帰方針は国民への裏切り行為であります。気候危機打開に不可欠な省エネと再生可能エネルギーの普及・拡大の妨げにもなります。新たな「安全神話」をつくり、国民の命と安全、国土を危険にさらし続けることになる方針に明確に反対の声を上げるべきです。答弁を求めます。

(3)アベノミクスの固執

  次に、今、賃上げが進まない中での物価高騰が市民の暮らしを苦しめています。これはロシアのウクライナへの軍事侵攻による影響もありますが、最大の原因は政府が進めてきた日銀の異次元の金融緩和策・アベノミクスによる円安であります。

政府は日銀が国債を大量に買い入れてお金の供給を増やせば、物価が安定し賃金が上がり、経済に好循環が生まれると説明してきましたが、実際には大企業が過去最高の収益を上げ、内部留保を500兆円に増やし、株価が2倍に引き上がり、大株主が大もうけしただけです。一方、国民は賃金が上がらず、消費税増税、年金削減や医療介護の負担増などで貧困と格差が拡大しました。弱肉強食と自己責任を求める新自由主義を改め、大幅賃上げで内需を活発にして実体経済を立て直すことが必要です。

市長は、破綻が明らかなアベノミクスに固執する経済政策の転換を政府に求めるべきと考えます。答弁を求めます。

 

(4)新型コロナウイルス感染症対策の緩和

次に政府は、5月8日に季節性インフルエンザと同等の「5類」に引き下げると決定しました。5類になれば、行動制限や宿泊療養、入院調整や入院勧告などができなくなります。さらに公費負担の段階的縮小によって、ワクチン接種や入院・外来診療、検査などでの国民負担増が発生します。重症化予防薬のレムデシベルは3割負担でも11万円、ラゲブリオは3万円もかかります。新型インフルエンザの治療薬タミフルと比べると7倍~25倍も高い自己負担になります。外来の窓口負担も6000円、入院費用は最大約37万5000円になるとの試算もあります。検査や受診控えが広がれば、高齢者などの重症化リスクが拡大し、新たな感染拡大を抑止することもできません。  医療現場からは、「コロナに対応する医療機関を支える補助金の削減・廃止によって、今でも不十分な医療体制強化に逆行する。入院調整に行政が関わらなくなるため、入院先の確保が一層困難になるのではないか」など、強い懸念が相次いでいます。
  少なくない感染症の専門家は、コロナのオミクロン株は季節性インフルエンザより、はるかに強い感染力があり、致死率も約10倍以上で、季節を問わず年に何度も流行を繰り返す。さらに深刻な後遺症、簡易で有効な治療薬がないことなどを警告し、政府の拙速な緩和策に強い不安を示しています。
  前橋市内では、第8波でも高齢施設で多発した集団感染で、体力のない多くの高齢者が亡くなりました。

市長は、今後とも公的責任を後退させないように国に求めるとともに、前橋市は独自で感染状況の把握と医療提供体制の強化など、コロナ感染症から市民の健康と命を守るために全力を挙げるべきです。答弁を求めます。

2、新年度の主要施策について

(1)DX(デジタルトランスフォーメーション)推進の問題点

次に、新年度の主要施策についてです。政府は、官民が連携した「データ利活用」を成長戦略と位置づけ、情報システムの標準化など民間事業者が利活用しやすい仕組みづくりを自治体に強く求めてきました。
  行政から民間へデータを提供する「非識別加工情報」提供制度は、本人同意の必要がないばかりか、提供された事実が本人に通知されません。
 市保有の「個人情報ファイル」に自分の情報が記載され外部への提供対象となっていることを、ほとんどの市民が知らされていません。しかも市民が「提供対象から自分の情報を外してほしい」と要求しても、個人情報の利用停止や削除を請求できる規定がありません。個人情報保護がなされないまま、民間営利企業の利活用が国によって保障されることは問題です。
    本市は、政府が国家戦略として進めるデジタル田園都市国家構想に基づく民間のデジタル事業を実装するために、すでにデータ連携基盤(株)めぶくグラウンドを設立し、マイナンバーカードとスマホと顔認証による「めぶくID」の運用も開始し、市民ニーズを十分把握しないまま民官主導で進めています。

 また、市民のマイナンバーカード申請率も70%を超えましたが、2万円のマイナポイント付与と、健康保険証の廃止や運転免許証の廃止も示して、カードの申請・取得を国民に強要している政府の誘導策に従って市民の取得を促進していることは問題です。デジタル技術の利活用によって、市民の福祉や生活の利便性を向上させることを否定するものではありませんが、デジタル化の推進とその前提となるマイナンバーカードは、プライバシー権の侵害、国民監視、市税や社会保障の負担増と給付削減を押し付けるといったマイナンバー制度の持つ多くの問題点や今後心配されるデジタル産業への利益誘導や官民癒着の危険性、そして容易に解決できないデジタルデバイド問題などをどうするか、デジタル産業への利益誘導や官民癒着の拡大の弊害、そして容易に解決できないデジタルデバイド問題などについての対策も不十分です。

このような中でDX推進することは問題だと思います。これらの多くの問題があることを市長はどのように認識されておられるのか、答弁を求めます。

(2)学校給食費の完全無料化

次に、給食費の無料化についてです。先ほど教育長から共同調理上の老朽化などが進んでおり、安定的に給食を提供することが大事なので、毎年14億円もかかる無料化は難しい胸の答弁がありました。しかし、県内の学校給食費の完全無料化実施自治体は、4月から実施する太田市を含めてみどり市や渋川市など15市町村に拡がっています。決して各自治体とも、ゆとりある財源ではないと思いますが、一般会計予算の1%の財源を充てています。また本市を含め高崎市を除くすべての県内34市町村が一部無料化を開始しています。全国的にも昨年12月現在で254自治体が完全無料化を実施しており、中核市の青森や都内の特別区など児童数の多い自治体にも急速に広がっており、義務教育にかかる経済的負担の軽減は大きな世論となっています。

本市は新年度から、これまでの3人が同時に義務教育に在籍する条件を外し、第1子が18歳までの第3子以降の無料化に拡充しましたが、生活保護と就学援助の対象児童生徒を含めても、全児童生徒数約2万3千人の20%にも満たず、市民の願いには十分答えられていません。

文科省も国会答弁で学校給食法の下でも、自治体の判断で実施することを認めており、本市で実施できないのは、市長や教育長の政治決断ができないからです。

学校給食費の完全無料化も市町村が折半で実施すれば県は約9000億円の予算の0.5%以下40億円で実施が可能であり前橋市は7億円で実現できます。群馬県の実施を促すためにも前橋市の先行実施を決断すべきです。答弁を求めます。

(3) 前橋市教育振興基本計画の問題点

今、子どもの人数が減っているのに、いじめや不登校そして発達障害の子どもたちが増え続け、教員の多忙化もまだ解消されていません。学校現場に求められているのは、子どもを中心に据えて、子どもも教師もゆったりできる学校づくりではないでしょうか。
  ところが、今期の教育振興基本計画を読むと、国家戦略として経済産業省が提起したSociety5に向けた教育改革の具体化が強調され、ICT情報通信技術、AI人口知能、ビッグデータという最新テクノロジーがフル稼働する社会を子どもたちがたくましく生き抜きぬく力や新たな価値を創造することのできる学びの充実をめざす方向性が示されています。

そのうえで、GIGAスクール構想と授業におけるICT活用は、公教育だけでは担えないために、産学官連携システムの下で進めることが前提とされています。

 これまでは学校教育は教員が一人一人のこどもの個性的な知的探求がプラスに影響しあう知的共同を組織する授業が中心であり、学校外の塾や予備校は私企業である民間教育産業が自由に活動できる場として明確に棲み分けられていました。この原則が、今回の計画ではなし崩しにされて、経産省が主導する人材を育成する教育政策への積極的追随となっていることは問題です。

本市では、児童生徒一人1台のタブレットを活用するGIGAスクール構想は授業を補完するツールとしての位置づけをしていますが、政府は従来のような一斉授業ではなく、AIドリルを活用することで学びの個別最適化を実現し、授業を効率化し、それによって生み出した時間で、子どもたちに探求学習に取り組むことを目指しています。探求学習は、子どもたちが自由に学習テーマを設定し学ぶのではなく、民間企業と学校が連携し、民間開発の教育イノベーションを起こし公共教育に持ち込むことを前提としているため、教育のスリム化、ひいては公教育の縮小にも結び付く危険な方向です。このような立場の振興計画は問題と考えます。答弁を求めます。

(4)前橋市公立保育所の再整備基本方針の問題点

子どもの育ちと子育てを支えるうえで、保育所を整備し、待機児童出さないことは、国及び地方自治体にとって最優先課題です。本市においても、子どもの出生数は年々減少していますが、保育を必要とする子どもの数は増加しています。

ところが、今回示された公立保育所の再整備方針は、現在の16か所を最大10か所に統廃合し、民間への移管や市立幼稚園と保育所を統合し幼保連携型認定こども園に集約することも視野に入れています。
 公立保育所が築後50年を超え、建替えや大規模改修を迫られていますが、民間幼稚園や保育園の認定こども園化が進んで、受け入れ枠が拡大したことをもって、公立保育所が全体の需給調整の役割を果たすと位置付けて、統廃合することはあまりにも安易な発想です。
 統廃合をめざす本当の理由は、公立保育所の運営費・施設整備費への国の補助金が“一般財源化”されたために、国及び都道府県の財政負担が存続している民間保育施設に保育をゆだねようとしているのではないでしょうか。

また、当局も認識されているように、民間保育施設の保育士は低賃金で、安定的な就労が実現されず、保育士不足が恒常化しています。さらに、保育士の配置基準が改善されていないため、全国的に保育現場での事故や虐待が社会問題化しており、処遇改善が緊急課題になっています。公立保育所の統廃合を検討する前に、官民格差の解消をめざして、市内の民間保育施設の市独自の処遇改善策、保育士の配置基準の拡充、運営費補助の強化などを先行して検討する必要があります。

当局は、公立保育所の統廃合についての長期的な方針は平成28年の公立保育所の在り方検討委員会で方向性は確認しているとの立場でありますが、今回示された再整備方針は、あまりにも杜撰です。直ちに撤回して、前橋市の保育の在り方全体を検討するための市民参加の協議組織を直ちに立ち上げるべきです。

  答弁を求めます。

(5)テルサなど公共施設の民間活力導入方針の問題点

本市は、行財政改革の柱として、市職員定数の削減と公共施設マネジメント、民間活力導入を強力に推進してきました。
  スポーツ施設や市民文化会館、立体駐車場などはまちづくり公社、老人福祉センターや総合福祉会館などは社会福祉協議会を指定管理者に選定し、基本的に営利を追求せず安定的な事業運営を継続してきました。
  ところが市有3温泉施設やテルサについては、一貫して民間譲渡を念頭とした民間活力導入方針が推進されたために、指定管理期間が短縮されるなど、利用する市民にとっては先行きへの不安を与える施設運営となりました。特にテルサについては、賃貸契約締結に向けて優先交渉権者に選定した民間事業者が提案した事業計画の実現可能性が困難との理由から辞退したため、3月13日から今後の見通しのない長期間の閉館を余儀なくされています。利用されない建物の維持管理に年間約6800万円もの財政支出を余儀なくされるという事態をまねいた行政責任は重大です。
 3温泉施設についても指定管理期間が短縮され、公募で指定管理者が変わることもあり、指定管理料の増額をせざるを得なくなるなど、不安定な事業運営が続いています。
  これまで、当局からは、行政による公的管理よりも多彩な民間のノウハウを生かした方が市民サービスの質が高まるということが強調されてきましたが、今では民間事業者の安定的な利益確保に前橋市政が貢献することが優先される民間活力導入策に変質しています。財政支出削減をめざして指定管理、賃貸、譲渡、PFIなど民間活力導入先にありきでは、市民の交流、健康増進、中心街の活性化などの市有施設本来の事業目的が十分果たせない結果を招いています。「民でできることは民に」の掛け声で推進してきた行財政改革推進計画を、一度立ち止まって総括するとともに、抜本的に再検討が求められています。答弁を求めます。

(6)マイタクなど交通弱者支援の公共交通の運行改善

スマートホンアプリを活用して各種公共交通の効果的な乗り継ぎで割安で目的地に行く施策MaeMaaSや前橋駅から10分間隔で運行する都心幹線の運行、自動運転バスの実証実験などデジタル技術を活用した施策は、観光地やマイカーの利用が少ない大都市部などでは、大変有効ツールとなると思います。
  しかし、今、超高齢化社会の到来を前にして、本市で交通弱者といわれるマイカーの運転ができない高齢者などの生活の足をどのように守るかという施策こそ、市民共通のニーズです。
  その点では、市民の強い要望であるマイタクの長距離利用者の運賃割引率の引き上げや年間70回の利用回数上限の引上げ、デマンド交通、るんるんバスやふるさとバスのドアツードア化に積極的に答えるべきです。マイナンバーカード取得者以外のマイタク利用を認めないなど、行政サービスの公平な提供に反するデジタル技術を使った効率化にはいち早く取り組みながら、なぜ現にマイタクやデマンドバスを利用する市民の要望に迅速に答えないのでしょうか。答弁を求めます。

3、前副市長が逮捕された官製談合防止法違反事件の総括

前副市長が予定価格を漏洩し、贈収賄と官製談合防止法違反で逮捕されたことは、前橋市政への信頼を失墜させました。弁護士など第3者委員会を立ち上げて総括することは必要です。しかし、今必要なことは、特別職を含む幹部職員や、市職員全体の公務員としての資質の向上と庁内に市民のための施策を自由に提案できる風通しの良い職場づくりが求められています。

その点では、行政のトップである山本市長の市政運営の自己総括が求められているのではないでしょうか。指導者のリーダーシップが市民全体の福祉の向上や、幸福度のアップに結びつかず、市長は国の施策や経済界の要望優先し、市長個人の関心に基づく施策展開や市政運営では、市職員もモチベーションが下がります。
  最近も富士見の民間研修施設の寄付を受け入れ、その施設も民間事業者による活用を求める公募要項が議会に示されました。スローシティーエリアにあると言っても、公共施設の総量縮減がうたわれている中での今回の拙速な市長の政策判断は、市職員の間でも疑問視されているのではないでしょうか。
 デジタル田園国家構想についても事業展開したテック事業がどれほど市民に喜ばれ利活用されているのでしょうか。民間IT事業者が総務省やデジタル庁の進める構想に参入をめざす民間IT事業者が、全国規模で事業展開するまえに、その実証実験のチャンスとして前橋市と市民が試されてされているともいえるのではないでしょうか。
 市長がデジタルの力で市民の利便性向上に意欲を示していることが、逆に高齢化が進み物価高騰で苦しむ市民が市政に求める施策とズレが生まれています。

このような中で、特別職や幹部職員との間に政策推進上の齟齬や隙間が生まれ、市民目線に立った施策展開を積極的に提案する気風が薄れて、職員全体職にも職務に精励する気概や、コンプライアンス・法令順守という当たり前のことができなくなっているのではないでしょうか。技術開発イノベーションが新しい価値を創造すると夢中になって、国や財界の言いなりになるトップダウンの施策展開が続けば、更なる不祥事が繰り返されます。

市民や職員の声に丁寧に耳を傾け、職員を信頼し、その上での市政のトップとしての冷静なリーダーシップを発揮すべきと思いますが、どのようにお考えでしょうか。答弁を求め第1回の質問と致します。

第2質問

大軍拡方針・再質問~すでに75歳以上の370万人の医療費2倍化や公的年金の引き下げが行われました。介護の大改悪など軍拡予算を確保するために社会保障削減が狙われています。物価高騰で市民の生活苦が広がる中での大軍拡計画です。新年度の防衛予算は、文科省予算額に匹敵する5兆円を増額する大軍拡予算です。安全保障政策は国の専管事項ですが、平和を願う市民の思いが結実した平和都市宣言を持つ自治体のトップとして、政府の戦争をする国づくりに警鐘を鳴らすことが必要です。再答弁を。

 

原発・再質問~原発回帰政策という重大な問題を国会で十分な議論もなく、首相の検討指示からわずか4か月での決定は国民無視に他なりません。今も福島原発事故で県外に避難した16万人のうちの多くの方々が故郷に帰れず、溶け落ちた燃料デブリは全く取り出せず廃炉の目途もありません。

…そもそも、原発の耐用年数は、その設計段階から40年を目安にしています。
 中性子に晒された原子炉は、それだけで劣化していますし、長い間熱水や蒸気による浸食で放射能に汚染された配管などは、かなりの経年劣化を起こしており、冷却水の配管も海水の塩分で腐食が懸念されます。
 2004年に関西電力美浜原発3号機で起きた配管の破断事故で、作業員5人が死亡しました。美浜3号機は、運転開始から28年目で配管が破断するほどの劣化が進んでいたことになり、この他にも金属製の配管の中を流れる熱水や蒸気による侵食や腐食で厚さが薄くなり、ケーブルなどは熱などにより性能が低下、コンクリートの建造物も熱や放射線によって劣化します。原発は40年で廃炉にすべきであり、60年など、何の保障もありません。
 革新的原子炉などは、まだ開発段階で実証炉にも至っておらず、商業運転が出来るのか。さらに1炉1兆円とも言われているコストを払ってまでも各電気事業者が導入するのかも疑問です。電気事業者はそろそろ政府に付き合うのを止めた方が良いのでは無いでしょうか。

柏崎刈羽原発で過酷事故が起きれば、前橋市民も危険にさらされ避難を余儀なくされます。いまだに私たちの命や暮らしを脅かし続ける原発はすべて即時廃炉にし、原発ゼロをめざすべきと市長は声を上げるべきです。再答弁を。

アベノミクス・再質問~円安は、大企業を中心とした海外進出企業に恩恵をもたらす半面、輸入資源を使う国内産業や国民の生活に打撃を与えています。ロシアのウクライナ侵略の影響によるエネルギーや穀物価格の高騰が国民負担へのさらなる不安を広げています。 

2%の物価上昇が目標だということが、そもそも逆立ちしています。賃上げなしでの物価上昇はすでに4%を超え、国民の暮らしはいっそう苦しくなっています。金融緩和で投機とバブルをつくり出し、経済格差を広げた異次元の金融緩和策の失敗は明らかです。ここから転換するには、労働者の賃金を上げるなどの実体経済を良くする政策が必須です。物価高騰のさなかにさらなる円安を加速させる金融政策は国民を苦境にたたせます。破綻が明白な異次元緩和はやめるよう求めるべきです。

コロナ・再質問 ~コロナ流行以前から、全国の医療機関は、厚労省から病床削減が求められ、ぎりぎりの状態で維持されてきました。5類変更で、重症患者を受け入れている大学病院は、少なくとも年間約4500万円以上の減収になると試算を示しています。コロナ患者の治療に公費による支援がなくなれば、受け入れを断るか、赤字で経営難に陥るかの二者択一が医療機関に求められます。今やるべきは、検査費用やワクチン接種費用の軽減策や感染した場合の医療費負担の軽減策と医療体制の抜本的強化です。 5類移行後の患者の自己負担増を放置すれば、検査、医療につながれない患者を生むことになります。国や県に具体策を求めるべき。再答弁を。

デジタル・再質問~そもそもマイナンバー制度は、税・社会保障・災害の3分野に限定され、カード取得は任意であったはずです。今ではカード利用の範囲が次々と拡大され、事実上、国民に取得が強制されており、思想信条の自由にも反する状況となっていることは大きな問題です。

デジタル化の推進と個人情報保護の強化は一体ですすめられるべきです。“本人同意なしに個人情報を提供する”など個人情報の「利活用」をはかる国の改悪の押しつけに反対し、個人情報の漏洩を防ぐべきです。行政サービスの提供をマイナンバーカード保有者に限るなどの差別は決して行ってはなりません。マイナンバーカードの普及促進のためにカードの交付状況で地方自治体への地方交付税額や補助金交付を差別することは許されません。
  マイナンバーによって、地方自治体が持つ個人情報と国や民間の情報が関連づけられれば、所得や資産、教育や健康状態はもとより、思想・信条、交友関係、行動履歴などのプライバシーが丸ごと国家権力に握られてしまいます。徴税強化、給付の削減、監視国家につながるマイナンバー制度の廃止を国に求めるべきです。

学校給食・再質問~すでに教育予算を軍事費が上回るなかで、さらに軍事費を増やせばいっそう教育予算が削減されます。5000億円で小中学校の給食費の無償化、1兆円で大学の学費を半額にできます。くらしや教育に予算をまわせとの声を国にあげるべきです。ご存じの通り、小中学校の給食費無償化は全国で加速度的に拡大しています。憲法26条は義務教育の無償化を定めており、軍拡ではなく、今こそ未来を担う子どもたちのために国の責任での無償化に踏み出すよう求めるとともに、県の実施を求めつつ、前橋市も先行して完全無償化の実施を決断するよう強く求めておきます。

 

教育・再質問~いま教育長の学校現場や子どもたちや教師の現状を踏まえた教育論についての答弁をいただきました。
  私も、子どもたちを人間として育てるという教育の原点に立ち戻って、子どもと教師との関係を作り上げ、様々な困難を乗り越える努力が私たち大人に求められていると思います。

教育の主人公は子どもです。教育は、子どもの学び成長する権利を満たすための社会の営みであり、そこでは子ども一人ひとりの個人の尊厳が何より大切にされなければなりません。政治の中心的な役割は、そうした教育が自主的に豊かに営まれるよう、条件整備で支えることです。

 ところが、日本の教育予算の水準(教育への公財政支出のGDP比)はOECD先進
38か国の中では最下位クラスです。政府は「お金は出さず、口は出す」と言わんばかりに、教育基本法に「愛国心」を加えるなど教育への権力的介入を繰り返してきました。それは、「戦争する国づくり」「弱肉強食の経済社会」という政権の「国策」に従う人づくりのために他なりません。

 それだけに日本の教育には、欧米諸国には見られないような多くの歪みがあります。例えば、国際人権規約では大学教育の段階的な無償化が定められているのに、日本の学費は上がり続け、国民の負担は限界です。また、学校では過度の管理と競争が押し付けられるもとで、子どもの人権が大切にされず、不登校の子どもも増え続けています。さらに、教員の異常な長時間労働が社会問題となりましたが、その根本には、定められた授業数に比して余りに教員が少ないという問題があります。

ご存じの通り、もともと学校へのタブレットの性急な普及は経済産業省が推進してきたものです。そこでは「生徒達は自分の好きな学習塾の先生などのオンライン講義動画をタブレットで見て、自分の進度に合わせて個別に学ぶのが一般的になる」(「未来の教室」第一次提言)と明け透けに教員不要の安価な教育が構想されていました。これに対し、文科省はICTを双方向型の「協働的な学び」に活用する方向を打ち出しましたが、「協働的な学び」を本当に行おうとすれば、教員の教える自由と、15人程度の少人数学級が必要です。

 いま教育に求められていることは、憲法と子どもの権利条約の立場から、教育予算と先生を増やし、自主的で豊かな教育が花開くようにな教育政策に転換すべきです。
 そうした観点を打ち出さなければ、前橋の教育方針は実を結ばないと思います。

 

保育・再質問~公立保育所は地方自治法第244条に基づく「公の施設」です。現に利用している子どもと保護者だけでなく、現在と未来につながる住民全体の財産です。保護者は主権者として保育所の運営等に関る意見を述べることができます。だからこそ、公立保育所の新設、廃止等は市町村長の一存で決められず、議会での特別な議決が必要になるのです。市町村が就学前の子どもの育ちと子育てを人権として保障するうえで、市町村が施設を設置し、直接保育を実施する仕組みを地域に残すことは極めて重要です。削減は初めにありきになっていないでしょうか。「構造改革」、市場化に流されるのではなく、子どもの人権を保障する公務公共サービスを維持し拡充することは、勇気もいるし、知恵も必要です。再整備方針の白紙撤回を求めます。再答弁を。

テルサ・再質問~現在国は、「公共サービスの産業化」と「自治体戦略2040構想」を明らかにしています。本来利益を追求しない自治体の業務である「公共サービス」を「産業化」するというもので、「公共サービス」を丸ごと民間市場に開放し、利潤追求のための市場創出を狙っています。公共分野の市場化・民営化によって経済成長をはかるという従来の成長戦略の発想に加え、それによって歳出効率化と税収拡大を図るという「財政健全化」を重点に置いています。「民間の多様な主体との連携の促進」を掲げ、具体的には公共施設などの整備等におけるPPP(官民連携)やPFI等市場化の推進による実施を原則とするように求めています。
 このような国の考え方に追随し、民間活力を積極的かつ多様に活用し、施設整備や運営を効率的・効果的に進めて財政支出を削減しても、利益追求を最優先する民間事業者では、行政サービスの質を高めることはできません。豪華な施設が整備されても、効率性の低い行政サービスが切り捨てられたり、低廉な使用料で利用することができなくなり市民の使いやすい施設にはなりません。公的責任を果たすならば、公共サービスの産業化につながる民間丸投げは止めて、市の責任による施設運営を堅持すべきです。

マイタク・再質問~今後、さらに高齢者が増加し、また道路交通法が改正され、運転できない交通弱者の増加が予測されており、通院や買い物などの移動手段を確保する行政施策の重要性が高まっています。高齢者が日赤病院などの基幹病院に乗り継ぎなどの不安なく通院できる状況を 10 年、20 年後にも維持しなければならないことを考慮すると、地域公共交通の中でも、とくにマイタクやデマンドバスは、福祉サービス、インフラの一部だという位置づけで施策の展開を検討すべきと思います。市民参加の検討委員会を立ち上げ、市民ニーズに応える改善を進めていただきたいと思います。

官製談合・再質問~これまでにも市長に今日と同趣旨の質問を市長にしてきましたが、いつも、紋切り型の不誠実としか受け止められない答弁を繰り返されてきました。今回は、今までと違って理路整然と自己分析をされた答弁であったと思います。市民の声を市政に反映させるとともに、全職員との意見交換を強めるという決意が市長の本音であれば、市民も職員も納得できると思います。そして市長の施策展開に市民目線で異論を申し上げることもある日本共産党市議団の意見や提言に対しても、感情的にならず、丁寧に耳を傾け、柔軟に対応し取り入れていただく度量も持っていただきますよう要望しましてすべての質問を終わります。

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