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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

第1回定例会 7本の意見書(案)を提出

日本学術会議の「法人化」方針の撤回を求める意見書(案)日本共産党前橋市議団

 

 政府は、2023年4月、日本学術会議法の改定案を撤回した後、内閣府に立ち上げた日本学術会議の在り方に関する有識者懇談会で、昨年12月21日に学術会議を政府組織から切り離し法人格を持つ組織とする案を示した。それを受け12月22日に内閣府特命担当大臣決定である「日本学術会議の法人化に向けて」が発出された。政府は夏にも「法人化」の概要をまとめ、法案化を進める方針である。

大臣決定は、政府が任命する日本学術会議評価委員会の中期計画を策定する。日本学術会議の会員選考に外部者による委員会が意見を述べる。さらに組織や運営に対しても、外部者が過半数を占める委員会で意見を述べるなど、日本学術会議の人事、運営に政府が介入する仕組みを新たにつくろうとしている。

この大臣決定は、法人化する立法事実も示されず、日本学術会議の自律性も保障されない。また、日本学術会議が国の機関であるという歴史を無視したものであり問題である。多くの科学者、学術関連団体が撤回を求め声明を出している。主要各国を代表するアカデミーも日本学術会議の動向について懸念を持って注視している。

そもそも日本学術会議が国の機関として設置されている最大の意義は、日本の科学者の総意を結集する国の機関として、日本が人類共通の課題を追求する学問を尊重する国であることを国内外に示すことである。

日本学術会議法は前文で「日本学術会議は、科学が文化国家の基礎であるという確信に立つて、科学者の総意の下に、わが国の平和的復興、人類社会の福祉に貢献し、世界の学界と提携して学術の進歩に寄与することを使命とし、ここに設立される」と規定している。これらの使命を達成するためには、科学者が学術界の外からの圧力や利益誘導を受けない活動を保障するための十分な財源基盤が必要である。

多くの科学者が、戦前と戦中に外部の圧力により政府、国家への従属を余儀なくされた過去の経験がある。法人化により学問の自由を損ねる結果を招くことが国内外でも強く懸念されている。

 よって、政府に対し、国民と世界に貢献する日本学術会議の独立を守り、「法人化」方針を撤回することを強く求めるものである。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

政治資金パーティー券購入を含め企業・団体献金の全面禁止を求める意見書(案) 日本共産党前橋市議団

 

自民党派閥の政治資金パーティーをめぐる裏金問題は、政治資金規正法違反の疑いによって現職の国会議員が逮捕されるなど、国民の中に不信や憤りが広がる重大な問題となっている。

 議員個人への企業・団体献金が禁止されているにも関わらず、企業や団体によるパーティー券の購入が可能となっていることは、事実上の企業・団体献金の抜け道となっている。

  そもそも、営利目的である企業が、政党や政治家に対して資金を提供することで、影響力を行使し、「カネ」の力で政治をゆがめることはあってはならない。

 また、誰がいつこの裏金づくりを考案し、何にどのように使われ、関わった議員が誰なのかなど、組織的な犯罪の全容を徹底的に明らかにすることが必要である。その解明なくして再発防止も、国民からの信頼回復も得られない。

 よって、国においては、これまで繰り返されてきた「政治とカネ」の問題を根絶するためにも、企業・団体による政治資金パーティー券購入を含め、企業・団体献金を全面禁止するよう求めるものである。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

刑事訴訟法の再審法規定の改正を求める意見書(案)  日本共産党前橋市議団

 冤罪は、国家による最大の人権侵害の一つである。冤罪被害者の人権救済は、人権国家を標榜する我が国にとってはもちろんのこと、地域住民の人権を守る義務を有する地方自治体にとっても重要な課題である。
 しかし、冤罪被害者を救済するための再審手続に関する法律(刑事訴訟法第四編「再審」)上の規定は、僅か19か条しかなく、再審手続をどのように行うかは、裁判所の広範な裁量に委ねられていることから、再審請求手続の審理の適正さが制度的に担保されず、公平性も損なわれている。
 また、過去の多くの冤罪事件では、警察や検察庁といった捜査機関の手元にある証拠が再審段階で明らかになり、冤罪被害者を救済するための大きな原動力となっているが、その証拠を開示させる仕組みについて、現行法に明文化された規定がなく、再審請求手続において証拠開示がなされる制度的保障はない。そのため、裁判官や検察官の対応いかんで、証拠開示の範囲に大きな差が生じているのが実情であり、これを是正するためには、証拠開示のルールを定めた法律の制定が不可欠である。
 さらに、再審開始決定がなされても、検察官がこれに不服申立てを行う事例が相次いでおり、冤罪被害者の速やかな救済が妨げられている。再審開始決定は、あくまでも裁判をやり直すことを決定するにとどまり、有罪・無罪の判断は再審公判において行うため、検察官にも有罪立証をする機会が与えられている。したがって再審開始決定がなされたのであれば、速やかに再審公判に移行すべきであり、検察官の不服申立てを認めるべきではない。
 よって国においては、冤罪被害者を早期に救済するため、次の事項について、刑事訴訟法の再審規定(再審法)を速やかに改正するよう求めるものである。

1 再審請求人の求めに対し、検察が有する証拠の全面開示の法整備をすること。

2 再審開始決定に対する検察の不服申立てが行われないように制限を加えること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

現行の健康保険証の存続を求める意見書(案)  日本共産党前橋市議団

 改正マイナンバー法が2023年6月2日に成立し、2024年12月2日には健康保険証を廃止して、マイナンバーカードに保険証機能を持たせる「マイナ保険証」に一本化されることになった。

 現行の健康保険証の廃止は、マイナンバー法上では任意とされているマイナンバーカードの取得の事実上の義務化であり、法律上も大きな問題がある。さらにオンライン資格確認等のシステム上のエラーやトラブルはいまだ多く発生しており、保険証資格確認の手段として確実なものとは言えず、マイナ保険証の利用率は4.29%(令和5年12月時点)にとどまっており、利用が低迷していることが明らかになっている。医療機関に利用率を競わせることは論外である。

 また、マイナンバーカードの利活用に対応しきれない医療機関も一定数あり、閉院の選択肢を取らざるを得ない現状も生まれている。

 我が国の医療保険制度は、いつでもどこでも誰でも、必要なときに国内でひとしく医療を受けられる「国民皆保険」制度を採っているが、このような状況になれば同制度は機能不全に陥りかねない。また地域の医療を支える担い手が不足した場合、地域住民の健康に対する安全性を大きく損なうことが懸念されている。

 よって国に対し、現行の健康保険証の廃止方針を撤回するよう強く求めるものである。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

志賀原発及び柏崎刈羽原発の廃炉を求める意見書(案)  日本共産党前橋市議団

 

1月1日に能登半島地域を襲った地震により、北陸電力の志賀原子力発電所は、外部から電気を受ける変圧器が壊れ、外部電源が一部使えなくなり、絶縁や冷却のための油が漏れ出したほか、使用済核燃料プールのポンプも止まり、一時的に冷却が停止するなど複数のトラブルが確認された。さらに、志賀原発北部の30キロメートル圏の放射線量を測るモニタリングポストが最大18か所で測定不能となった。新潟県の柏崎刈羽原子力発電所では、地震の揺れで使用済み核燃料プールの水があふれるトラブルが発生した。

原発事故が発生した場合の避難計画によると、志賀町、輪島市、穴水町などから最大15万人の避難が必要となる想定である。しかし、震度7相当の揺れが確認された志賀町を中心に、避難計画の対象地域のあらゆる生活道路が寸断された今回の地震の下で、現実的な避難計画ではないことが明らかになった。一たび原発事故が起きた場合には、多くの住民が避難できないことになりかねない。

また、今回の地震では能登半島沿岸部で90キロメートルにわたる海底の隆起が確認された。日本海に面する志賀原発周辺の海域でも数十センチメートル規模の隆起が確認され、内陸部では地盤沈下が発生した。志賀原発直下、周辺に活断層が存在する可能性も指摘されている。

政府の地震調査委員会は、今回の地震で海底活断層が連動するなどして、約150キロメートルの岩盤が動いた可能性を指摘している。地質学の専門家からは、能登半島周辺で想定を超えて活断層が動き、想定を上回る揺れや津波、地盤の変化が志賀原発を襲う可能性は否定できないと指摘している。志賀原発及び柏崎刈羽原発が事故を起こした場合には、住民は避難できず福島第一原発事故を超える重大な事態となるおそれもある。

よって国に対して、活断層の活動が活発化している北陸地方における志賀原発及び柏崎刈羽原発を廃炉することを強く求めるものである。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

食料自給率向上を政府の法的義務とすることを求める意見書(案)日本共産党前橋市議団

政府は、現在開会中の通常国会で、現行の「食料・農業・農村基本法」を見直し、新たな「基本法」を制定することを目指している。 日本のカロリー自給率38%は先進国の中でも最低であり、穀物自給率28%は世界185か国中129位である。

「旧農業基本法」以来、自給率は一貫して右肩下がりに低下し続け、「食料・農業・農村基本法」制定後も、5次にわたる「基本計画」で食料自給率を引き上げるとされてきたが、目標を達成したことは一度もない。

しかも、現行基本法は、「基本計画」で 「自給率向上目標」を設定したものの、単なる閣議決定にしたため、法的拘束力がなく目標は骨抜きにされたままである。さらに政府の「新基本法」の検討では、食料自給率を単なる一指標とし、これまでの位置づけを格下げして、食料自給率向上に対する国の責任を放棄しようとしている。

今、世界的な食料危機が進行し、「食べたくても食べられない」人々が増えている中、食料自給率向上を放棄して国民を飢餓に追い込むのではなく、「新基本法」では食料自給率目標を定める基本計画を国会承認制とし、計画の達成度の検証結果と必要な政策の見直しを国会に報告させるなど、生産費に見合う価格保障と所得補償の充実と併せて、食料自給率の向上を政府の法的義務とする必要がある。

よって、国においては、「新基本法」制定に当たっては、食料自給率目標を定める基本計画を国会承認制とし、自給率向上を政府の法的義務とすることを求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。 

 

被災者生活再建支援法の改正を求める意見書(案)  日本共産党前橋市議団

 1月1日に能登半島地域を襲った地震により、4月23日現在、災害関連死15名を含む245名が死亡し、5県で11万8,029棟の住宅被害が確認された。被災地では住宅再建の支援が急務となっている。

 被災者生活再建支援法における住宅が全壊した場合の住宅再建、購入に係る被災者生活再建支援金の上限額は300万円である。この金額は2007年に法改正で定められたものである。しかし、昨年12月時点の建設資材価格は、2020年と比べて150%も高騰している下で現行の支援金額では、被災者の住宅再建はますます困難になる。

 さらに支援金の対象は「全壊」及び「大規模半壊」に限られており、「半壊」や「一部損壊」は対象外である。例えば、石川県内灘町では、震度5弱の揺れで1,500棟に上る家屋損壊が発生したが、多くは被災者生活再建支援金の支給対象外である。そのため支援金の対象拡大を求める声は被災自治体の多くの住民から上がっており、被災者の強い願いとなっている。

 さらに、全壊した場合の住宅再建や購入に対する支援金の抜本的な引き上げや大規模半壊に至らない半壊や一部損壊を支援対象に広げることが、被災者の住宅再建に不可欠である。

 よって国に対し、被災者生活再建支援法を改正し、支援額及び支援対象を拡充することを強く求めるものである。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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