日本共産党前橋市議団を代表して質問します。
市長は新年度予算にあたって一人ひとりの市民の皆さんに寄り添うといった視点に立ち、市長の掲げた5つの基本政策を踏まえた形で予算編成を行ったと述べ、さらに今後に向けては、夏頃に全事業の総点検を行い、財政の健全化に十分留意しながら予算の有効活用を検討すると説明しています。
このような点から、今回は市長の政治姿勢を反映する予算編成としては道半ばであり、今後の取り組みに期待するところも多々あると考えております。
1,政治姿勢について
①平和を壊す政府の大軍拡路線
最初に政治姿勢について伺います。国の政治が本市自治体に与える影響は重大であり、市長の政治姿勢を明確にするべきと考えます。
今、世界中の人たちが戦争のない世界を希求しています。「抑止力」という軍事力と軍事同盟の強化が世界中で戦争をひき起こしています。政府による安保3文書の閣議決定から1年が経過し、日本の戦争国家づくりの危険性がいよいよ明らかになっています。軍事費は2023年から27年までの5年間で43兆円、世界第3位の軍事大国になります。
日本は今や武器の輸出を全面的に解禁しようとしており、平和国家を根底から投げ捨てるものです。政府に対して軍事同盟強化や大軍拡をきっぱりとやめ、外交による平和創出に徹するよう求めるべきと考えますが見解を伺います。
②大企業応援の経済政策からの転換
市民への異常な物価高と円安による影響は深刻です。日本経済の失われた30年といわれる、経済の低迷をもたらしたのはアベノミクスの経済対策で、大企業や富裕層への大規模な減税で応援し、一方で、国民には消費税を5%も引き上げて10%にし、年額12・5兆円、国民1人当たり年間10万円もの大増税を行いました。これが消費を冷え込ませ、経済の悪化をもたらしました。世界の100か国・地域で経済対策として消費税減税が実施されています。
さらには、賃上げを軸に実体経済を立て直すことなど内需を活発にすることに本腰を入れることが必要です。政府に対し大企業応援の経済政策から国民の暮らし応援への抜本的な転換を求めるべきと考えます見解を伺います。
第2質問
市長は地方自治体の首長としては一党一派に属すことなく、市民の立場で市政を行うので、国への意見は求めないと述べておられますが、このまま大軍拡につき進めれば、暮らしの予算も社会保障の予算も削減され、市民の要望にはますます応えられなくなります。したがって、市民要望に応えるためには、しっかりというべきことは言っていただきたいと考えますがいかがですか。
③多選自粛条例
市長は自らの選挙公約として、今議会に多選自粛条例を上程しています。その基準は3期を超えて在任することを自粛するという内容です。
選挙で立候補する自由も憲法で保障されており、有権者が選挙で候補者を選択する自由も保障されているという前提も理解したうえでの条例提案だと思います。
市政運営を評価するのは市民であり、条例で規制することではないと思います。今回の市長選挙は市民が判断した結果、前市長に対する審判が下され、選挙で新しい市長が誕生したのです。
したがって、今回あえて条例提案したのはなぜなのかお伺いします。
2,新年度予算の重点課題について
①予算編成の考え方
新年度予算では、学校給食費の無償化という大きな前進など見られますが、全体として今までの事業を継続する施策が多くみられ、率直に言って、前山本市政を継続する予算になっています。市長は夏頃に事業の見直しをすると市長説明で述べています。見直して、今後より充実すべき事業、市長が公約されている事業などを、財政状況を見ながらも、今年度補正予算を組んででも実施する必要があると考えますが見解を伺います。
②学校給食費の完全無償化
市長の公約でもあり、わが党市議団が長年要望してきた学校給食費の完全無償化の大きな前進が図られることは大いに歓迎します。6月から市立の全ての中学校の無償化に踏み出します。わが党は完全無償化を求めて、緊急署名に取り組み改めて5月7日に1226筆を小川市長に提出しました。
先日は県内で唯一無償化制度がなかった高崎市も2025年度から小中学生の給食費を第2子以降は無償化し、第1子については10%軽減するとしています。現在給食費を完全無償化しているのは太田市や渋川市、沼田市など21市町村となっています。いずれの自治体も無償化の予算総額は一般会計の約1%で、本市では約14億円です。市民の大きな期待がある学校給食費の完全無償化は子育て支援や食育として大きな効果があります。ぜひ、今年度中に小中学校全児童を対象に完全無償化を実施する必要があると考えますが見解を伺います。
第2質問
先日全国的にも大きく注目をされましたが、青森県では新年度から県の予算で市町村への無償化支援を予算化しました。これは、全国で初めてのことです。群馬県内では、来年度から35のすべての自治体で何らかの無償化を実施することになりますが、県の支援はありません。であるならば、群馬県に対して無償化の予算を支援するように実現するように強く求めるべきです。医療費無償化制度も前橋市をはじめ県内自治体が先進を切って実施して県が半額支援する制度を作りました。このように学校給食費の無償化も県が半額負担すれば、県内すべての自治体の格差が解消され、子育て支援が大きく前進します。見解を伺います。
③公共交通の拡充
高齢化社会の進行とともに、公共交通の拡充は喫緊の課題です。
1つはマイタクの利用支援です。新年度予算で一回乗車時に上限1000円から2000円と長距離移動者への支援が前進したことは大いに評価します。マイタク利用者の多くは20回までの利用者がほとんどということで回数上限は70回のままです。様々なシュミレーションを繰り返して、より改善の方向を出していただき、よかったと考えます。今後は、病院など通うために上限まで利用している方が制限されないように回数上限を引き上げる工夫も必要と考えますが見解を伺います。
2つは旧4町村のふるさとバス,るんるんバスの運行についてです。午前の通院に必要な予約が重なり、通院時間に間に合わないなどの問題を改善するためには運行車両を増やすことです。また、冬の赤城おろしや足腰の悪い方がバス停で待つのは過酷なことです。ドア・ツー・ドアーに改善する必要があります。
3つはマイバスです。100円で乗り降りでき、交通弱者が利用しやすい移動手段として期待が高いものです。東西南北の4路線を使って買い物や通院に気軽に行けるので、南橘地域や桂萱地域など市域全体の延伸も検討して4路線の運行エリアを拡大する必要があります。見解を伺います。
第2質問
公共交通はマイタクやデマンドバス、マイバスなど総合的に見直して、交通弱者とりわけ高齢者や障害のある方が便利に利用できる仕組みを調査研究して、より利便性を高めるように、拡充する必要があります。また、先日報道されていました、民間バス会社が広瀬方面の自主路線で、バスガイドさんを乗車させて、利用者への利便性を高めた改善は高齢者に大変歓迎されています。こうした、取り組みも大いに参考に利用者の利便性の向上による乗客増も期待できると考えます。公共交通を総合的に見直して、事業者側の立場だけでなく、市民目線を大事にした視点を強めサービスを拡充する必要があると考えますがいかがでしょうか。
また、市長が現在改善を指示しているマイナンバーカードを持たない市民でもマイタクを乗車できるようにすることが求められています。見解を伺います。
④デジタル化の問題点
市民の暮らしや福祉の向上、市内事業者の支援に役立つデジタル化の推進は必要です。しかし、これまで本市が進めてきたマイナンバーカードやスマホを持たない市民を各種行政サービスから事実上排除する差別的なデジタル化は問題です。そうした観点から
1つは本市の職員育成についてです。本市は行政のDXは住民福祉の増進に反するようなことはないという答弁を繰り返していますが、国が目指している方向性には、やはり地方自治を縮小して中央集権化をするという狙いが強く打ち出されています。政府は全自治体にシステムの標準化を求めており、独自のサービスについては独自のシステムを構築してよいが補助金は原則出さない考えです。
本市はスーパーシティ構想に応募し、さらには個人情報を外部提供して成り立つデジタル田園都市国家構想に基づく補助メニューに沿って、ほとんど市民ニーズとは関係のない民間IT企業の事業提案に沿ったまえばし暮らしテック推進事業を進めてきました。こうした、市当局のDX事業にわが党は繰り返し異議を唱えてきました。
このような中で、民間営利事業者によるデジタル技術を活用した事業が進められていますが、本市の責任で提供すべき行政サービスは、ICT技術に精通した職員の育成を行い本市の責任で実施することが求められています。
2つは、株式会社めぶくグラウンドについてです。この事業はあくまでも参加する民間事業者のサービスであり、普及、利活用の促進をするのであれば、利用促進キャンペーンも今後の維持管理コストも行き過ぎた税金投入に頼らず、広告収入など会社独自の資金調達の努力で運営することです。
また、発行する「めぶくID」は、非識別情報を含む重要な個人情報を本人の同意によりサービス提供をする民間IT事業者に提供するツールです。
提供した情報が営利及び目的外に利用、或いはビッグデータへの集積、本人同意なしに連携企業などに提供・流出されることがないようルールを明確にし、本市の監督責任を明確にすべきではないでしょうか。
3つは電子地域通貨についてです。
スマホなどが苦手な市民は、登録自体が難しく、容易に利用することはできません。今、スマホを使ったキャッシュレス決済は広がっています。しかし、キャッシュレス決済を使用しない市民も多く、本市でも現金決済が多数です。市民が納めた税金を投入してポイント還元キャンペーンを繰り返し実施しても、安定的な継続は難しいのではないでしょうか。
行政サービスは、マイナンバーカード保有やめぶくPay登録の有無にかかわらず、市民全てが平等に受けられるというものが大原則ですので、邑楽町のようにアプリ方式だけでなく磁気カード方式の通貨も発行する必要があります。見解を伺います。
第2質問
答弁していただきました。
任意であるマイナンバーカードを全市民が持ち、市民カード化のように押しつけて、マイナンバーカードによって、めぶくアプリに登録をしなければサービスが使えないというのは、やはりこれは民間主導の事業を継続することになります。デジタルによって公共サービスを民間営利企業に委ねれば、その結果、地方自治を後退させることになるのではないでしょうか。新年度予算でも前橋市のDX推進、それから国のデジタル田園都市国家構想に基づく事業に安易に手を挙げることがないようにすることが求められます。見解を伺います。
➄国保税の引き下げと保険証発行継続
本市の国保加入者は、所得200万円以下の市民が7割を占め、法定軽減の対象世帯も過半数に上るなど、非正規や年金生活者などの低所得世帯が多くを占めています。高すぎる国保税を昨年度黒字分と昨年度の国保基金を合わせておおよそ10億円の基金を使い、約5万世帯の国保税を1世帯1万円引き下げることは十分可能です。
また、国の制度により就学前の子供の均等割の半額減免が実施されましたが、子育て世帯の負担を軽減するために、18歳までの均等割の全額減免を国に強く働きかけるとともに、本市独自でも約1億円で実施が可能ですので今後予算化する必要があります。
マイナ保険証の紐づけによる誤登録や医療診断履歴の漏えいなどの命に関わるトラブルが止まりません。マイナ保険証の一本化方針は撤回し、紙の保険証の発行継続を国に対し強く求める必要があります。見解を伺います。
⑥3歳未満児の保育料無償化
本市の3歳未満児の保育料無償化は国の制度の範囲では住民税非課税世帯、生活保護世帯のみに限定しています。
本市独自では第3子から無償にしていますが、3歳未満児の保育料は月額4万5,200円の世帯が多くを占めており、働いて収入を得るほど保育料負担が重くのしかかるのが実態です。少子化対策としても子育て支援としても、3歳未満児の完全無償化が求められています。県内では第1子からの完全無償化をした自治体は8市町村に広がっています。本市でも安心して子どもが産み育てられるよう、無償化の対象を市独自支援で今後実施する必要があります。見解を伺います。
(新たに約7億9,000万円の財政負担が生じる)
⑦こども発達支援センターの拡充
本市のこども発達支援センターは0歳から15歳までを対象にしています。文科省による公立小中学校の児童生徒に行った調査では小中学生の8・8%が発達障害の可能性と報告されています。本市でも、支援が求められる子どもたちが増えていますので、大変重要な事業で、保護者の拠り所となっています。 しかし、中学校を卒業するとつまり高校生になると、対象となりません。群馬県発達障害者支援センターに移行することになりますが、県内のすべてのこどもから大人までを対象にしているために、なかなか予約を取りにくいなどきめ細かで継続した支援には限りがあります。特に、思春期以降には社会的に失敗することが多くなり、二次障害を引き起こすこともあり、支援の継続が求められます。そこで、本市の事業の対象年齢を成人まで引き上げ、職員を増員し施設の増築も含めて見直しの対象にする必要があります。見解を伺います。
⑧高齢者施策の拡充
1つは介護保険について
本市は高齢者の生活がますます苦しくなる中で、追い打ちをかけるように、第9期介護保険事業計画で3年間の介護保険料を引き上げたことは残念です。介護保険料の負担が重すぎて、今や「保険あって介護なし」となっています。そのためには、国の社会保障を抜本的に拡充すべきです。介護保険の財源構造の、国庫負担割合を今の25%からせめて5%引き上げ、増額を強く求めるべきです。また、全国でいまだに大きな批判があがり、改善を求めている訪問介護サービスは基本報酬の引き下げの撤回を国に求めるとともに、市長公約でもある地域包括ケアシステムの充実をするために、本市独自でも訪問介護サービスへの支援が必要です。どのように考えているのでしょうか。
次に、
2つは緊急通報システムです。
新年度の予算は増額されましたが、周知を徹底することによる利用者増を見込んでいる予算とのことです。周知が徹底していなかったこと自体問題であり徹底すべきです。同時に、対象者を拡大して住民税課税世帯も今後対象にする必要があると考えます。
3つは補聴器購入助成金の上限を引き上げることです。70歳を過ぎると2人に一人が加齢性難聴であるとの調査結果があり、難聴の進行により耳から入る情報が減り、脳の機能低下や精神疾患、認知症のリスクも高まります。加齢性難聴の中等度者に対する助成金制度の周知を強め現在の2万5千円からせめて5万円まで増額する必要があると考えます。
※昨年度55件137万1800円
4つは熱中症予防対策となる高齢者へのエアコン設置補助金です。昨年度末に予算計上されましたが、まだまだ設置希望者もおり、周知も弱かったと考えます。今年度も今後予算化する必要があります。それぞれ見解を伺います。
※昨年度7件65万6724円、平均93817円
⑨大規模開発や都市計画道路の見直し
暮らしや子育て、福祉支援のための財源の見直しでは、不要不急の大型公共事業の見直しが必要です。
1つは千代田中心拠点地区市街地再開発事業ですが、詳細設計や総事業費はまだ明確ではありません。とりわけ土地の高度利用で生み出される保留床処分が計画通り行えるのか不確定です。全国的にも、地方都市では資材高騰のあおりを受けて、計画を中止せざるを得ない再開発事業もあります。保留床処分が進まなければ、市財政への負担も懸念されます。したがって、全体規模が過大とならないように、十分な情報公開と市民合意を行うべきです。見解を伺います。
2つは都市計画道路についてです。整備にあたっては多額の経費と時間を要し、最優先すべきなのか、問われる事業もあります。たとえば、江田・天川大島線及び利根川新橋です。利根川西側では、育英高校の移設や県道前橋長瀞線の拡幅など課題があり、全線開通は容易ではありません。当分の間は利根川東までの整備にとどめるべきです。
このように、都市計画道路は右肩上がりの経済の時に計画され、その後バブル経済を経て今や少子高齢化社会の下で、車最優先の社会からの街づくりの転換が求められています。こうした社会情勢の大きな転換点に立つ今、都市計画道路の整備について改めて見直すべきと考えますが見解を伺います。
第2質問
大規模開発や都市計画道路の質問をしましたが、そもそも前橋のまちづくりはどうあるべきかが問われています。
本市は立地適正化計画で居住誘導地域を指定していながら、全国でも異常なほどの9地区の土地区画整理事業を並行して実施し、莫大な予算を使っています。文京町4丁目ではボトルネックの解消が最優先課題であるにもかかわらず、解消しないのが現状です。元総社落合第1の土地区画整理事業でも17号からの入る道路の拡幅が最優先されるべきであるにもかかわらず、いまだに道路整備されていません。長期の面的な土地区画整理ではなく街路事業などで道路拡幅すべきだったのではないでしょうか。
また、前橋駅北口の27階建てマンションや新前橋駅東口の民間マンション建設等に国・県とともに莫大な予算を投入しています。
また、現在、中心街を活性化するとした千代田中心拠点地区の再開発を行いながら、前橋郊外に商業施設の南部開発やローズタウンさらには道の駅前橋赤城などの開発を行ってきた結果、コンパクトシティとは大いに矛盾してきています。この間の市政運営を見直して少子高齢化社会にしっかりと向き合い長期的な展望に立った、市民本位の街づくりに転換する必要があると考えます。こうした財源を子育てや暮らしや福祉に振り向けていく見直しをしていただきたいと考えますが見解を伺います。
第3質問
前市長が実施してきた12年間の事業を総点検することは容易ではありません。どこを見直しどこを改善するのか。そのためには市民目線で、市民要望に沿った市政運営をしていただくことが最も重要なことではないでしょうか。
今回の予算はそうした小川市長の思いを反映するスタートと考えます。今後の市政運営に期待するところですが見解を伺います。