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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

2024年 第2回定例会 総括質問 長谷川 薫議員 7/10

1 事業の総点検について

(1)目的

 

はじめに、小川市長が指示された本市事業の総点検について伺います。

点検の成果を上げるためには、何よりも幹部職員や事業を所管する各課に総点検の目的を十分理解してもらうことが必要と考えます。総点検を担当する財政課は、目的をどのように周知されているのか伺います。

 

【提言】3月の臨時議会で、市長は「これまでの市政に敬意を払いながら、市長が変わったことで市政が停滞してしまうことは望まない」と述べるとともに、「進めるべきは進め、改めるべきはきっちりと改めて、前橋市にとって追い風となるよう取り組みを進める」と述べておられます。財政課は、そうした市長の思いを全庁に伝えて総点検を実施していただきたいと思います。

 

(2)点検対象

 

次に点検対象です。点検する事業は抽出ではなく、全事業を対象としているため、事業所管課から提出される報告書は、毎年の予算要望とほぼ同じ事業評価になることが懸念されます。

点検で成果を出すためには、提出された結果報告書を踏まえて、費用対効果や市民ニーズを踏まえた予算配分が適切かどうかについて、全庁横断的に判断ができる財政課や政策推進課、行政管理課などを中心に、さらに点検対象を絞って事業評価すべきではないでしょうか。

 

【提言】 網羅的な事業点検は、評価が難しくなると思います。

たとえば、デジタル事業については、国から全額補助金交付があっても、市民ニーズのない自動運転のような先進的な社会実験事業を、なぜ前橋市が長期に担う必要があるのか、あるいは、国や県などの補助金交付を受けても、市債発行を含めて市の独自財源の負担が大きい都市計画道路整備事業、区画整理事業、都市再開発事業などを現在の工期や規模をそのまま続けてよいのかどうかについて評価が必要です。

さらには、市営住宅は、修繕が遅れて老朽化が進み、管理戸数の約4割近くもの空き部屋がさらに増え続けており、住宅のセイフティーネットの役割を十分に果たせなくなっています。修繕予算の増額が緊急に必要です。

このように、すでに明らかになっている事業の課題や問題点を絞った点検も行うべきです。指摘しておきます。

 

(3)判断基準

 

 次に総点検の判断基準についてです。

福祉や教育など、公約に沿って新たな施策を立ち上げ、現行の事業を充実するための予算を捻出するためには、前例踏襲ではなく不要不急の事業をしっかりチェックすることが必要だと思います。

市民ニーズの高い事業展開が抑制されていないか、開発事業・公共事業などのハコもの規模が身の丈に合っているか、実施している事業に緊急度があるのかどうかなど点検基準を明確にして、年度内の補正予算で対応したり、来年度予算編成方針に反映させるべきです。

事業の拡充、現状維持、事業規模の縮小、事業期間の延長、そして廃止など、わかりやすい評価基準を示すべきと思いますがいかがでしょうか。

 

【提言】行政のトップである市長が前橋市の事業全体を俯瞰できるように財政課が支えることは大事ですが、事業予算が市民全体のニーズに応えたものになっているか、一部の既得権益に奉仕するものになっていないか、総点検でしっかり見定められるよう、所管課に的確な点検基準を示していただきたいと思います。

 

(4)確保した財源の活用方針

 

次に、新たに生み出した財源の活用方針です。いま多くの市民が総点検による市政運営の新たな展開を期待しています。

市長が公約で示した新規施策や充実策に必要となる財源規模を示して、全庁的にその財源を生み出す積極的な努力や意欲が生まれる総点検にすべきです。総点検で生み出した新たな財源をどのように活用しようとしているのか、その基本方針を明確にすべきと思います。どのようにお考えでしょうか。

 

【提言】たとえば、学校給食費の無償化については、国や県が制度化しなければ小学校の無料化に必要な財源は約10億円必要です。3歳未満児の保育料の無料化やマイタクやデマンドバスの運行改善を含めれば、相当の財源を生み出さなければなりません。今後、段階的に市長の公約実現に向けた予算配分を進めようとすれば、市民合意を得ながら、建設・土木費である区画整理や再開発事業などへの財政投入を抑制しなければなりません。

財政および政策部局に、今後の予算編成にあたっては、柔軟な判断をためらわないよう求めておきます。

 

(5)市民参加

 

市民参加ついて最後に市長にお伺いします。

財務部長に事業の総点検の進め方や今後の予算編成に向けての考え方を伺いましたが、今一つ、全体の進め方がはっきりしません。
 市長は、人口減少や少子高齢化が進む中で、市民要望も多様化、複雑化し、高度化しているだけに、多くの市民の意見を直接聞いて市政運営に反映させたいと表明されて、努力されています。総点検についても、何を目指しておられるのかを、市民にもわかりやすく示すべきだと思います。

前橋市の限られた財源の下で、どのような市営運営をめざすか、何を優先するかがいま市長に問われています。

市民が市長に期待しているのは、これまでのように、大型開発やデジタル化優先ではなく、子育て教育、公共交通、高齢者福祉の充実が強い市民の要望です。確信をもって前橋市政のかじ取りをするために、総点検を成功させて、市民の願いに応えるべきです。市民とともに問題や課題を共有して課題を解決していく努力が大切だと思います。どのようにお考えでしょうか。

 

【提言】市長が掲げた理念である「市民の笑顔が輝く前橋市政」の実現を目指して、総点検を成功させて、迷わず市民の熱い期待に応えていただきたいと思います。

 

2  公共の役割について

(1)外部委託

 

公共の役割について質問します。この間、本市行財政改革計画に基づいて、水道、市営住宅管理など多くの業務が民間委託され、公園や温泉施設などの公的施設が指定管理者への管理に次々と移行されています。

「民間でできることは民間で」という、新自由主義的な流れに追随して業務の外部委託を拡大すべきではありません。

様々な問題を抱えた市民が訪れる市役所の窓口は、単なる定型的な業務ではなく、専門性や個人情報保護などが求められる部所であります。

市職員は、窓口対応の中で市民ニーズを把握し、行政や制度の課題を自覚し、専門性を深め成長し幹部になっていくのではないでしょうか。

また、アウトソーシングの正当性を示すために、しばしば「公と民の間のコスト比較論」を根拠にして、「直営よりも民間委託の方が財政支出が減り、競争が働き市民へのサービスが多様化して良くなる」などと説明されています。

しかし、まちづくり公社や社協などの非営利の公的外郭団体に担われる場合は原則的に営利の追求は避けられますが、株式会社などの民間営利企業への委託となると、自治体行政という公務の場での営利追及が行われ、低賃金で不安定雇用が常態化し、市民サービスが低下します。

また指定管理者制度も指定管理料がどのように使われているのか、収支がどのようになっているか、非正規率が非常に高い職員への処遇実態も不透明です。

これらの課題を総括し、公的責任を後退させる外部委託推進方針を抜本的に見直すべきです。答弁を求めます。

 

【提言】今、自治体が実施主体であっても、実際の事業は介護保険でもデジタルサービスであっても福祉法人や民間企業や主導する場合が少なくありません。委託や指定管理で事業に参画する企業は、公共性の高い行政分野に収益という考え方が持ち込まれます。行政の産業化の進行を広げていくと、「住民福祉の増資」という地方自治体の責務が弱まります。この点をしっかり見抜いていただきたいと思います。

 

(2)公務労働の非正規化

 

 公務労働の非正規化についてです。本市では、正規職員の定数を削減し、人件費支出の抑制をめざす職員の非正規化が、行財政改革方針として一貫して取られてきました。民間企業での市民の安定雇用を行政施策に位置付けている前橋市が、行政内部に低賃金労働を拡大して良いはずはありません。

窓口業務を含めて、保育や介護や教育などの対人社会サービス労働は、非定型的労働であるため、その専門性は実際の現場を踏んだ経験が必ず必要とされます。そのために、処遇が安定した長期雇用が保障されなければなりません。年間雇用の会計年度任用職員や短期のアルバイト雇用によって専門性をカバーすることは到底困難です。

今後、正規職員の定年延長によって会計年度職員の雇用が減ることが見込まれますが、会計年度職員の雇用延長や正規職員としての採用、処遇改善を進めるべきと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

 

【提言】市の施策を展開するのは行政職員です。その職員の非正規化を進め、人件費を削減している行政が行政職員の自発性を引き出し、行政のプロとしてのキャリア形成を進めることはできないと思います。

市民ニーズに積極的に対応する職員を育てて、市民に喜ばれる市政にしていくためには、処遇が安定している正規職員を可能な限り増員すべきです。65歳までの定年の段階的延長によって今後増えるベテランの正規職員の増員を契機に、全職員の4人に一人、約900人の非正規職員を200人減らせる見込みとお聞きしています。正規職員定員管理計画を見直すよう強く求めておきます。

 

(3)市民の意見提案

 

つぎに市民の意見提案についてです。

いま自治体行政にとって、市民参加が重要なのは、市民が福祉や教育、まちづくりや地域経済など様々な問題を通じて地域にかかわり、地域の実情を理解し、地域での実践を通じて自治能力を磨く市民を増やさなければならないからです。行政に関心を持ちながら、地域での自治能力の高い市民は、行政を支える存在となり、行政にとって最も頼りになる存在となります。

いま、小川市長の呼びかけで、市民の意見を直接聞くタウンミーティングが始まりました。シンポジウムも行われました。従来のような自治会役員を中心とする集会ではなく、自発的に参加し意見表明を希望する市民が多数でした。

市民から出された多様な意見や要望を市民や市職員に広く公表して、前橋市政についての政策的な合意形成の努力を強めるべきと思いますが、現状の取り組みについて伺います。

 

【提言】

市民の価値観は多様ですので、寄せられた意見を実際に政策や具体的な施策に反映させることは大きな努力が必要ですが、何よりも市民の意見や要望を行政が受け止めて、職員の専門性を生かして練り上げ政策化することこそ、住民自治を強め、文字通り「市民が主人公」と言える市政運営の前進に結びつくと思います。今後の広聴活動の計画や施策に反映するためにも、組織的な取り組みの強化を求めておきます。

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