1、学校現場の実態と改善について
教職員の働き方を議論する中教審が、審議のまとめを公表しましたが教員の基礎定数を増やさず、加配教員の増にとどめたことや、長時間労働を助長し、残業代の不支給を維持する法制度(給特法・義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)を残したことに、現場から怒りと不満の声が上がり、このままでは、学校現場が持たないとの声が上がっています。
(1)勤務実態の把握
文部科学省をはじめ、教職員組合などが、勤務実態調査を行っています。
文科省の調査では、平日の小学校の勤務時間は10時間45分、中学校、11時間01分の長時間労働となっています。(令和4年)
県教委が毎月公表している教員の勤務状況調査では、 時間外在校時間が減少傾向ではありますが、過労死ラインとされる月80時間を超える長時間勤務の教職員も一定数おり、時間外勤務に加え、自宅で持ち帰り仕事もやらざるを得ない現状です。
本市も教職員の多忙化解消に向けた取り組みを様々行っておりますが、本市教職員の勤務実態について伺います。
文科省は、残業代の不支給を定めた給特法を改め、労働基準法の適用除外を削除し、時間外、休日勤務手当を支給すべきです。
さらに、教員の勤務の特殊性、専門性を評価するのであれば、本給を抜本的に引き上げることです。そのうえで、教員の業務が所定時間内に収まるように、教員を増やし、業務量をへらす計画を国や自治体に義務付けることが必要と考えます。
(2) 授業コマ数
教員は授業のほか、授業準備や、給食指導、担任業務、校務分掌や会議、打ち合わせなあり、これを7時間45分の所定勤務時間労働で行うためには、教員の1週間の授業コマ数が20コマでもきついですが、文科省の調査では 平均、小学校24.5コマ(平成28年度)中学校は18.2コマとされています。
週26コマ以上を担当している9割の教員が「負担」、「どちらかというと負担」と答えています。1人の教員が、1日5コマや6コマ受け持っていては、残業や仕事の持ち替えりは必至です。
小学校高学年の教科担任制の実施や市独自の教員を増やすなど、教員一人当たりの授業コマ数を減らす手立てをさらに進めることが必要と考えますが、本市の教員の授業コマ数の現状と授業コマ数を減らす手立てについて伺います。
授業の準備に60分未満しか取れないと、6割を超える教員が回答しています。
教員が受け持つ授業時間コマ数の上限の定めはないとのことですが、やはり、上限を決めることが必要です。指摘しておきます。
(3) 休憩・休暇の取得
教職員組合が2022年に行った勤務実態調査では、45分間の休憩時間を約7割が全く取れないと回答しています。年次有給休暇の取得は、文科省の調査でも、小学校、平均13.6日 中学校平均10.7日です。
年間20日の年次有給休暇があり使わなかった日数は、翌年度に繰り越せますが、現状では、とても消化することはできません。
ある教員は、「管理職からは年休を取りなさいと言われるが、授業がある日は休めない。夏休みや冬休みなどにまとめて取るしかできない」と言っています。
年度途中での代替え教員の欠員など、教員の補充が困難な中で、有給休暇を取ることも難しいのではないでしょうか。
本市教職員の休憩時間や、年次有給休暇取得の実態と、取得のための現場の工夫・取組について伺います。
(4) やりがい
多くの教員が、子どもたちとともに喜びや感動を分かちあい、子どもの人格の発達や成長を見守ることのできるやりがいのある職業として誇りをもって取り組んでいます。
しかし、教員の業務は、多忙を極め、やりがいを最も感じる授業の準備に十分な時間も取れず、病気や精神疾患を抱える教員も増加し続けています。せっかく意欲を持ち教職に就いたのに、若くしてやめていく先生がいることは残念です。
働き方改革による業務改善も行われていますが、教育委員会は教員の悩みや相談を受け止め、教員自身の成長を支える職場環境づくりを支援していくことが大切と考えます。
教員がやりがいを持ち、働きやすい環境づくりに向けた、取り組みについて伺います。
(5) 部活動
部活動は、スポーツや文化活動などを通し、健康な体を作り、その分野の能力を高め、子どもたちの健全な成長に必要な活動と考えます。
しかし、長い間、部活動は、専門のスタッフを置かず、教員の負担・犠牲の上に成り立ってきました。
市教委は平成30年に「適正な部活動の運営に関する方針」を策定し、部活動指導員制度、部活動検討委員会の設置、適切な休養日の設定、将来の地域移行についても、言及しています。
部活動については、「やりがいを感じる」と 「負担を感じる」が、教員間で意見が2分されています。
負担を感じる要因として、部活動の指導で授業準備や教材研究ができないことや、土日対応があること、競技経験や専門知識が不足していることなどが挙げられています。求める支援としては、大会の引率、大会の運営や審判、指導を外部人材にゆだねるべきなどの意見があります。
本市は部活動の地域移行に向けた取り組みを進めていますが、現在、部活動の指導や、大会に出場する生徒の引率などをする部活動指導員を配置しており、教員の負担軽減を図るものとなっていると考えます。
部活動指導員の配置状況と、さらに学校からの要請等に応え、指導員を増員していくことも必要と考えますが、見解を伺います。
(6) 働き方改革
各学校における働き方改革について、「進んでいない」、「どちらかと言えば進んでいない」と考える教員が多数を占めています。
この間教員の働き方改革を進めてきましたが、現場の教員の長時間労働は改善されず、給特法の、4%の調整額を10%以上にしても、残業代も払われない長時間労働の助長になりかねず、これは、 教員としての特殊性を考慮したとしても、労働者として正常な働き方ではありません。
正規非正規を問わず、担任を持ち、授業や学校行事、部活、生徒指導、校務分掌、PTA活動、地域の行事への参加など多忙な業務を抱えています。
短い休憩時間、残業や持ち帰り仕事など。このままではやりがいを持っていても、疲れ果てて、子どもたちに対しゆとりを持って向かい合うことはできず、被害者は子どもたちです。このような状態を抜本的に改善しなければ、教職をめざす若い人も減ってしまいます。
解決するためには、現場の多くの先生も求めている、少人数学級を推進し、教員の定数を増やすことです。
本市も、教員確保に苦慮しており、教員不足の現状は見過ごすことはできず、県に、正規教員の増員と教員定数の改善を求めています。
教員の労働環境の改善と教員確保を考えるなら、国の動向待ちではなく、独自の少人数学級の拡大が急務だと考えますが、いかがでしょうか。
2、こども基本条例の制定について
国の子ども基本法の制定をうけ、本市も、こども基本条例の制定を進めています。 子どもの権利条約が掲げる、子どもの最善の利益、生命、生存及び発達に対する権利、意見表明権、差別の禁止の4原則を保障し、子どもを権利の主体として位置づけることが大切です。子どもの貧困や児童虐待など子どもを取り巻く深刻な事態が顕在化しており、 さらに、教育の問題では、国連からも繰りかえし、勧告されている、過度な競争、管理教育、いじめ、不登校、理不尽な校則など、学校教育におけるこどもの権利侵害が放置されている現状があります。
本市がめざすこども基本条例は、前橋を子どもの笑顔あふれる街にしていきたい、 子どもの権利擁護を中心に据えた条例の制定をめざすとしていますが、このような子どもたちを取り巻く厳しい現実としっかり向き合わなければなりません。
教育委員会や関係部署とも連携し、まず子どもたちの権利を尊重し、意見を述べる環境を整えることが大切であり、条例にも子どもの意見をしっかり反映していくことが大切であると考えますが、見解を伺います。