私は日本共産党前橋市議団を代表して議案第79号及び第84号以上2件の反対討論を行います。
最初に、議案第79号令和6年度前橋市一般会計補正予算についてです。
反対の項目の第1は交通政策推進事業追加の自動運転実証調査事業である前橋駅から中央前橋駅区間の路線バス自動運転化に向けた、走行技術の確立及び向上に関する業務委託等の予算8千万円の計上です。国が予算を全額出すといえども、本事業の予算化は認められません。
本市は2018年から群馬大学との官学連携による自動運転の実証実験を開始して以来、毎年国の採択を受けて6年もの実証実験・調査を行ってきました。今年度は7年目でレベル4に到達するための走行技術確立とのことです。
自動運転でレベル4の実証実験をしている福井県永平寺町では公共交通の人手不足という深刻な課題に直面して、実用化に向けてスタートした8年前から地域にどう受け入れてもらうかを検討して自動運転のメリットとともに、安全性が確保されているのか、事故が起きた場合の責任などのリスクを高齢者から小中学生まで町民に徹底して説明して周知をして、理解を求めてきました。
一方本市では、マイタクやマイバス、路線バス、デマンドバスの運行改善を最優先にする課題がありながら、市民要望ではなく、市民への説明責任も不十分ななかで、国の誘導策に乗って実証実験に手を挙げ、トップダウンで進められてきた事業です。しかも、市の担当課はこの事業に手を取られて、公共交通の身近な要望に十分応えられてきませんでした。
そもそも、自動運転は世界の先進国で実現に向けてしのぎを削って研究、実証実験され、現在アメリカと中国で本格運行されています。しかし、多くの課題と問題がありレベル5の実現に向けては険しい道のりです。技術的な課題といわれる安全な走行のために雨や雪や霧などの有無に対する適切な対応ができるセンサー技術の確立や、法規制の課題では事故が起きた場合の責任問題、インフラ整備では安全性を担保するための道路整備、多くのデジタルとネットワークを利用するためにサイバーセキュリティーの必要性、車両の位置情報や周辺環境のデータ取得、乗客の行動データなどを収集するのでデータプライバシーの問題などが指摘されています。
このように様々な課題がある自動運転の実証実験に対して、現在全国で50自治体が国の要請を受けて取り組みを行っていますが、本市が最優先課題として取り組む意義はありません。むしろ、民間企業の開発にゆだねるべきであり、賛成できません。
第2はGunmaaSサービスの高度化事業として6100万円の予算についてです。その財源内訳は国が3分の2で4066万6千円、前橋市が残りの3分の1です。バス定期券のデジタル化や商業施設と連携したパークアンドバスライドの実証実験などの交通サービスを行う内容です。
GunmaaSは2023年3月15日からマエマースと統合してスタートした交通サービスです。群馬県内のバス、タクシー、鉄道などの交通手段やチケットの予約、購入などの利用をスマホでできるアプリです。さらに前橋市は市民などへの限定料金を適用するために、交通系ICカードとマイナンバーカードを紐づける登録を行っています。
現在のGunmaaS登録者は群馬県内外を問わず、15,037人、そのうち群馬県民は6,552人、前橋市の交通系ICカードとマイナンバーカードを紐づける登録は1,709人で、そのおよそ8割は前橋市民と推定されます。
本市は群馬県が立ち上げたマースと前橋市のマースつまり交通系アプリの共同利用を実施していますが、交通系アプリはJRやヤフーなど他の企業も使いやすいサービスを提供して県民が利用しており、GunmaaSが特に利便性が高いとは言えません。また、前橋市はマイナンバーカードとの紐づけをしているために決済もできるものですが、利用は低調です。不特定多数の県内外の住民が利用する制度は個人情報を活用するのではなく、誰もが活用できる制度にすべきです。また、利便性が高まるかどうかもわからない、市民の要望でもない事業に実証実験を行うために、職員が手を取られるよりも、マイタクやマイバス、路線バス、デマンドバスなどの公共交通の改善を強く求める市民の要望にこそ最優先で答えるべきであり、賛成できません。
次に議案第84号群馬県後期高齢者医療広域連合の規約変更に関する協議についてです。
この議案は、後期高齢者医療保険において今までの紙の被保険者証の廃止を本年12月1日におこなうこと。同時に12月2日からマイナ保険証に紐づいていない被保険者に対して資格確認証発行の事務を行うことに対して、地方自治法に基づいて、広域連合の構成員である県内全市町村に同意を求めるものです。
反対の理由はそもそも任意であるマイナンバーカードを使ったマイナ保険証の発行を中止する必要があると考えるからです。マイナ保険証は誤った紐づけが相次いでおり、医療機関で資格確認できない、医療費負担の間違いなどで、窓口で10割負担を求められて、結局受診できずに死に至った患者も生まれるなど、全国保険医団体連合会の調査では6割の医療機関でトラブルを確認しています。本市のマイナンバーカードの交付率は6月末で83・7%、マイナ保険証への紐づけは国保と後期高齢者いずれの保険も60%となっています。しかし、医療機関での後期高齢者のマイナ保険証の使用率では3月現在で7・15%となっており進んでいません。その背景には医療機関で読み取り端末に入れた際に4桁の暗唱番号がわからない、医療機関自身が設置されていても利用が不十分、誤登録などで不安で使わないなどが原因です。政府は誤登録などの問題を抜本的に改善せず、事実上義務化して強制を強めています。いまや、何が何でも医療機関に促進を促すために、利用率を高めた診療所や薬局には20万円病院には40万円の一時金まで支給します。
さらに、政府は12月から現行の紙の保険証を廃止して当初の予定通りスタートさせるために、マイナ保険証に添付して資格情報のお知らせという現行の紙の保険証と同じ記載をしたA4判のペーパーをマイナ保険証を持つ全高齢者に発行して、4けたの番号を入力しなくとも両方を提出すれば、受診できるようにするとしています。マイナ保険証を持たない高齢者には資格確認証を発行します。高齢者にとっては制度がわかりにくく、さらなる混乱をもたらしています。また、高齢者施設では、個人のマイナ保険証を保管したり使用するための手立ても、困難であると多くの事業所が改善を求めています。このように導入先にありきで、高齢者の現場の実態を無視した制度は直ちに中止または撤回すべきであり賛成できません。
以上申し述べまして2議案の反対討論といたします。