私は日本共産党前橋市議団を代表して議案第97号、第99号及び第103号以上3件についての反対討論を行います。
最初に議案第97号令和6年度前橋市一般会計補正予算についてです。
その1つは新型コロナウイルス感染症予防接種の定期接種化に伴う業務委託の実施等の予算9億2549万5千円についてです。そのうち、国の助成額が6億7千380万円です。本市は接種対象者を65歳以上の高齢者と60歳から64歳までの基礎疾患のある方のうち、希望者を6万人と想定し、ワクチン接種を10月から順次案内する計画です。
その接種費は1人当たり15,300円、国の助成金は8300円、各自治体は約半額の7040円です。本市は7040円のうちの接種対象者の自己負担額を3000円にする議案です。しかし、接種対象者の自己負担額を3000円かさらに引き下げるべきと考えます。
コロナ感染症は5類に移行されましたが、現在変異株KP.3のウイルスの感染が広がっており、とりわけ高齢者に感染すると命に係わる重篤に陥る疾患です。市内でも、とりわけ施設や病院では高齢者の死亡が問題となっています。そうした点で予防接種は重症化防止に引き続き有効な手段であり、希望する高齢者などが接種できるようにすることに異論はありません。しかし、今、高齢者は諸物価が上がり、生活費への経済的負担が重く、日々の生活に苦慮しています。一方で、年金は物価高に見合うほど上がらず、生活が苦しくなっています。こうした実態から、インフルエンザワクチン接種費用と同程度に、本市の予防接種自己負担額3000円から引き下げて、本市と同程度の中核市でありお隣の高崎市の1500円にならうべきです。
その2つは前橋テルサ解体設計業務委託等の予算1990万円についてです。反対の理由は市民にとって必要な公的施設である前橋テルサは、修繕費や維持管理費がかかっても維持していくことは当然であると考えるからです。私たちはこの間、集客を増やす改善提案を繰り返し行ってきましたが市当局は、
民間にゆだねればより有効に利活用できると強弁し、最低限の修繕さえしませんでした。結局、民間事業者はより高い利益を生み出す施設でなければ引き受けるところはなく、民間にゆだねる公共施設の縮減計画は実際に破綻しました。
前橋テルサは1992年に前三百貨店の跡地に62億円の事業費で建てられ、当初は雇用・能力開発機構と群馬県と前橋市の所有でした。その後雇用・能力開発機構と前橋市共有となり、さらに、2004年に前橋市が単独所有し現在に至っています。
その後、2009年の包括外部監査で撤廃も含めて検討するように指摘され、本市当局は2017年にサマーレビューでテルサの廃止を決定しました。しかし、テルサは建設当初から100年持つ複合施設として関係者が総力を挙げて建設した経緯のある優良な建築物です。わずか、30年で解体する理由はありません。市営住宅は長寿命化計画で70年間保全をめざして、維持管理しながら、一方で前橋テルサは解体する決断は相矛盾しています。また、地球環境問題の観点からも、30年で除却すれば、建築物のライフサイクルからしても、地球環境に大きな負荷がかるので、いかに現存する建物を100年間維持していくかが問われています。
8月25日に上毛新聞のトップ記事で「テルサ解体方針」が報道された直後から、わが市議団に公共施設として残してほしいという多くの声が寄せられました。
本市は今後、市民温水プールは大渡プールのみになる可能性があり、350人収容できるホールは市民文化会館の大規模改修で当面前橋総合福祉会館と大胡シャンテで群馬県民会館の存続は不透明であり会場不足は必至です。2017年のサマーレビューで廃止を決めた時点での情勢とは大きく変わっており、市内の芸術文化や健康増進施設の不足は深刻となります。しかも、テルサは中心街に存在し公共交通の利便性も高く、今後立地適正化計画の中心地域であり、高齢者も子育て世代も全住民的にも使いやすい立地にあるところであります。
市長はタウンミーティングなどを開催して市民の声を真摯に聞くという決意を繰り返し述べられています。しかし、テルサについては、前市長が決めた方針を追認しています。改めて、前橋テルサを利用していたサークルや文化団体など多くの市民団体の意見を十分聴取して、今必要不可欠な市有施設であるテルサの存続について真摯に検討すべきであり、拙速な決定には賛成できません。
次に、議案第99号令和6年前橋市産業立地推進事業特別会計補正予算についてです。
仮称大前田樋越産業団地開発に係る測量業務委託等の予算、4554万円についてです。
宮城・大胡・粕川の中山間地の中でも、とりわけ優良農地を産業用地に転用することに賛成できません。当該対象となる地域は周辺農地と比較しても平地であり、莫大な経費をかけて構造改善をして優良農地として整備した農地です。これを潰して産業団地にすることが最良の方法なのか疑問です。今、コメ騒動といわれるほど深刻なコメ不足に陥っている中で、高齢化による担い手不足、コメが再生産できないほどの価格の下落などの根本問題が横たわっており、食糧生産を安定的に供給する役割と責任、そして本市農業を振興することこそ最重要課題です。そのためには、優良農地を保全すべきであり、本補正は認められません。
次に、議案第103号前橋市健康保険条例及び前橋市福祉医療費の支給に関する条例の改正についてです。
本条例改正は本年6月に改訂したマイナンバー法の実施で、今年12月2日から現行の健康保険証廃止による条例改定です。
反対の理由はそもそも、現行の保険証を維持すべきだからです。9月2日付上毛新聞のトップ記事でも現行の保険証廃止まで3か月となった時点でも、上毛新聞をはじめ全国18の地方紙のアンケート調査で現行の保険証を残してほしいと8割の方々が答えています。マイナ保険証の一本化により、トラブルが心配、情報漏洩などのリスクがあるなどの問題も指摘されています。
この間の政府の方針では、導入の理由に挙げている質の高い医療、効率的で持続可能な医療を実現していくためとしています。しかし、転職の際の切れ目のない保険証の移行や重複投薬の防止は現在でも保険証やお薬手帳で行われています。ましてや、マイナ保険証で医療機関が医療情報をはじめ投薬情報の閲覧可能になるのはレセプトの請求データがもとになっているために早くて1か月後にしか確認できないことになり、保険証廃止の理由になりません。
また、この間多くの窓口で保険資格の確認ができないことや医療費の負担割合の間違いなどのトラブルが続出しており、命にかかわる重大な問題がおきていることは、国民皆保険制度の根幹を揺るがす重大な問題です。
さらに、政府は自治体に対してマイナ保険証を持たない保険資格者に、本人の申請なしで資格確認書を送り、有効期間を最長5年に延ばすという方針を出していますが、これも、新たな混乱を生んでいます。被保険者の有効期限ごとに事務を行う自治体の負担は膨大です。
そしてなによりも、マイナ保険証への不信感が広がっており、現行の保険証を維持してほしいという圧倒的多くの国民、市民の世論に応えて、マイナ保険証の利用拡大を見直して現行保険証を継続すべきです。 以上、申し述べまして3議案に対する反対討論といたします。