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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

2024年第3回定例会 決算議案反対討論 長谷川薫議員 9/26

私は、日本共産党前橋市議団を代表して、議案第85号、第86号、第87号、第88号、第89号、第93号、第94号及び第95号について、反対討論を行います。

令和5年度の一般会計及び各特別会計は、山本前市長が予算編成し執行した会計であります。小川市長は、本議会初日の市長説明で、各分野の主だった事業の実績や成果の説明はされましたが、問題点や課題には触れず、最後に、今後の市政運営の方向性として、引き続き十分留意しながら健全な財政運営につとめ、市民や企業の声に絶えず耳を傾け、笑顔があふれる前橋市となるよう、市民ニーズや社会情勢の変化に応じた施策に取り組むと述べておられます。

しかし、昨年度の各会計決算は、全体として国が推進するデジタル事業やGIGAスクール構想さらには従来通りの再開発事業やマイカー優先の都市計画事業への財政支出が多く、アベノミクスが招いた円安による物価高騰で苦しむ市民生活や農業、中小企業を支援する施策が不十分であったと思います。以下、各会計について具体的に反対理由を申し述べます。

 

はじめに議案第85号、令和5年度前橋市一般会計決算認定についてです。

■反対する理由の第1は、国が推進する市民合意のないデジタル事業を次々と展開したからです。政府はマイナンバーカードをめぐる個人情報の漏洩や誤登録、誤作動など大混乱のさなかにあってもなおカードの普及、推進、利用拡大を進めています。その政府方針を無批判に受け入れている本市の姿勢は問題です。

昨年度は、戸籍、住民基本台帳関係や、国保、介護、母子保健などのシステムの標準化に向けての改修および制度に対応する業務推進のための情報システム運用事業に7億7,476万円が支出されました。また、デジタル田園都市国家構想交付金の採択を受けて、めぶくIDを活用する共助のまちづくり事業に2億5,979万円、電子地域通貨めぶくPay導入事業に2億7,018万円が支出されました。

マイナンバー制度について政府は、社会保障、税及び災害対策の分野における行政運営の効率化を図り、国民にとって利便性の高い、公平、公正な社会を実現するための社会基盤と説明しています。しかし、真の狙いは、国民一人ひとりの社会保障の利用状況と保険料及び税の納付状況を国が一括管理するものであり、社会保障費の抑制、削減を効率的に進めることが真の狙いです。 

また、デジタル化の旗振り役は財界です。ビッグデータを使って新たなビジネス展開を目指す大企業の要求に沿ったデジタル事業を、国や自治体が無批判に受け入れて推進すべきではありません。さらに、いま自治体行政も「DX推進による市民サービスの向上」や「業務の効率化」の名の下に、最も市民と職員の接点となっている行政窓口が廃止縮小される懸念もあります。

 

■反対理由の第2は、人口減少や超高齢化社会の到来が避けられないにもかかわらず、本市の都市計画を抜本的に見直さずマイカー優先の街づくりを従来のまま続けているからです。

昨年度も、土地区画整理事業は市内で9か所も同時施行を続け、対前年比19%増となる33億1,001万円の事業費を支出しています。

減歩によって道路や公園を整備する面的な再開発手法は、街路事業と比較しても、より多くの建物移転が伴うために移転補償費を含む予算が膨らみ、事業期間も長期化し、市民の切実な要望である狭隘道路の整備も容易に進みません。

費用対効果の慎重な検証がないまま、他の区画整理事業が遅れているにもかかわらず西部第一落合土地区画整理事業のように新規事業が次々と着手されていることは問題です。

また、広域的に道路のネットワークの構築をめざす高規格の都市計画道路の建設事業は、昨年度だけでも1億7,692万円を支出した江田天川大島線のように、国の補助金交付を受けても市債発行額も多額となり、県庁群大通り線も含めて多くが全線開通には至らず、費用対効果で大きな問題を残しています。

大規模道路の建設よりも、生活道路や通学路の改修費や街路事業費などをもっと増額するとともに、道路の除草や街路樹の剪定による景観の保全や安全通行の確保などを優先すべきです。

また、中心街や駅周辺の再開発事業は、「土地の高度利用」を目的として都市機能の更新を図ることや、民間投資を活用した再開発等を積極的に展開し、雇用の拡大や民間投資を誘発すると位置付けられ、千代田町中心拠点地区再開発事業には2億7880万円、前橋駅北口地区の市街地再開発事業には9億980万円、古市町1丁目の優良建築物整備事業補助金3624万円などが支出されました。

しかし、市当局は市民に事業の規模や必要性などを十分説明しないまま、再開発を進める民間事業者の要望に沿って都市計画審議会で決定し、多額の補助金を投入することは、結局、くらしや福祉を支える市民向けの予算を圧迫し、住民の福祉の増進を図るという地方自治体の役割が十分果たせなくなるという問題も起きかねません。したがって、今、市長が実施している事業の総点検では、これらの建設事業や再開発事業を対象にして重点的に点検すべきです。指摘しておきます。

 

■次に反対理由の第3は、超高齢化社会の下で重視すべき公共交通施策が不十分だからです。「車なしの生活は考えられない」というマイカー社会の下でも、地域公共交通は高齢者の通院や買い物、生涯学習や文化活動などにはなくてはならない移動手段です。

わが党は、マイタクの長距離利用者の負担軽減、マイバスの新規路線の増設、デマンドバスのドアツードア方式への改善など市民の強い要望に応えるようを繰り返し求めていますが、対応策が不十分です。

また、本市は群馬県とともに、デジタル技術を活用した公共交通の乗り継ぎ案内とキャッシュレス決済機能を持つGunMaasを普及していますが、高齢化社会がいっそう進行する下では、交通系ICカードで目的地に安い運賃で便利に移動できるようにする方が市民ニーズに応える施策です。バスの自動運転などの積極推進に比べると、交通弱者支援策はあまりにも弱く遅すぎます。

 

反対理由の第4は、老朽化する公共施設の適切なメンテナンスが進んでいないからです。

市営住宅は、管理戸数5380戸のうち、34%、約1800戸が空き部屋となっており、住宅に困窮している市民に低廉な家賃で公営住宅を提供するという住宅セーフティーネットの役割が十分果たされていません。

建物の老朽化が市民の入居需要を冷え込ませています。大規模修繕及び小規修繕予算を増額すべきです。

また、市有スポーツ施設はすべて指定管理者に管理させていますが、各施設を市民が利用するために当然行うべきメンテナンスが不十分です。

総合運動公園のプールは長期の閉鎖が続いており、三俣テニスコートは中学校の公式大会にも使われているにもかかわらず数年前にスポーツ団体から寄せられている老朽施設の改善要望に応えていません。

また、荻窪公園のあいのやまの湯や市民文化会館も長期間の休館による大規模修繕が予定されております。これら公共施設の各所管課の判断による随時修繕では市民が安全かつ継続的に施設を利用することが出来ません。全庁横断的な公的施設管理のマネージメントを行う体制を構築すべきです。

また前橋テルサは、民間譲渡や賃貸をめざして、昨年3月で閉館しました。おおよそ30年間も中心街活性化のシンボル的施設であり、年間40万人の市民が健康維持や文化活動の目的で利用していたホールやプール・フィットネスなどの複合施設を、包括外部監査の指摘を受けて、年間2~3億円赤字補填してきたことや施設の改修に多額の費用かかることだけを理由にして、行財政改革方針ですぐに民間活力導入が必要と判断し、売却方針を急いで決めたこと自体がそもそも問題です。住民に対する十分な情報提供と時間をかけた意見交換があまりにも不足しています。

このように市民の利用が多く、温泉施設も含めて地域コミュニティを形成する重要な公共施設を長期間休館し、廃止や解体する事態があまりにも多い本市の現状に、多くの市民が「いったいどのような維持管理をしてきたのか」と疑問や怒りの声を上げています。市民の利用を維持するために、長寿命化をめざして当然行うべき計画的なメンテナンスを怠ってきた市の責任は重大です。

■反対理由の第5は、市役所職員の定員管理や働き方改革や処遇改善が不十分だからです。

正規職員が本市行革方針によって減り続けています。公務の運営は任期の定めのない常勤職員を中心とすべきであるにもかかわらず、15年前の平成25年に2695人の正規職員が、昨年の4月1日には2575人になり120人削減されました。今年の4月1には、退職者が多かったこともあり35人増員して2610人になりましたが、正規職員をさらに大幅に増員すべきです。

また、昨年度は、延べ56人が過労死ラインを超える月80時間を超える時間外勤務をしています。病気で30日以上休職した55人のうち、メンタルヘルスが理由の方は31人で7割を占めております。働き方改革をもっと進めるべきです。

また、会計年度任用職員は、昨年の11月1日時点で、845人で、ほとんどが女性です。す。全職員の23.6%、4人に一人になっており、その処遇改善が十分進んでいません。官製ワーキングプアをなくすため、時間給1030円の更なる引き上げと取得率45%の有給休暇を取りやすくする改善が必要です。以前のような3年の雇い止めは改善されましたが、今でも、単年度契約のために、多くの職員が雇用継続に不安を抱えて働いています。臨時的な仕事ではなく、常時ある仕事は常勤雇用を原則とすべきす。職務能力のある会計年度職員は正規職員として採用するべきです。また、正規職員の産休や育休の代替として年度途中の職場の異動もあり、公務労働の調整弁となっています。会計年度任用職員のモチベーションを落とさないためにも、安易な人事異動を行うべきではありません。

本市で進めるべき行財政改革は、民間委託や職員の非正規化を進めるのではなく、行政の無駄遣いや官製談合やパワハラなどを根絶です。小中学校や保育所などの統廃合で市民サービスを後退させたり、公共施設の指定管理者制度や業務の外部委託で人件費を削減することを柱にした行財政改革はやめるべきです。

 

■反対理由の第6は、子育て支援策が不十分で教育の在り方が問題だからです。

今、子どもの貧困率は7人に1人という深刻な実態です。だからこそ義務教育は無償としている憲法の原点に立ち返ることが大切です。県内ではすでに21市町村が小中学校の給食費を完全無償化しています。わが党が繰り返し本市での実施を求めてきたにもかかわらず小学生の第3子無償化に固執していたことを認めることはできません。学校給食も教育の一環であり、全ての子供たちの健やかな育ちを保障するためにも、本市においても段階的ではなく中学校に続いて直ちに小学校の無償化を実施すべきです。

また、学校教育では、何よりも子どもの声に耳を傾けて、ていねいに応える教育こそ、子どもたちは豊かに育ちます。そのためには、一人ひとりの子どもに教員の目が届く少人数学級など教育条件の整備と子どもの状態に応じて教育をすすめられる学校現場の教員の自主性が欠かせません。ところが、本市教育委員会においても、教員不足の解決の目途がたちません。教員からは「学校が回らなくなるのは時間の問題」、「このままでは学校が崩壊する」という強い危機感が表明されています。

まこのような中で、本市は、小中学校の不登校の子どもが急増し、昨年度は748人となり、一昨年度から83人も増えて過去最多となりました。学校が子どもにとっていかに息苦しい場となっているかを示しています。不登校は、新自由主義的な競争社会や子どもの個性や多様性を押しつぶすような教育のあり方を背景にしているので、本人や家庭の責任とすることは誤りです。一人ひとりの不登校児童生徒に寄りそった支援をもっと強化すべきです、

また政府のGIGAスクール構想は、ICTさえ使えば教育がバラ色になるといわんばかりの短絡した発想で、子どもの成長や発達を深く考えていません。また、費用負担や健康面などでも問題をかかえています。ICTを使えば必ず良い授業になるわけではありません。教員自身の深い教材研究や授業準備、そして子ども同士や子どもたちと教員との生きたやりとりで授業の質は高められます。ICTはあくまでその補助道具の一つです。

教員のICT活用には得手不得手もあり、どう使うかは個々の教員にゆだねなければ、かえって授業の質が落ちかねません。タブレット使用が自己目的化し、教育委員会が行き過ぎた一律の使用方法などを徹底するようなことは、本末転倒です。

以上が一般会計決算に対する反対理由です。

 

次に、議案第86号 令和5年度前橋市国民健康保険事業特別会計決算認定についてです。

本市の国保加入者は、所得200万円以下の市民が7割を占め、法定軽減の対象世帯も約6割に上るなど、国保加入者の平均所得は協会健保などと比べても約半分です。国保税の所得に占める割合は既に1割に及んでいるため、払いたくても払えず、滞納する市民が増えています。滞納者には正規の保険証を取り上げる制裁措置や収納課による厳しい滞納処分が行われ、国保世帯の暮らしをますます苦しめています。

現在の制度のままでは、国民皆保険制度を持続することはできません。守るべき医療の保障は、被保険者間の支え合いではなく、国、県、市町村など政治の責任で大幅に公費を投入し、国保税の引き下げが必要です。

いま渋川市をはじめ全国の先進自治体で、一般会計を支出して、子どもの均等割りを無償化して高すぎる国保税を引き下げています。国からのペナルティを配慮して、渋川市は子育て支援金として、後で均等割り分を支払う償還払い方式の工夫をしています。 

本市の昨年度の国保会計は3億5,965万円の黒字です。国保基金残高も約8億円です。18歳未満の昨年度の均等割りの調停総額は9,904万円です。無償化しても国保会計は赤字にはなりません。物価高騰が子育て世帯を直撃する中、暮らし応援のため、国保税の18歳までの均等割の完全無償化を本市も来年度から実施すべきです。

また、マイナ保険証は全国の医療機関窓口で読み取りできないトラブルなどが続出しています。現行保険証の発行継続を求める世論が圧倒的多数です。本市の国保事務の簡素化どころか資格確認証などの発送事務などが今後も続きます。マイナ保険証への移行の中止を国に求めるべきです。所得の減少世帯対象の国保税の申請減免制度の改善も求めておきます。

 

次に、議案第87号 令和5年度前橋市後期高齢医者医療特別会計決算認定についてです。

2008年に始まった後期高齢者医療制度は増え続ける医療費を被保険者間で支え合おうとするものです。当初、均等割37,000円、所得割7.6%だった保険料は、2年おきの改定を繰り返し、令和4・5年度の2年間の保険料は、均等割額は45,700円、所得割率は8.89パーセント、上限額は66万円に引き上げられ、令和6・7年度は均等割額49,100円、所得割率は10.07パーセントにさらに引き上げられています。

医療費の自己負担額も、2022年10月から収入によってこれまで1割負担だった方に2割負担が導入され、さらに今、3割負担の検討が行われています。

これ以上高い保険料や窓口負担増を高齢者に強いるべきではありません。人生100年時代と言われる今、年を重ねるとともに医療受診も多くなり、重症化しやすい高齢者が、安心して長生きできるためには、公費負担を抜本的に増やして保険料、自己負担額を減らし、真に高齢者のいのちを守る制度とすることが必要です。

 

次に、議案第88号 令和5年度前橋市競輪特別会計決算認定についてです。

 運営を委託している日本トーター株式会社は、昨年度は、民間ポータルサイトを使って車券を191億円売り上げました。グリーンドームの約2億4千万円、電話投票の約33億円、2か所の場外車券売場の約15億円と比べても、総売り上げ約274億円の約70%をインターネットによるオンライン投票が占めています。

 そもそもギャンブル依存症が大きな社会問題になっている今、秘密性と匿名性が可能となり、いつでもどこでも好きな時にやれるオンラインギャンブルは、さらに依存症を誘発する力が格段に強い特質を有しています。とくに子どもの頃からゲームに親しんできた若い世代は、スマートフォンで提供されるゲーム感覚と同じ感覚でギャンブルにのめり込み、クレジットカードやデジタル通貨を使って現金使用感覚が弱まり、ギャンブル依存症に陥りやすいことが懸念されています。

 厚生労働省の調査では、日本のギャンブル依存症は成人の3.6%、320万人と報告されています。本市の競輪事業は、戦後の都市復興のため地方自治体の財政確保を目的に政府が例外として特別に認めてきたものです。今なお、社会的に問題があるギャンブル収益に市財政を依存することは認めることはできません。

 

次に、議案第89号 令和5年度前橋市介護保険事業特別会計決算認定についてです。

高齢者のサービス利用をはばむハードルとなっているのが自己負担の重さです。

 ところが、国は、制度スタート以来、1割とされてきた利用料負担を、2割から3割に引き上げ、所得が低い施設利用者の食費・居住費を軽減する「補足給付」についても縮小し、負担増を強いるという制度改悪を強行しました。本市の介護保険料も当初の基準額月額2700円が昨年度の第9期の改定では6450円となりました。これ以上の引き上げは高齢者に大きな負担となり、すでに限界です。

わが党は、市独自に介護保険料や利用料の独自減免制度をつくるべきと提案しましたが、全く検討しませんでした。また訪問介護の報酬が引き下げられたために、小規模事業所の運営がいっそう困難となり、ヘルパー不足が加速しています。在宅介護基盤が崩壊しないように、市独自で小規模な介護事業所の財政支援を提案しましたが、実施されませんでした。

 また、高齢者の3~4人に1人は認知症か、軽度認知障害という状況です。ところが、現行の介護保険では利用できるサービスに限度があり、「認知症のお世話はもっぱら家族任せ」という高齢者が膨大な数にのぼっています。

認知症の高齢者に対応する公的介護サービス・介護基盤を大幅に拡充するとともに、認知症の早期発見・診断、初期の相談と家族への支援、終末期のケア・看取りまで、切れ目なく治療と支援を行う、医療・保健・福祉の連携体制の構築が必要です。

当面の本市の施策として先進自治体が実施している認知症カフェを更に充実して、軽度認知障害の高齢者が住み慣れた家や地域で生きがいをもって暮らせるような支援施策を求めておきます。

なお、現行の介護保険制度は、高齢者の増加にともないサービスの利用が増えたり、介護職員の労働条件を改善したりすれば、ただちに保険料や利用料の負担増に跳ね返るという根本矛盾をかかえています。保険料・利用料の高騰を抑えながら、家族介護の負担を減らし介護を社会化するという本来目指すべき介護サービスの充実や介護提供基盤の拡充を図り持続可能な制度とするには、国・県の公費負担の割合を大幅に増やすしかありません。制度の根本的改革を国に求めていただきたいと思います。

 

次に、議案第93号 令和5年度前橋市産業立地推進事業特別会計決算認定についてです。

前橋市は、優良農地を買収して産業団地を造成し、固定資産税の減免などの誘導策を

掲げて企業を誘致してきました。

わが党は前橋市の産業振興政策は、市外企業呼び込み型ではなく、市内企業への応援を中

心とした政策に変えるべきと主張し、西善中内産業団地、駒寄インターチェンジ産業団地

造成事業などに反対してきました。

しかし、これまでにも、各企業の経営戦略によってダイハツ車体や東芝やビクターなどが

撤退し、さらには、産業団地を取得した三益半導体などが製造工場を建設する前に撤退するなどの例もありました。企業を誘致すれば、安定的な労働者の雇用が確保され市の税収が増えると安易に考えるべきではありません。

 自治体に必要な産業政策は、現に頑張っている地元の中小企業や下請け企業、そして下請け零細事業者がともに力をつけ成長発展できるように支援することを中心にすべきです。たとえば、東京都大田区や墨田区の精密機械加工産業の集積地域のように、世界と戦えるような熟練した技術力を持つ企業集積をつくり、全国的に知られたブランド製品や商品を作り出す企業集積をつくる支援が必要です。

同時に、各企業が熟練技術者を養成するために正社員を雇用し、賃上げなどの処遇を高める支援が必要です。結果として、離職による労働者の県外流出を防ぎ、全体として市内消費が拡大し、地域経済が発展する地域循環型の産業政策を目指すべきです。

 また日本の食料自給率が38%という深刻な農業情勢であることを認識しながら、農業振興に責任を持つ本市行政が優良農地で農業を営む農業者を支援するどころか、産業用地の確保をめざして、農振地域からの除外や農地転用の仕組みなどの勉強会を開いて営農意欲を弱めることはやめるべきです。後継者を確保し前橋市の農業を持続発展させるためには、国に農家への所得補償、価格保障制度を抜本的に高め、「食べられる農業」を実現するよう強く求めるべきです。

 

次に、議案第94号令和5年度前橋水道事業会計剰余金の処分及び決算認定について及び議案第95号令和5年度前橋下水道事業会計剰余金の処分及び決算認定です。

 

水道の有収率向上に向けた取組として、AIを活用した効率的な漏水調査を実施するとともに、医療機関などの重要施設への計画的な水道施設の耐震化事業や浄水の水質検査や地下水源などの保守点検などの努力を評価するものです。

しかし、水道水の2段階の料金値上げ方針を維持していることを認めることはできません。いま、「失われた30年」という長期にわたる日本経済の停滞と暮らしの困難、家計の疲弊が続いているところに、円安による物価高騰が襲いかかり、小規模事業者や市民の暮らしは深刻な打撃を受けています。

そんな中、水道局は、ライフラインとして必要不可欠である水、水道料金を2022年度から約17%引き上げ、2025年度にはさらに4.7%引き上げ、合計21.7%の料金値上げ方針を堅持しています。「独立採算が求められる地方公営企業として、安定経営のためには水道料金の値上げは避けられない」と説明する当局の見解は認められません。

昨年度は、水道水を市民に年間4795万トンを給水していますが、そのうち自己水源である地下水は45%、残る55%を群馬県企業局の利根川の表流水である県央水道を受水して給水しています。水道事業の経営安定のためにも、市長は県知事に対して他の受水自治体と力を合わせて、県央水道の更なる受水単価の引き下げを要求するとともに、年間協定受水量の引き下げも強く求めるべきです。

また、水道局は、「下水道事業についても収支状況が悪化しているので料金の値上げは避けられない」と強調していますが、これ以上の値上げは認められません。農村集落排水事業と同じように、市街地の下水道事業についても一般会計からの繰り入れを行うべきです。

そもそも本市の上下水道事業会計が厳しくなっている原因は、公営事業としての独立採算を強調して、一般会計からの繰り入れも抑制すべきと言いい、国が命に関わる上下水道などの公共インフラの整備へまともに国庫補助金の交付をしてこなかったことがあります。一定期間が経過すれば、老朽化して布設替えなどが必要になる水道管や下水管の更新、取水施設や浄水施設や、今後発生が予想される大震災の災害対策としての水道管の耐震化などに対して、自治体に交付金を出すのは当然ではないでしょうか。

また国の要請に基づいて、内水ハザードマップを作成しましたが、洪水防止のための貯留施設や貯留能力のある大口径の下水管路への更新については、一般会計からの繰り入れを行うとともに、国への国庫補助金の交付を強く求めるよう要望します。

 

反対討論の最後に、小川市長に申し上げます。

わが党は第1回定例会で、市長の2月の市長選挙で掲げられた公約実現に向けての強い決意を受け止めて、今年度予算に賛成しました。今、市長がリーダーシップを発揮して事業の総点検を実施されています。市長には、不要不急の事業を見極めて、新たな財源の生み出し、今議会で、わが党が要望した学校給食費の完全無償化の来年度実施や公共交通のいっそうの改善充実や各委員会での決算審査で指摘した問題点や課題を十分受け止めて、来年度の予算編成に臨んでいただくよう要望するとともに、福祉・暮らし・教育・子育て優先の市政へ転換を進めるためのリーダシップシップを発揮されるよう強く求めて、反対討論と致します。

 

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