日本共産党前橋市議団を代表して、議案第121号、第131号、第138号、第139号および議案第144号、以上5議案について、反対討論を行います。
はじめに議案第121号、令和6年度前橋市産業立地推進事業特別会計補正予算及び議案第144号、同産業団地の土地の買い入れについてです。
本補正予算議案は、駒寄スマートIC産業団地造成事業の整備工事費4000万円と新産業団地開発事業の業務委託料2454万円の減額補正議案です。
わが党は、本市の産業振興策の基本は、地域に根ざした経済活動を行う地元中小企業を主な対象とし、その自律的な発展を促進し、地域産業全体の内発的発展に結び付けるべきと主張し続けてきました。ところが、本市は、明確な独自のビジョンや戦略もなく、産業用地を確保するために農業振興のために守るべき最も耕作条件の良い優良農地を次々と買収して産業団地を造成し分譲しています。このような本市の産業立地推進方針は抜本的に見直すべきです。
しかも、本市は企業立地促進条例で固定資産税相当分と事業所税相当分を3年から5年も助成し、雇用促進助成金を市内新規雇用者に一人当たり20万円、新たに転勤して市内居住の雇用者に20万円を助成し、1億円を上限に土地取得費の10%を助成しています。
しかし、進出企業の多くは、地域産業振興に貢献することよりも、利益拡大を目指して人件費や輸送費などの生産コスト節減ができるかどうか、あるいは自治体からの補助金・融資などの優遇措置の有無が企業立地の判断基準となっています。
市当局は、企業誘致によって新規雇用の拡大や税収増が期待できると強調していますが、実際には、誘致企業の雇用は正規社員は少なく非正規雇用の割合が大きく、経済情勢の変化や経営が悪化した場合には、本社方針によって工場閉鎖、事業の撤退を進めます。これまでに、前橋市内の大手誘致企業も、数社が希望退職を募集して工場を閉鎖し撤退しており、決して例外ではありません。
今、本市に求められている産業振興策は、年間を通して産出できる豊かな農畜産物など本市の地域資源を有効活用し、首都圏に近く交通利便性が高い立地条件や優位性を活かした独自性の高い産業振興を図ることが重要であります。外から企業さえ呼び込めばその波及効果で地域が栄えるという企業誘致頼みから脱却して、地元で懸命に頑張っている中小企業、小規模事業者を積極的に応援し、技術力を育て伸ばしていくことや、公共事業を生活未着型にシフトし、住宅リフォーム補助制度のように市内で仕事とお金が循環する前橋独自の地域経済振興策を構築して雇用を創出し、販路が全国に拡大する内発的な経済振興策に転換すべきです。そしてないよりも地域産業の主要な担い手である中小企業へのきめ細かな支援策こそ優先すべきです。したがって、土地買い入れ議案も認められません。
次に、議案第131号、前橋市地域包括支援センターの人員及び運営に関する基準を定める条例の改正についてです。
本議案は、介護保険法の改正に伴う条例改正であり、その内容は、地域包括支援センターへの保健師や社会福祉士、ケアマネジャーなどの専門職の配置基準について、本来は常勤配置であるものを、複数の非常勤職員での配置を認める規制緩和を行うものです。
平成26年に制定された本条例では、職員の人数については第4条に規定、運用され、高齢者人口により専従常勤職員の最低人員配置数を定め、担当地域の第1号被保険者である高齢者人口により職員数が決まる仕組みとなっております。さらに、各センターの活動状況等に応じ、介護予防ケアマネジメント件数や相談件数等の状況を考慮しながら、職員配置数を弾力的に決めています。
現状では、市内12か所の地域包括センターは、職員配置において保健師などの専門職員の不足はなく、基準以上の正規職員が配置されております。万が一、不足する事態となれば、非常勤ではなく正規職員を配置すべきであります。
また本条例は、改正法に基づいて改正しようとするものですが、この規制緩和が適用された場合、通常の基準に戻す時期などが定められておらず、業務の質が維持できるか懸念される改正内容でもあります。運用をすぐ行わない状況であっても、国の改正法に安易に準拠すべきではありません
議案第138号、前橋公園の各公園施設の指定管理者の指定についてです。
本議案は、本市が現在直営で管理している古い歴史を持ち、本市を代表する公園として市民に広く親しまれている前橋公園と国指定重要文化財の臨江閣、そして指定管理者が管理運営している中央児童遊園・るなぱあくを、来年4月1日から10年間、一括して株式会社オリエンタル群馬を代表者とする共同企業体であるMade in MAEBASHI コンソーシアム に指定管理者を指定するものです。
その理由として当局は、「施設の利用申請および許可権限が臨江閣が文化財保護課、公園が公園管理事務所にそれぞれ分かれているために、市民の利便性が悪いので一括管理に改善して窓口も一本化し、市民サービスを向上させたい。また、指定管理者制度を導入することで、前橋公園と中央児童遊園を同一の指定管理者に管理してもらうことで管理を一元化し、来園者のサービスの向上、施設管理の効率化を図りたい」と説明し、その結果「前橋公園や臨江閣、るなぱあくなどが持つ魅力をさらに生かし効率的に活用することができるようになり、一層充実した市民サービスの提供が期待できる」とも説明しています。しかし、いずれのサービス向上も直営では実施できないという理由にはなりません。
今後、前橋公園も臨江閣も市民の施設管理上の要望などは、指定管理者を通して市に届くことになり、市当局が市民要望の実際の声を直接聞く機会は大幅に減少します。民間営利事業者の収益事業と、それによる管理を求めることは、公共的な健康増進に寄与する都市公園、余暇施設であり、臨江閣は国指定の文化財という性格上、特に慎重な利活用と保存が求められており、指定管理制度の導入を認めることはできません。
なお、政府は、2018年に都市公園法を「改正」して、公園に民間事業者の収益施設を設置することを可能にしたパークPFI制度を導入しました。本市も荻窪公園の一部に民間事業者の営利事業を認め、事業展開を開始していますが、前橋公園にはPFI制度を導入し営利事業を拡大しないよう強く求めておきます。
最後に、議案第139号前橋市赤城少年自然の家の指定管理者の指定についてです。
本議案は、来年4月1日から5年間、同施設を株式会社NSP群馬を指定管理者として指定するものです。
わが党は、指定管理者制度については、少なくとも営利を追求しない本市の外郭団体であるまちづくり公社や社会福祉協議会にとどめるべきであり、営利を追求する民間事業者を指定管理者に選定すべきではないと一貫して主張してきました。
とくに、赤城少年自然の家は、主として児童生徒を対象とした教育施設であり、職員の業務はいずれも教育的な専門性、継続性が求められる職場です。
しかし、指定管理者制度では、指定された事業者が、そこで働く職員の人件費を抑えることで利潤を確保するしくみであり、しかも指定管理期間が定められているため、職員の多くはパートなど専門性や経験が蓄積されない非正規の不安定雇用となります。公的施設で不安定雇用、官製ワーキングプアを作り出し、結果として市民サービスの質が後退するという大きな問題を持っています。
また、「公の施設」である施設の毎年の管理経費の状況が、指定管理者任せで不透明であることも問題です。
市当局は、温泉施設なども含めて指定管理者には労働環境報告書や収支計画に基づく毎年の収支実績を提出させ確認していると説明していますが、指定管理者が行う業務については、指定管理者が自らが実施することを基本としており、指定管理料がどのように使われているか、自主事業の収支がどのようになっているのか、職員の雇用が安定しているかなど、指定管理者による施設管理の適否については、議会に十分な説明はされていません。
わが党は、児童生徒の教育的施設の運営は、とりわけ教育的配慮や安全性の確保が必要であり、施設利用者や利用団体の意見を十分聴取し、利用料金の軽減や、職員やスタッフの正規化と増員、そして十分な研修によるサービスの向上を市の責任で進め、提供するサービスの充実を図るべきと考えます。
しかし指定管理制度の中では、これらの十分こたえることができません。直営に戻すべきです。
以上申し述べまして、5議案についての反対討論と致します