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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

9月26日 2025年度決算に対する賛成討論 近藤好枝議員

私は日本共産党前橋市議団を代表して議案第94号令和6年度前橋市一般会計決算認定について賛成の立場から討論を行います。

党市議団は、住民福祉の向上に資するものについては賛成し、問題のある施策については対案を示してきました。賛成の理由について具体的な行政施策を5点述べます。

  • 第1は、教育人づくりについてです。

市立中学校の給食費の無償化を6月から実施したことを評価します。学校給食は子どもの健康と命を守る役割があります。憲法26条で義務教育は無償と定められ、給食食材費も教科書と同じく無償と考えることが大事です。また、「食育基本法」は「給食が単なる栄養補給ではなく教育の重要な一環である」として位置付けられています。本市で子育て支援を強調して実施され、物価高騰対策にも答える施策であると評価するとともに、さらに今年度から市立の小中すべての児童生徒の無償化を決断したことを高く評価します。なお、私立に通う児童生徒へも適用されることを要望するとともに、国が来年度から小学校の無償化を実施するように強く求めていただくことを要望します。  

また、気候変動に伴う猛暑対策及び防災対策としても重要な市立の全中学校の体育館へのエアコン設置については2か年計画で実施されていることを評価します。なお、今後、小中学校の特別教室をはじめとりわけ小学校体育館へのエアコン設置も命に係わる重要な施策ですので早急に決断していただくことを求めます。また、多文化共生社会の実現へ、外国人への差別や排外主義から外国人住民の生活や権利を守る全庁的な施策の一層の推進を期待しています。

  • 第2は結婚・出産・子育てについてです。

本市は子ども基本条例及び子ども基本計画を2026年4月制定に向けて、子どもの未来輝く前橋を目指して、子どもの最善の利益が最優先される理念を前提にとりくみました。具体的には産後ケア事業のアウトリーチ型の利用料の無料化や1か月検診費用の助成やヤングケアラー支援、ひとり親家庭への支援など困難を抱える世帯へのきめ細かい支援、災害遺児手当等、保育人材確保対策事業などを実施したことは、今後の施策の具体化を推進する上でも重要な事業であり、さらなる支援を拡充するとともに、3歳未満児の保育料の完全無償化を早期に実施するように要望するものです。

  • 第3は本市の歴史文化を継承し発信する平和行政や文化財保護についてです。

2021年3月に「前橋空襲を語り継ぎ、平和資料を収集展示の形の検討会」から提言書が提出され、市民ミュージカルなども上演されてきました。さらに、前橋空襲と復興資料館検討委員会が2022年6月から2024年3月まで繰り返し議論検討されて、今年4月に「前橋空襲と復興資料館」が開館しました。長い間の平和を願う多くの関係者の皆さんのご労苦に感謝するとともに、この資料館が戦後80年の節目にオープンされた意義と役割が広く市民をはじめ、多くの方々の平和へのメッセージになることを切に願っています。また、この資料館を拠点として平和都市宣言にふさわしい施策展開を要望します。

文化財保護行政では臨江閣の防火対策工事の実施設計や遠見山古墳の用地取得などが重要な取り組みでした。

  • 第4は産業政策についてです。

市内の9割を占める中小業者を支え、地域経済を活性化していくための行政施策は大変重要です。小口資金の貸し付けや中小企業融資資金、創業支援事業、経営支援事業などの施策をはじめ、住宅リフォーム助成制度は建築関連業者の仕事を支え、経済波及効果は10倍となっています。市民にも大いに喜ばれており、1件当たりの助成額を8万円から高崎市のように20万円まで上限額を引き上げて、予算の増額をすることによって、地域経済における更なる経済波及効果が図られます。また、商店への店舗リフォーム補助を市街化調整区域も加えて、市内全域で活用できる制度に拡充したことを評価します。この制度が、中心街商店と周辺商店との支援メニューの落差を解消するように求めます。

 本市の基幹産業である市内農業を支え、環境配慮型農業を具体化して推進したことを評価するとともに、認定農業者担い手支援事業やセカンドキャリア就農支援、農業支援事業などきめ細かな施策を展開してきました。畜産業は本市の高い農業産出額を支える産業となっています。今日の畜産危機から本市の産業を支えるためにさらなる支援を求めるとともに、中でも養豚業における豚熱対策への引き続く支援強化を求めます。

  • 第5に消防と防災についてです。

消防・救急事業においては、市民の生命財産を守るため消防車両の更新や救急出動が増加し、職員の質の向上や救急救命士の育成に取り組み成果を上げています。こうした中で、耐用年数を過ぎた救急車両の更新や増車のための予算の増額を求めます。

また、今日、地震や集中豪雨など頻発する災害に対する防災減災事業は大きな課題となっています。昨年度から市内全域の防災行政無線の屋外拡声子局の更新を2か年計画で実施しました。また、指定一般避難所及び指定緊急避難所への看板の設置及び更新を実施したことは重要です。避難対策では障がい者や高齢者の避難誘導と避難所の確保の強化に取り組むことを求めます。

 

次に、決算認定上の問題点を6点申し上げ改善を求めます。

  • 第1は市営住宅についてです。

本市の市営住宅は5380戸の内2014戸が空き部屋となっており、空き部屋率は37.4%です。大規模修繕や団地の集約化などの必要性を認識しながら、具体化は遅々として進んでいません。入居促進のため、たとえば、給湯器の未設置となっている513戸への設置を図り、入居を促すなど予算の抜本的増額を求めます。また、広瀬1丁目の老朽化した団地の集約化と更新に向けて、本市として初めてPFI事業を推進しており事業者の再公募を実施していますが、PFI事業での事業効果をもう一度再検討する必要があると考えます。

  • 第2は行き過ぎた収納行政についてです。

本市は一貫して行き過ぎた差押えを行っています。国保は加入世帯が減少しているにもかかわらず差し押さえ件数が2022年~昨年度まで年間約4千件で推移しており変化していません。生活や営業を脅かすような過剰な差し押さえをやめ、丁寧な収納行政を実施すべきです。徴収猶予や換価の猶予など納税緩和制度の活用や滞納に至らないように、各種の税の減免制度を十分活用できるように市職員及び市民に徹底すべきです。また、他の自治体が先行的に実施している生活困窮者などに対する重層的支援を早急に実施すべきです。

  • 第3はDX,デジタル推進についてです。

住民の暮らしに役立つデジタル化を否定するものではありませんが、本市は情報システムの標準化・統一化について、対象となる20業務のうち14業務をガバメントクラウドを活用した標準準拠システムへ移行しました。政府が求める自治体の独自施策を抑制する方針に対して、地方団体は行政事務に裁量の余地がなくなるとの懸念を表明して、地方の創意工夫が可能となる仕組みと自治体の負担とならないようにすべきとの要望を挙げています。今後も国に要望すべきです。

また、マイナンバー制度の廃止を求め、「行政のデジタル化」を口実とした行政窓口の縮小や紙による手続きの廃止はせず、対面窓口サービスの充実や手続きの簡略化をすべきです。

  • 第4は公共交通についてです。

グンマースは政府と県のモデル事業として様々な実証実験をしています。昨年度は8,394万円支出しました。総登録者数3万人の内、県内は4割、県外6割で前橋市民はシステム上把握できない事業です。そこで、マイナンバーカードと交通系ICカードを紐づけることによってのみ、市民割や高齢者割を利用できるように限定しているため、公共交通の利用促進につながっていません。本市は公共交通不便地域が多数存在する都市であり、国や県がマイナンバーカード推進事業と位置付けてハードルを上げているために成功していません。したがって、公共交通利用促進の観点からも高齢者割や高校生割などはマイナンバーカードに紐づけず、交通系ICカードでの割引を行うことを検討すべきです。

マイタクは2021年に利用回数120回から70回に、翌年に紙の利用券を廃止などの事業縮小を行ってきました。昨年度は郊外利用者への利用促進を図るために,1乗車時に2回分利用できるように改善しましたが、実利用可能回数を年間往復でみれば35回へと限定的です。登録者が増加し約3万人である一方で、ピーク時から利用者は約10万人減少、支出額も約5200万円減額となっています。したがって、利用者増をめざし、少なくとも利用回数70回から120回にもどして、ピーク時まで予算を増額するように改善すべきです。

  • 第5は市民生活を支える施策についてです。

長引く物価高騰が市民生活を直撃しているなかで、他の自治体ではたとえば渋川市では国保税の18歳までの均等割りを一般会計で支援金として計上しています。また、上下水道会計でも暮らしを直撃する市民生活への負担をこれ以上求めないために、一般会計からの繰り出しおこなうなど本市でも検討すべきです。

  • 第6は区画整理、再開発問題についてです。

区画整理事業は9地区を実施して国の事業採択率が低いこともあり、計画通りに進んでいません。長期にわたる区画整理事業は住民も高齢化しており、個人の人生設計をも狂わせているとともに日常生活に支障をきたしています。たとえば、駒形第1地区では、事業計画から31年経過しており、至る所で工事中の行き止まりの道路、道路側溝整備の遅れによる雨水排水のあふれなど多くの問題が起きています。対象地域への支援とともに、事業進捗率約1%の西武落合第1地区や2中地区の未施工である城東町地域では事業実施の再検討を行うべきです。

千代田町中心拠点地区再開発事業は、2021年から始まったウッドショックによる建設資材の高騰や人件費の上昇により再開発ビルの事業費は上昇を続けています。こうした中で昨年度は総事業費の高騰を抑えるための設計変更などを実施してきました。

最大の問題は、莫大な税金を投入する計画であり、今後の本市の財政に重大な影響を及ぼし、財政の硬直化を招く事業であるということです。本市は、再開発という手法で街中の活性化を実施しようと試みましたが、本市のような小都市では、資材高騰と相まって、タワーマンションのように多くの保留床を売却してデベロッパーが狙うような利益をねん出する事業は成立しません。そこで、事業を成立させるために市立図書館本館を移転させて、図書館という公共性を隠れ蓑にして図書館だけではなく、共愛の義務教育学校やオフィス、スズランの商業施設、マンションを施設に位置付けて、莫大な税金投入の口実にしたのです。公共事業で行う新図書館であれば、事業の計画から詳細設計、完成まで市民とともに十分意見交換し情報共有しながら市民要望に応える新本館ビジョンに十分合致するものになるのではないでしょうか。しかし、民間開発事業であるために、市民と情報を共有して共同歩調取ることはできません。まして、建設費が妥当なのかも検証できていません。また、共愛学園の義務教育学校は前橋市が事実上無償で建設し無償で貸し出す事業になります。本市の市小中学校は建設から50年を超える校舎も多数存在し、大規模改修などの長寿命化が求められています。共同調理場の移転新築も求められています。なぜ、私立の学校にこれほどの厚遇をするのか大きな疑問です。さらに、事業の効果という点でも、街中のにぎわいをつくれるのか、周辺商店は活性化できるのかなど専門家も交えて十分な効果検証がされていません。もとより、移転対象となる商店や周辺の商店の方々の不安や疑問は当然です。したがって、中心市街地の再開発事業を改めて見直すことを求めるものです。

以上申し述べまして、私の賛成討論といたします。

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