第1回定例会における、吉田直弘議員の総括質問を紹介します。
主な質問内容は
前橋テルサ利活用の課題
前橋市立図書館本館老朽化対策
総社古墳群保存の課題
大きくは3点です。
1、はじめに前橋テルサ利活用の課題について質問します。
(1)まずは、公募の問題点についてです。
①昨日、前橋テルサの利活用に関する事業提案型公募が不調に終わったことが公表されました。二次審査で提案が最低基準点に達しなかったため、優先交渉権者の採択に至らなかったと伺っています。テルサの存続と再開を望む市民の皆さんの期待に反し、テルサを解体すべきではありません。
審査の過程には多くの疑問があります。公募要項で非開示とされていた情報が次々に一部メディアで報道されました。3月5日に最終審査を行うこと、二次審査に残った事業者は1者に絞られたこと、非開示情報がどうして外部で報じられたのでしょうか。情報の出所はどこなのか。非常に不思議です。こうした原因を調査もせず、本市の情報管理はどうなっているのでしょうか。本市の責任が強く問われる問題です。いかがでしょうか。
【反論】公募要項に基づく運用ができない審査は、破綻しているのではないでしょうか。本市のガバナンス不全は問題です。
②前橋中心商店街協同組合は2月24日付で、一時審査で不採択となった提案も最終審査の俎上にのせ、審査の見直しを求める要望書が市長と議会に提出されました。2月27日には、前橋商工会議所が、一時審査で不採択となった提案を含め、審査の再考を求めました。審査の透明性の確保、公平・公正な審査の実施を両団体は求めました。現に非開示情報が外部で漏出するような不正常な審査で、結論を急ぐべきではありません。問題の原因を徹底的に調査し、市民に説明すべきです。答弁を求めます。
【指摘】まず市民の声を聞くべきです。ある市民の方は「なんでも密室で決めるやり方に不信感を覚える」とお話しされていました。市民の声に応え、もう一度公募要項を作り直して、公開で再公募すべきです。
(2)市民意見について質問します。
いま党市議団には、解体は納得できないという声が寄せられています。昨年6月には「前橋テルサの存続を求める会」がテルサの存続を求める署名を副市長に提出し、参加された方は「前橋市も丁寧に私たちの声を受け止めてくれた」と期待していました。
今年3月2日に前橋中心商店街協同組合が主催した市民集会に参加しました。「赤字なら解体でいいのか」「公募が決まらなければ解体という結論は極端」「市民の共有財産のあり方を市民抜きで決めるやり方は納得ができない」「街中に来て市民の声を聞くべき」「公募で決まらなければ、従前通りで運営の再開を」という声も上がりました。テルサの解体を心配する、商店の方の声に耳を傾け、尊重して判断すべきです。結局は、市民意見の聴取なく結論先にありきで進めてきた結果、市民の間に不信が広がり、今日の混乱を招いたものと考えます。いかがでしょうか。
【指摘】最も影響を受ける商店街の声も聞かずに解体方針が発表された。ここから大きな不信感が広がっているのです。さらには県民会館が使えなくなり、今度は市民文化会館が長期休館に入ります。市民の発表の場所がなくなる。早期再開を願う市民の声にも、しっかりと耳を傾けるべきです。
(3)そこで、早期再開について伺います。
テルサは、商店街や中心街に限らず、年間40万人が利用する、中心街の拠点施設です。再開発の見通しが立たず、さらにはテルサが解体、市民の発表の場が失われる。本当にこれで街中の賑わいが作れると責任を持って答えられるのでしょうか?地域の皆さんはどこに希望を持てばいいのでしょうか。テルサは、プロやアマチュアなど幅広く門戸を広げて発表の場を提供してきました。ホールの音響や設備も、音楽の発表に適していたと専門家からは伺っています。解体方針は撤回すべきです。丈夫な耐震構造による100年建築時代の建物を、わずか35年で解体するのではなく、既存ストックを再生しリノベーションして活用する方針に転換すべきです。答弁を求めます。
【反論】わずか築30年余りの建物を壊してしまおうというスクラップアンドビルドの発想が時代遅れです。財政が厳しいと強調しながら、解体するにしても莫大な市税投入をすることになり問題です。本市の責任で再開すべきです。
2、市立図書館本館の老朽化対策について
(1)まずは移転の課題についてです。
現在市立図書館本館は、再開発により街中への移転が予定されています。新本館の開館へ向け、司書の皆さんは、サービス向上へ研修を重ね、すでに市民との対話的な試みが始めています。しかし、再開発の延期により移転の見通しが立たない状況です。すでに現本館は建築から50年が経過し、地下の書庫や建物も至る所で水漏れの痕も目立ちます。
そこで党市議団は、本館の移転は必要であるとの立場から質問を重ねてきました。再開発は非常に困難あ状況です。現在区画整理の代替地となっている広大な12,000平方メートルに及ぶ2中跡地や図書館に向かい合う旧副知事公社跡も隣接駐車場を含めて十分な用地確保ができるのではないでしょうか。そこで再開発以外の移転の検討も始める必要があると考えます。答弁を求めます。
【要望】新本館への移転へ、再開発に代わる選択肢の検討していただくよう求めます。そして、市民サービス向上に繋げていくためにも、司書の増員が必要と考えますので、要望します。
(2)次は、現本館の改修と対策について伺います。
映像を写します。党市議団が視察した際に撮影した地下書庫の様子を紹介します。水漏れ対策のための防水シートで書棚が覆われた箇所、床にはバケツ、壁の至る所にひび、雨水か地下水かダクトか不明の水が滲み出た痕跡です。地下書庫の水漏れ対策は長年教育委員会も懸案にしていた問題です。映像を終わります。いま水漏れは防水施工で改善していますが、蛍光灯や空調など設備の経年劣化による更新や応急処置的な対応も頻繁であると伺っております。
移転まで、時間がかかるわけですから、予防保全的な対応策が必要です。そこで計画的に設備更新、改修を実施するため、改修計画の策定が必要と考えますがいかがでしょうか。
【提言】老朽化については皆さんも認識していると思います。水漏れもまたいつどこで起きるかはわかりません。再開発の見通しが立たない状況のもとで移転はまだ先の課題です。一時的な保全とせず、しっかりとした対策を強く求めます。
3、次に、総社古墳群保存の課題について質問します。
(1)まずは、総社二子山古墳についてです。
同古墳は、6世紀後半の古墳とされており、総社古墳群の中でも最後の前方後円墳です。前方部と後円部、双方に石室があることが特徴です。二つの石室を構築した理由、前方部と後円部では構築手法や使用する石材も異なり、歴史的な変化を技術的側面から捉える上で大変重要です。しかし、残念ながら後円部の石室は天井が崩落し、立入禁止となっています。石室の復元を求める市民の声に応えるべきです。総社古墳群は将来整備が必要な史跡と考えますが、古墳の保存整備向けて、より詳細な調査をすべきと考えますがいかがでしょうか。
【提言】総社二子山古墳は、古墳時代の地域の歴史的変化を捉える上でも大変重要な史跡であります。調査をし、保存整備へ明確な方針を持つべきです。
(2)そこで、保存と活用について伺います。
①総社二子山古墳をどう保存し活用するのか明確なビジョンを明らかにするため、保存活用計画の策定が必要と考えますが、本市の見解を伺います。
【要望】古墳群の魅力や価値が後世に伝わるよう、計画の策定に取り組むよう求めます。2023年に市教委が発行した総社古墳群総括報告書には8年かけて行った本格的な発掘調査の成果や可能性が豊かに語られています。
総社古墳群の歴史は、5世紀末の遠見山古墳に始まり、その後は王山、二子山と大型前方後円墳の時代が続きます。そして近畿地方では推古天皇が遣隋使を派遣した7世紀以降、律令制を取り入れる過程で墳墓は全国では縮小化した時代、愛宕山以降、宝塔山、蛇穴山と続く3つの古墳は方墳となり、群馬県地域の古墳時代は終焉します。二子山古墳は、この歴史的ターニングポイントの古墳といえます。推古天皇時代、中央集権国家の整備を目指した動きが関東地方に届き、古墳群の造営も変わります。近畿地方と一致する古墳の展開、朝鮮半島との技術的共通点なども見えてきました。調査の成果のわかりやすい発信が必要です。
②本市の文化財を活かした取り組みについて伺います。総社古墳群の一番の魅力は、5世紀末から7世紀末にかけて、約200年に渡古代墳墓の造営や変遷が伺えることです。石室に入り、触れることができます。そして近隣には山王廃寺跡や高崎市の上野国府跡があり、古墳時代の5世紀末から聖武天皇の国分寺造立の時代に至る歴史の移り変わりを物語る史跡です。古墳時代から飛鳥、奈良時代への変化をウォーキング、サイクリングで学ぶことができます。地域住民の方々が「多くの人に総社に来てほしい」と古墳ガイドや保存に取り組んでいます。本市の文化財を活用した観光誘客は大変有効だと考えます。庁内連携し、本市の魅力発信、観光誘客に繋げるべきと考えますが、見解を伺います。
【提言】総社古墳群は、全国でも有名です。研究者層から歴史ファンに至るまで多くの人が訪れる史跡です。貴重な史跡を観光政策課のSNSでも本市の文化財の魅力発信として積極的に活用されてはいかがでしょうか。イベントや公開講座、発掘調査の現地説明会には多くのファミリー層、歴史ファンが関東各地から集うので、こうした魅力の発信に取り組むことも必要です。
多くの人たちに古墳群に関心を持ち、魅力創出に繋げていただくよう求めて、私の全ての質問を終わります。