市民経済常任委員会で吉原大輔議員は、鳥獣被害対策や前橋テルサの現状、清掃施設広域化、企業の設備投資支援、平和行政、スポーツ施設の老朽化、前橋競輪について質問しました。
1 有害鳥獣対策についてお聞きします
⑴今、アライグマの被害が急増しています。アライグマは、特定外来生物に指定されており、飼育や運搬などが原則禁止されています。アライグマによる具体的な被害として、農業被害のほかに天井裏や軒下、床下などにすみつくことによる騒音被害、糞尿による悪臭被害や建材の腐食によって建物を破壊するなどの生活環境被害があります。繁殖期は3〜6月で、平均4頭ほど出産し、環境省のシミュレーションでは100頭のアライグマを放置した場合、6年後には約5倍、10年後には約50倍に増えるとの結果が出ています。そのため、妊娠中のメスを1頭捕獲すれば、5頭分の捕獲効果があり、翌年の繁殖抑制につながるとのことです。
本市において急増しているアライグマの捕獲の現状と対策についてお聞きします。
⑵ 次にアライグマの捕獲に係る予算について、有害鳥獣補助金、中型獣回収処分等 業務委託などの事業内容についてお聞きします。
【要望】アライグマの繁殖問題の本質は、「一度増え始めると指数関数的に増殖し、駆除が追いつかなくなる」点にあります。本市においても捕獲頭数は今後も増加すると思われますので、予算を増額しての対応を求めておきます。
⑶ 次にムクドリについてお聞きします。以前は新前橋駅周辺でムクドリの群れによる騒音や糞の被害が発生し、報道などでも取り上げられました。最近では少なくなったとはいえ、東善町の住宅街でムクドリによる被害があったとお聞きしています。このムクドリの対応についてお聞きします。
【要望】関係部署と連携して対応していただきたいと思います。
2 次に前橋テルサの現状と今後の計画について
⑴ まず、テルサ管理事業におけるモニュメントの移設に係る調査の120万1000円の繰越明許費についてです。このモニュメントは前橋テルサの周辺に配置されているとのことですが、移設に係る調査とは具体的にどのような内容なのかお聞きします。
⑵次に前橋テルサ維持管理費2145万1000円についてです。設備運転管理や昇降機保守点検、機械警備など事業者公募に伴う民間事業者への所有権移転まで又は市による建物解体工事着手までに必要な維持管理業務を行うとありますが、優先交渉権者の採択に至らず公募不調との結果を受けて、前橋テルサ維持管理の今後の見通しについてお聞きします。
⑶質問の聞き取りの後に公募の結果が公表されましたので副市長にお聞きします。解体設計も公表されず、議会の報告なしに当局も市長も解体の意思を表明しましたが、これは議会軽視であり、市民の切実な願いを無視することで問題です。みとめることはできません。副市長はどのようにお考えでしょうか。
【要望】公募は不調に終わり、解体工事着手まで必要な維持管理を行うとのことですが、公募要項で非開示とされた事項の外部への流出など、ガバナンス不全のもと行われた公募との指摘もあります。最も影響を受ける商店街のみなさんの声に耳を傾けるべきです。県民会館が使えなくなり、今度は市民文化会館が改修工事のため長期休館となるため、演奏会・演劇など市民の発表の場所がなくなります。前橋テルサの再開を願う市民の声にしっかりと耳を傾けていただき、もう一度公募要項を作り直して、再公募すべきです。党市議団としては改めて存続を強く求めます。
3 次に清掃施設広域化についてお聞きします。
⑴そもそも、廃棄物処理問題は、生産者が、製品の生産・使用段階だけでなく、廃棄・リサイクル段階まで責任を負うという拡大生産者責任が問われず、地方自治体や住民が負担を負っていることが問題であり、抜本的に解決されなければならいということが前提としてあります。本年2月4日に、前橋市、桐生市、みどり市、玉村町の5市町により、ごみ処理の広域化に関する基本合意が締結されました。ごみ処理施設の広域化、集約化ありきで進めることは問題です。広域化や集約化を進める前提として、5市町の現状と課題を検証し、これらの情報を開示して話し合いを重ね、住民合意で慎重に検討する事が必要です。また、ごみ処理の広域化により5市町の負担を軽減し支え合うとのことですが、状況の変化によって財政のさらなる負担増が発生する可能性があります。このまま進めるべきではないと考えますが、この清掃施設の広域化の今後の展開についてお聞きします。
⑵ 代表質問の答弁では、単独で整備することと広域化により集約することのメリットデメリットの検討を行ったとありましたので、そこで、建設費や維持費について、どのような検討が行われたのかお聞きします。
【指摘】ごみ処理広域化を推進する国の狙いは、ごみ処理のPFI、PPPを進め、ごみ処理の民営化を推進することです。大企業、ゼネコンの利益誘導型の事業です。施設の集約や共同管理による建設、維持管理コストの縮減効果を強調していますが、公募型プロポーザルを実施することになれば、審査における公平性や客観的な評価基準も市民にとって分かりにくく、不透明となりかねません。ゼネコンの言い値で一般競争入札と比べて莫大な出費を余儀なくされかねず、慎重な検討なしに進めることは問題です。
⑶広域化した場合、建設候補地の場所次第で運搬費用の増加が生じる可能性もあります。そもそも建設候補地が決定しなければ比較検討ができないと思いますが、運搬費用についてはどのような検討がなされたのかお聞きします。
【指摘】人口減少やごみ減少が予想されるもとで、今全国の自治体がごみ処理施設の老朽化や効率化を進めるため、広域化の検討を始めています。ごみ広域化のメリットとデメリットを調査検証した、静岡県長泉町(ちょう)は、施設整備地、収集運搬費の増加をデメリットと指摘しています。処理場の設置場所次第で、ごみ収集車の距離も異なりコストが増大する恐れもあるのではないでしょうか。
⑷広域化によりごみ処理施設が市外で整備され集約された場合、自治体で分別方法に違いがありますので、ごみを出す時の分別意識への変化など、影響が生じることが考えられます。そこで、広域化によるごみの分別意識への影響についてどのような検討がなされたのかお聞きします。
【指摘】先に紹介した長泉町では「ごみの分別方法や有料化など市町により異なる体制の統一や町負担額に大きな影響を与える費用分担方法など、広域化に向けては不確定で検討すべき点が多くあります」と課題を市民に調査の結果として説明しています。ごみ減量の進め方は自治体によっても大きく異なり、ごみ処理広域により本市独自の主体的なごみ減量の取り組みがしにくくなるとともに、住民の声も届きにくくなるので問題です。
⑸広域化による整備、または単独の整備において、熱利用、エネルギーの問題を検討したのでしょうか。たとえば六供温水プールのようにエネルギーを効率的に活用するためにプールを併設することの検討がなされたのかお聞きします。
⑹次に、ごみ処理施設を広域化・集約化することにより、災害時のリスクが増大する懸念があります。そこで、災害時の対応についてどのような検討がなされたのかお聞きします。
【反論】能登半島地震が起きたとき、石川県で被災地のごみ排出量7年分の災害廃棄物が発生しました。特に建物1万棟以上が被災した同県珠洲市では、132年分にあたるごみ排出量を記録し被災地は大混乱となりました。施設が集約化されることにより、一般廃棄物に限らず災害廃棄物が集中し、たとえ大規模な施設を建設しても、処理能力を上回るゴミが搬入されることになりかねません。被災者のゴミの持ち込みも増え機能不全に陥るのではないでしょうか。この検討はもっとしっかりとなされるべきです。
【まとめ】廃棄物処理は、さらなる広域化・集約化ではなく、あくまでも住民の身近なところで完結する資源循環行政こそ目指すべきです。この清掃施設整備の問題は、住民の協力を得ながら、住民参加で行うべきだと思います。長泉町のように、広域化ありきではなく、まずは検討結果を市民に示し、検証すべきです。同町の調査の結果明らかとされた課題として、広域化により、ごみ処理施設の整備地によって収集運搬費が増加し、中継輸送施設の整備が必要な場合があり、交通渋滞などにより収集の遅れなど、住民生活に影響が出る恐れがあることも明らかになりました。住民意見の聞き取り、検討結果の公表、情報公開などをしっかりと行っていただき、既存施設の延命化ができないかの検討も含めて、地域にふさわしい、住民本位のごみ行政へ転換することを要望します。
4 次に企業への設備投資等支援に係る予算についてお聞きします。
⑴物価高騰が続く中、中小事業者には着実な賃上げが求められています。群馬県では、賃上げを実施した事業者に対する「ぐんま賃上げ促進支援金」制度を立ち上げました。従業員の賃金を5%以上引き上げた中小企業等を対象に、一人あたり5万円を支給、業種を問わずに支援の対象として、一事業所あたり最大20人、申請の上限は100万円、最低1か月以上引き上げ後の賃金支給実績があること、引き上げ後の賃金水準を1年間継続することなどが要件になります。県の制度に上乗せする形での支援を太田市や館林市・渋川市では行っています。こうした状況を踏まえて、前橋市として群馬県と連携した支援策を行うことについてお聞きします。
⑵県が実施している賃上げ支援策との連携は現時点では検討されていないとのことですが、賃上げは地域住民の生活向上に直結する重要な取り組みであると考えます。日本共産党群馬県議団による中小企業経営者からの聞き取り調査では「賃上げはできれば行いたいが、原材料費、あるいは燃料費が高騰して、企業努力だけではとても無理だ。行政からの支援はありがたいが、賃上げ5%というのは、非常にハードルが高い。これまでも頑張って1、2%は引き上げてきた。せめてこれを5%でなく3%にしてほしい」などの意見、また「ボーナスも連動して引き上げざるを得ない。社会保険料の負担も増える。継続して支援してもらいたいが、先行き不透明で、なかなかこの一歩が踏み出せない」という意見がだされたとのことです。群馬県はこのような事業者からの意見を受けて、一事業所の最大20人を最大40人まで要件を緩和し、従業員20人以下の小規模事業者に対しては、3%以上の賃上げを実施した場合に1人あたり3万円、1事業所あたり20人まで支援する特例を設けるとしています。県も要件を緩和し特例を設けて支援策を強化しています。そこで、本市として独自の賃上げ支援策を行うことについて見解をお聞きします。
【要望】確かに県の制度では賃上げのハードルが高く一歩を踏み出せない現状にあることも確かで、だからこそ県も特例や要件緩和を進めています。今こそ、行政の支援により大幅な賃上げを行い、市民の暮らしと営業を守ることが求められています。本市においても、県の制度では届かないところへの支援、県の賃上げ制度と連携して行う支援をいままで以上に強化して実施していただきたいと思います。
5、平和についてお聞きします。
⑴まず、代表質問において、平和都市宣言の市長として、憲法9条の改正・非核三原則の見直しなど平和に係る問題について、市長が明確な姿勢を示さなかったのは大きな問題だと思います。平和についての重要な課題ですからしっかりと応えるべきです。
今、ロシアによるウクライナへの攻撃、イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への攻撃、そしてアメリカ・イスラエルによるイランへの攻撃、さらにはイランの周辺国の米軍基地への報復攻撃により、中東地域に戦火が広がろうとしています。こうした状況だからこそ、本市として戦争・紛争に反対することを明らかにして戦後81年目の平和事業を行うべきだと思います。
本市においては、戦後80年目の8月5日を平和祈念の日と定め、国際平和デーまでの9月21日までを平和祈念月間として平和に関するイベントを行ったと聞いています。令和8年度はどのような事業を予定しているのでしょうか。お聞きします。
⑵8月5日平和祈念の日および平和祈念月間の周知について
今年は2年目の前橋平和祈念の日を迎えます。今こそ、この平和祈念の日および平和祈念月間を市民のみなさんに広く知ってほしいと思います。そのためには効果的な広報・周知活動が必要だと考えますが、市民への広報・情報発信についてお聞きします。
【要望】地域の方と対話をすると、前橋市が平和祈念の日、平和祈念月間を設けて平和事業を行っていることを知らない方が多くいます。アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃で戦火が広がろうとしている今こそ、平和の大切を広げる活動がますます重要になっていますので、たくさんの方に参加していただけるように情報発信を強めていただきたいと思います。
6、次にスポーツ施設の老朽化についてお聞きします。
⑴スポーツ基本法では「スポーツは人々の権利」とうたいながら、施設の閉鎖や物価高などで、スポーツに親しむ環境は年々悪化しています。「第3期スポーツ基本計画」では、それまであった「スポーツは人々の権利」の文言がありません。これを象徴するかのように公共スポーツ施設はこの25年間で約6万5千カ所余から5万1千カ所に2割以上も減っています。学校体育施設も1990年代初頭に比べ4万以上(現在12万カ所)も減少する危機的状況です。総務省が全国の自治体に公共施設の集約化を求め続け、スポーツ施設や学校などの統廃合を進めている結果です。これにたいし、スポーツ庁の年間の施設整備費は32億円(2024年度)にすぎず、減少の歯止めとなり得ていません。身近なところで使える施設はますますなくなっています。その一方で政府は、スポーツを「成長戦略」の手段におとしめ、企業のもうけを支える一方、新自由主義的な施策でスポーツ環境を悪化させ〝権利〟は風前のともしびとなっています。
本市のおいては昭和58年の第38回国民体育大会「赤城国体」の開催のため、 多くのスポーツ施設を整備しました。40年以上が経過した現在、市内のスポーツ施設の老朽化が問題となっています。体育館施設整備事業として予算が計上されていますが、市内には体育館・運動公園・市営プールなど様々な施設がある中で、どのような基本的な考え方に基づき施設の改修を考えているのでしょうか。また令和8年度の主な予定についてお聞きします。
⑵次に市営のプールについてお聞きします。前橋テルサのプールは2023年3月の閉鎖により使用は出来なくなっています。六供温水プールは2024年3月で閉鎖され、城南の総合運動公園のプールは2023年10月で閉鎖されています。総括質問では城南の総合運動公園のプールの改修を行い、従来のプールの形で整備するとの答弁がありましたが、市内には六供温水プールのような流れるプールやウォータースライダーなど赤ちゃんからお年寄りまで使用できる市営プールがなくなり、市民が楽しく使えるプールがほしいとの声が多くあります。そこで、閉鎖された市営プールに代わる施設整備の方向性についてお聞きします。
【要望】スポーツを親しむ環境が年々悪化しているなかで、スポーツ施設を維持管理する本市の事業の困難さは理解できますが、国に対し「スポーツは人々の権利」であると声をあげていただき、予算を確保して、市民の皆さんが安全、安心に使えるスポーツ施設を整備・維持管理していただくよう求めておきたいと思います。
7、次に前橋市競輪事業についてお聞きします。
⑴競輪事業において、コロナの時期からインターネット投票と、クレジット決済での購入が増えているとのことです。このオンラインとクレジットでの購入はギャンブル依存症などの入り口となるなど問題だと思いますが、インターネット投票とクレジット決済の状況についてお聞きします。
【指摘】公営ギャンブルのオンライン化が進み、売上げの多くをインターネット投票が占め、2024年度の競輪の全国売上げは5年前の約2倍に急増しています。オンライン購入は、時間や場所を選ばずアクセスできてしまうこと、クレジットは現金でないため管理がずさんになることからギャンブル依存症に陥りやすい懸念があると指摘されています。本市はギャンブル依存症やその予備群の増加に加担する可能性を考慮すべきですので指摘しておきます。
⑵次にギャンブル依存症への対策についてお聞きします。医療や相談現場で若者からの相談が増加し、また金銭をかけている感覚が乏しいため、短時間に多額の借金を抱えるケースが問題となっています。政府も、オンラインカジノによる違法賭博の規制強化などを盛り込んだ、改正ギャンブル等依存症対策基本法を制定し、インターネット投票におけるアクセス制限や依存症対策の強化、民間団体とも連携した相談支援を強めざるを得ない状況になっています。
そこで、競輪事業においてギャンブル依存症の対策についてお聞きします。
【指摘】ギャンブル依存症への対策は不十分だと思います。相談体制の強化などを図るべきだと思います。
⑶今、指定管理事業者が車券売上げアップを狙い、手段を選ばず、ファミリー層までを狙ったイベントを開催し、集客を図ろうとしています。住民福祉の向上を目的とする公共団体が、競輪事業において、努力や苦労をせずに偶然の利益や幸運を得ようとする射幸心を煽ることについて、どのようにお考えなのかをお聞きします。
【要望】ギャンブル依存症は、アルコールや薬物依存症と同じ精神疾患に分類されており、回復には本人も、家族も多くの苦痛と困難を伴います。この苦痛と困難に寄り添うのが住民の福祉の向上を目指す行政の役割であり、射幸心をあおり、依存症予備群や依存症に苦しむ人をさらに増やす競輪事業から本市は撤退すべきと考えますので要望し、質問を終わります。