私は日本共産党前橋市議団を代表して、今議会に上程された議案第117号、議案第125号、議案第127号、及び報告第5号、以上4件について、反対討論を行います。
議案第117号 令和8年度一般会計補正予算についてです。
反対理由の一つは、めぶくペイのポイント還元事業についてです。
この間めぶくペイのポイント還元事業は2023年12月20日からのサービス開始時に、20%のポイント還元事業など3億円を計上、さらに2024年4月から新生活応援キャンペーン、同年10月には30%ポイントキャンペーン、2026年1月からは市民1万人を対象に5000ポイント給付事業(8000万円)などに国の交付金を使い事業を行ってきました。
新年度予算でも、店舗や飲食店応援キャンペーンを実施するための8090万円の予算を計上、さらに9月補正で、支払額の30%ポイント還元をする、めぶくペイアンダー39応援キャンペーンと、40%のポイント還元を行う夕焼けマルシェに3300万円を計上するなど立て続けにめぶくペイのポイント還元事業を実施しています。しかし、めぶくペイは、マイナンバーカードとめぶくIDの登録が大前提です。めぶくIDの市民の登録数がまだまだ進んでいない中で、登録促進を優先し、ポイント還元事業も登録した人に限定し多額の予算をつぎ込んでいますが、全市民を対象とした前橋市の地域経済活性化策とはなっていないことは問題です。
反対理由の二つは、福祉総合システム更改業務、及び戸籍の総合システム更改業務の債務負担行為の設定及び変更についてです。
全国の自治体で、基幹業務システム標準化の移行に向けた作業が進んでいますが、国が求めた2025年度末の移行期限に多くの自治体が間に合わずにいます。本市は20業務のうち19業務がガバメントクラウドへのシステム移行が完了しました。
今回、債務負担行為の設定変更が出されている福祉システムは管理に係る事業者を変更するためです。高崎市・伊勢崎市と本市の3市で共同利用しているシステムに切り替えるための期間と金額の変更です。戸籍総合システムは戸籍のコンビニ交付などを実施するためのシステム変更です。
各自治体は、国のシステム標準化によりこれまでの独自の仕組みからの解体、再構築を迫られています。ガバメントクラウドへの移行や毎年の更新、システム改修に巨額の費用が掛かり、国の補助金の対象外となる周辺システムの改修費が自治体の財政を、さらに圧迫しています。今回のシステム変更も市独自の財政負担の増大を伴うものとなっています。
当初、政府はガバメントクラウドへの移行により、運用コストを3割削減できると説明していました。しかし、全国の自治体ではガバメントクラウドへの移行に伴う運用コストは平均して以前の2.3倍に高騰しています。人件費や電気料金などのエネルギー価格の高騰、円安などの原因により本市においてもシステム運用コストは増大し続け、財政を圧迫しています。こうした元で情報政策課は、コスト削減に取り組んできましたが、歯止めをかけることができない状況が続いています。
デジタル化の本来の目的は、市民の利便性の向上と持続可能な行政運営にあります。しかし、システムの保守・運用経費は年々増大し、市民生活に直結する予算を圧迫する本末転倒な状況にあります。本来ならば外部アドバイザーなどの専門家を配置して、IT事業者と詳細な検討や交渉を重ねるべきです。
このまま事業者言いなりで青天井に負担増を受け入れ続けることに市民の納得は得られないと考えます。以上の理由から、認めることはできません。
議案第125号 前橋市特定保育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例及び前橋市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正についてです。
国は、待機児童対策や保育士不足への対応を理由に、運営基準や設備基準の緩和を行ってきました。
今回、三歳未満児としていた小規模保育を行う認可施設に対する条例を三歳以上児にも拡大するものです。
待機児を抱える大都市圏などで、保育の受け皿を拡大するという目的のために、保育基準の緩和や小規模保育の導入が行われてきましたが、保育の質の低下や安全性への不安が問題となっています。
近くの公園を園庭の代替えとすることにより、子どもの移動時の事故などのリスクが増え、給食の外部搬入を認めることで、アレルギー対応や食の質の低下が懸念されます。また、ビルの一室やマンションなどの使用により、1人当たりの保育室の面積が狭くなり、子どもがストレスやケガ、感染症の発生リスクが増大することなどが指摘されています。さらに、保育士不足への対策として、保育士資格を持たない子育て支援員などの配置を認めていますが、十分な経験や専門性を持たないスタッフで運営せざるを得ない施設もあります。
国のこれまでの基準が従うべき基準から、参酌基準へと変わり、自治体が独自に基準を設定できるようになり、自治体の財政状況や、待機児童数により、保育環境に地域格差が生じていることも問題です。
本市は、現在、定員6人~19人の少人数の認可保育施設は市内にはないとのことですので、条例改正の必要はないと考えます。よって本条例改正を認めることはできません。
議案第127号 前橋市営駐車場条例の改正についてです。
JR新前橋駅東口地区の再開発事業の事業実施に伴い、新前橋駅東口駐車場に係る規定を条例から削るものです。
この事業は、駅前の市営駐車場とJR貨物の敷地を合わせ3400㎡の敷地に14階建てのマンションを中心とした複合棟と入居者用のタワーパーキング、市営駐車場に代わる立体駐車場や、複合棟と立体駐車場を結ぶぺディストリアンデッキを整備する計画です。また、実施事業者に当該用地を賃貸する計画です。本年度中の事業認可、来年度からの周辺建物解体工事などに着手の予定で、この工事に伴い、来年4月から市営駐車場を閉鎖するものです。
この工事期間中、駅利用者は周辺の民間駐車場の利用を余儀なくされることになります。
市民への十分な説明もなく、いきなり市営駐車場が閉鎖されることに市民の理解が得られるのでしょうか。通勤通学利用者や送迎の車などによる利用者に対し、安心して引き続き駅利用ができるように丁寧な対応が必要と考えます。
報告第5号 訴えの提起(学校給食費の支払い請求)の専決処分についてです。
債権管理室は、各部署が個別に管理していた市税以外の債権を一元化し扱う部署として今年4月に設置され、税外未収金の督促や回収業務を中心となって進めています。
そして今回、学校給食費の支払い未納者に対し、再三の催告にも応じないとし、簡易裁判所に支払いの督促の申し立てを行いました。2週間以内に支払いや異議申し立てが無ければ、強制執行、差し押さえができることになります。
しかし、相手から督促異議の申し立てがあったことから、今回、訴えの提起の専決処分についての報告となりました。
各部署が個別に管理し、徴収業務を行ってきたものが、債権管理室に一元化されたとたんに、いきなり裁判所に申し立て、強制執行、差し押さえを行おうとしたことは問題です。
税と同じく税外債権についても、丁寧な対応が求められます。
また、本市は税外債権の徴収を強化する中で、払いたくとも払えない低所得層や、多重債務を抱える困窮世帯も多いと考えます。財産もなく、資力もなく、生活が困窮している人をいつまでも追い続けるのではなく、実態を見極め、早期に不納欠損とし、生活再建への支援を丁寧に行うべきです。
よって、報告第5号の専決処分を認めることはできません。
以上申し述べ、4件についての反対討論といたします。