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日本共産党前橋市議会議員団

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議会報告
REPORT

2026年9月25日 2025年度決算等への反対討論 吉田直弘

私は、日本共産党前橋市議団を代表し、議案第105条から第109号、第112号から第116号、以上10議案に反対し、討論を行います。

 はじめに、議案第105号、令和7年度前橋市一般会計決算についてです。学校給食費は、前年度に実施された中学校に続く、小学校給食費の無償化を実施しました。長年署名などを集めて頑張ってきた市民要望に応えるものとして評価し前年度の予算には賛成をしました。本来、医療や介護、教育、保育、交通は、住民の福祉増進を本旨とする地方自治体が最優先に守るべき仕事です。市長は、再開発に象徴される大型事業や前橋テルサの解体方針に固執し、市立保育所や学校など公共施設の統廃合で市民の財産である公共施設削減を推進しています。また水道と国保税を相次いで値上げし、デマンドバスやマイバスも運賃値上げをして、市民の暮らしを守る公共としての責任を果たしていません。これらの理由から、決算には反対することといたしました。そこで、以下6点にわたり反対の理由を述べます。

 反対の理由の第1は、再開発をはじめとした本市のまちづくりが、市長のトップダウンであり、市民不在ではないでしょうか。千代田町中心拠点地区再開発事業は、今後検討し直すとはいえ、総事業費約470億円、本市負担は約220億円のうち、起債は184億円に上り、未来に大きな禍根を残しかねません。準備組合の設立から8年、市民の目から見て情報公開が不十分で、コンセプトも明確にされないまま長期化する事業は問題であり、この際改めて事業を凍結し、準備組合からの脱退の可能性も含めて、市長は決断すべきです。

 次に、前橋テルサの早期再開への市民の強い願いに応えていないからです。本市は市民の声を尊重せず、一貫して解体する姿勢です。昨年実施した解体設計の結果も公表されないまま、テルサをいわば「負の遺産」と決めつける姿勢は問題です。直ちにリノベーションし、本市直営による再開を決断すべきです。

 また市民生活に影響を及ぼすクリエイティブシティ構想がトップダウンで実施されていることは問題です。中心市街地に大型開発を誘導するコンパクトシティ・プラス・ネットワークのまちづくりは、交通不便地域や郊外に暮らす市民を取り残すものです。どこに住んでも安心して暮らせるまちづくりに転換すべきであり、市民生活に大きな影響を及ぼす事業を進めるべきではありません。

 第2は、本市経済の主役である中小企業や中小業者への支援、市民が安心して働き、住み続けられる前橋市になっていないからです。訪問介護事業者を中心に介護事業者の倒産件数が過去最高を更新し、過半数の医療機関が深刻な赤字経営を強いられています。また多くの産業で資材高騰や人手不足、コロナ禍の融資の返済など資金繰りで、厳しい経営を強いられています。

 県の賃上げ促進支援金への本市独自の上乗せや、公契約条例に下限報酬額を設定し本市の公共事業で働く下請業者や指定管理者のもとで働く労働者の賃上げによる所得向上を支援するとともに、中小業者への資金繰り融資の保証料に対する補助などの実施で事業の後押しを抜本的に強化すべきです。

 いま本市には、多くの会計年度任用職員が基幹的業務を担い、その6割以上は女性職員です。1年ごとの契約更新で不安定雇用を余儀なくされています。継続任用を原則とするよう改善し、均等待遇へ、非正規雇用職員の処遇改善を抜本的に強化すべきです。

 本市は昨年度より債権管理室を設置し、市税債権と学校給食費や介護保険料などの税外債権の収納業務を一元化して、滞納税や未払いとなっている債権の徴収強化を進めています。この徴収強化は、弁護士を通した機械的な催告や督促により、低所得者の暮らしを追い詰めるものであり問題です。執行停止、不能欠損による経営や生活再建、担税力の回復を支援する収納行政へ転換すべきです。

 第3は、地方自治を侵害する国の方針に追随し、ごみ処理施設の広域化を推進しようとしているからです。国がごみ処理施設の大型化、集約化を、PPP、PFI手法による民営化で推進しようとしているもとで、本市も桐生市、伊勢崎市、みどり市、玉村町とゴミ処理の広域化に関する基本合意を結びました。広域化で総事業費や長距離輸送に伴う燃料、車両維持費の増加、災害時の対応など環境負荷の増大の影響など、検証がされていません。莫大な市民負担増が懸念されているにも関わらず、市民の多くは知りません。人口減少、ごみ処理量の減少を強調しながら、広域化で巨大ごみ処理施設を造る必要はありません。東京23区のように、有料化が問題となる自治体もあり、六供清掃工場の更新など独自処理による再検討をすべきです。

 第4は、教育、子育て施策が不十分であることです。保育料の無償化を推進することにより、保育需要は高まることが予想されます。市民のニーズに応える保育体制を確保するためにも、公立保育所の統廃合ではなく、保育士の処遇改善や保育士不足の解消、3才未満児保育の拡充で市民の願いに応えるべきです。

 教育においては、適正規模・適正配置基本方針による小学校10校、中学校3校の統廃合の検討方針を認めることはできません。小規模校のデメリットが強調されていますが、小規模校には教職員と児童生徒の深い交わりが生まれ、一人一人の子どもたちの発達と基礎学力の向上を学校全体で支えることができる大きなメリットがあります。統廃合によって旧町村地域では深刻な衰退を招き、市街地では地域の空洞化を深刻にしかねません。学校は、地域コミュニティの核であり、子どもたちを地域とともに育てる拠点としてさらなる発展を支援し、むしろクラス数を基準とするのではなく、少人数学級を推進すべきです。

 部活動の地域展開は、拙速に推進するのではなく、課題を整理し、学校、地域、家庭、子供たちとの合意を前提に、慎重に検討すべきです。希望する生徒が誰でも参加できるように保障すべきです。また国に対し、財政支援を強く求めるべきです。

 第5は、平和都市宣言市の市長として、平和への政治姿勢が弱いことです。アメリカとイスラエルによるイランへの違法な侵略戦争に対し、世界中で戦争反対の声が上がっています。本市でも「憲法9条を守れ」「戦争反対」と市民の声が広がっています。しかし、本市は、自衛官の募集に関し、18歳と22歳の約6,000人の名簿を、本人同意なしで自衛隊に提供しています。個人情報保護に反するプライバシーの侵害です。自衛隊への名簿提供は直ちにやめるべきです。

 平和都市宣言市の市長として、憲法9条改定など政府の危険な動きに毅然と反対を表明し、前橋空襲と復興資料館を拠点に、平和の取組を強化すべきです。

 第6は、物価高騰が続くもとで市民の暮らしを支える施策が弱いことです。労働者、年金生活者の実質収入が上がらず、単身高齢者やひとり親、厳しい生活を余儀なくされる人々が低廉で快適に暮らすことができる市営住宅の充実は大変重要です。市営住宅の修繕を強化し、風呂釜や給湯器、エアコン設置を進め入居促進を抜本的に強化すべきです。

 本市の65歳以上の高齢者は約10万人、人口の3割を超えています。こうした方々の切実な願いに応えることなく、マイバス、デマンドバスを値上げしたことは問題です。マイタクの利用回数拡充やデマンドバスのドア・ツー・ドア化など公共交通の充実を願う高齢者の願いに応えるべきです。また緊急通報システム、補聴器購入助成や高齢者見守り配食サービスなど高齢者向け施策の拡充で、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らせるための支援を強化すべきです。

次に、議案第106号、令和7年度前橋市国民健康保険特別会計決算認定についてです。

 国民健康保険の加入状況は、個人事業主や農業関係者、年金世帯や非正規労働者などを中心に、加入世帯の7割以上が年収200万円以下の低所得者です。こうした状況を省みることなく、本市は1世帯あたりの年間平均課税額を15万7000円から17万4900円へ17900円もの負担増を求め、国保税を払いたくても払えない人に対する昨年度の差押件数は2416件に上ります。こうした中で当局は、医療費給付の増加や災害などによる財源不足への備と説明しながら、基金を溜め込み続けることは問題です。今こそ本市の基金13億円を活用し、また県に対し財政安定化基金約83億5000万円の活用を求め、高すぎる国保税を引き下げるべきです。

次に、議案第107号、令和7年度前橋市後期高齢者医療特別会計決算認定についてです。

 後期高齢者医療は、75歳上の高齢者を別枠の医療制度の枠組みに囲い込む差別的な制度です。

 制度発足以後、料金は8度に渡る値上げ改定によりすでに保険料は平均6000円をこえました。

 高齢者の間には、物価高騰や実質的な年金収入の減少により、すでに医療機関への受診や服薬を我慢する受診抑制が広がっています。さらに医療費2割負担の軽減措置が終了したことは、高齢者の生存権を脅かす重大な問題です。これは、お金の有り無しで必要な医療を受けられるかどうかが決まり、命の価値を選別するものです。本市は、国や広域連合に対し、保険料の引き下げや負担軽減を求めるべきです。

次に、議案第108号、令和7年度前橋市競輪特別会計決算認定についてです。

 本市は、競輪事業の収益から一般会計に4億5000万円を繰り出し、地域の賑わいに寄与したと説明しています。しかし、約400億円売り上げた車券販売額のうち、8割はインターネット投票です。スマートフォンからキャッシュレスで容易に購入でき、金銭感覚が麻痺し、歯止めが効かなくなるギャンブル依存症リスクを高めるものです。依存症の影響は、本人のみならず、家族などにも及ぶものであり、キッズルームを設置しファミリー層の集客化を図ろうとすることは、依存症予備軍を増やすものであり問題です。本来競輪は、選手同士がバンクの上で激しく競い合う魅力あるスポーツであり、賭け金なしで自立して運営できるスポーツとしての普及を支援し、公営ギャンブルからの脱却し、転換を図るべきです。

次に、議案109号、令和7年度前橋市介護保険特別会計決算認定についてです。

 介護保険制度は、社会で支える理念のもとで創設されましたが、その後は自己負担や家族介護が強化され、老老介護や認認介護の世帯は増え、介護離職は後をたたず、介護殺人や心中なども深刻になっています。本市の介護保険料基準額は、制度開始の当初、月額2,972円でしたが、第9期においては2.3倍の6450円にまで引き上げられました。訪問介護の基本報酬のマイナス改定の影響やエネルギー価格高騰、ヘルパー不足により過去最多を記録した2025年の介護事業所の倒産件数は全国で176件に上り、そのうち訪問介護事業者の倒産件数は91件を占めているもとで介護崩壊の状況はますます深刻となっています。本市でも訪問介護事業の深刻な実態があるもとで、訪問介護事業者への十分な支援が求められます。国に対して予算の抜本的な増額を求めるとともに、本市独自でも介護事業者への支援、介護サービス拡充に取り組むべきです。

次に、議案第112号、令和7年度前橋市用地先行取得事業特別会計及び議案第113号産業立地推進事業特別会計決算認定についてです。本市は昨年度、駒寄スマートI C産業団地の造成工事、大前田樋越産業団地の測量、基本設計を行いました。産業団地造成のため市債4億8839万円を借り入れし、起債残高は40億8230万円に上ります。本市は、産業団地を作れば経済が活性化し雇用が生まれると強調しますが、正規雇用の創出や市内事業者への受発注の実績など具体的な効果検証はされていません。本来、産業団地の造成は、市内事業者のニーズに応え実施すべきであり、大企業優遇、県外からの呼び込み型の産業政策を認めることはできません。

次に、議案第114号、令和7年度前橋市水道事業会計剰余金の処分及び決算認定、議案第115号、令和7年度前橋市下水道事業会計剰余金の処分及び決算認定、議案第116号、令和7年度前橋市農業集落排水事業決算認定についてです。

 本市はこの間、水道料金を2022年と昨年度、2回に分けて21%の値上げ改定を行いました。さらにこの間は下水道料金を25%も値上げ改定しました。単価の高い県央第二水道への依存を強め、本来自己水源の計画的な確保を進め、市民負担の軽減に努力すべきです。

 水道は、人が生き、暮らし、社会を形成する大切な社会インフラであり、公衆衛生の向上と生活環境の改善という公共の福祉に寄与すべき事業です。安定的な経営維持や有収水量の減少を理由に安易に値上げすべきではありません。本市は一般会計からの繰り出しを抜本的に強化すべきです。また本市は老朽管路や施設の更新を国の責任で行うよう求めるべきです。

 最後に申し上げます。本市の標準財政規模は県下2位の約833億2000万円、財政調整基金は約88億5300万円であり、十分に財政力をもつ自治体であります。住民福祉の向上を本旨とする地方自治体として、水道料金の値上げ8億4000万円、国保税引き上げ4億8000万円、マイバスやデマンドバスの料金の運賃値上げによる市民負担増ではなく、再開発などの大型事業を見直し、物価高騰対策など市民の暮らしを支える観点に立った独自施策の拡充に取り組むべきです。

 以上申し述べまして、10議案に対する反対討論といたします。

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